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最終更新日:2011年7月5日
日本の医療体制は世界で最も優れていると諸外国で高く評価されていますが、今その崩壊が叫ばれています。静岡県の状況はどうでしょうか。死亡率は全国で10位以内と良好で、一人当たりの医療費も2番目の低さです。一方、人口当たりの医師数は下から4番目と少なく、看護師数も同程度です。要するに本県では、住民は低コストの医療費で、全国トップクラスの医療を受けられる非常に恵まれた状況にあります。しかし最近、県内の医療体制に大きなひずみが生じてきました。県内の多くの中核病院が自治体病院であるため、これまで厳しい定員規制がされてきました。その結果2~3名の小さな科では医師が一人でも減ると残りの医師でその科を支えきれなくなります。きっかけは新研修医制度の開始でした。卒後2年間の研修は教育の延長とされ、医学教育が実質6年から8年間に延長されたことになり、2年間医療に携わる医師が社会に出なかったのです。しかも、大学に戻る研修医が減り、大学の医師派遣機能が低下して医師の偏在が顕在化しました。その影響が、地域医療を支えてきた県内の自治体病院にも現われました。このような情勢は今後さらに数年悪化する可能性があります。その対策として、医師が静岡を去ることがないように、また一人でも多くの医師が静岡に戻り、また他県からも来てもらえるように医師の就業環境を早急に改善することが必要です。その間は、病院間で連携を強め、役割分担し合って地域医療を維持する必要があります。住民の皆様も、地域によってはこれまで受診していた病院で診療を受けられなくなったりする場合があると思いますが、病院の苦難の時代を乗り切るためにやむを得ない状況にあることをご理解頂きたいと思います。
文:地方独立行政法人静岡県立病院機構理事長 神原啓文
静岡新聞社編集局調査部許諾済み
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