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最終更新日:2011年7月5日
救急医療は苦痛や命の危険がある患者さんにとっては不可欠の医療で、その点で「医の原点」とも言われます。消防庁によりますと近年救急車の出動は増え続け、2007年には500万件以上にも及びました。しかし、その過半数が「病院まで歩くのが苦痛」、「深爪した」など入院を要しない軽症で、救急車を本当に必要とする患者さんの搬送に支障をきたしています。
一方、妊婦のタライ回しが起こり、医療施設の不備が指摘されています。2008年全国集計では、救急搬送における照会回数4回以上あるいは現場滞在時間30分以上の例は重症患者の約4%でした。主な理由は、「処置困難」、「手術中ないし患者対応中」、「ベッド満床」、「専門外」などです。これは救急患者数の増加と医療施設の受け入れ能力のミスマッチが原因です。
救急は入院や手術を必要としない初期救急と、入院を必要とする2~3次救急に分かれ、前者は急病センターや診療所が担当、後者は救急病院が担当します。しかし、救急病院でも半数の患者さんは病院での治療を要しない軽症です。その防止策として、軽症患者さんからは特別料金を徴収する病院が増えつつあります。
多くの病院の救急室では、いろいろな科の医師が当番制で担当します。従って、時間外の救急で専門科の医師に診てもらえるとは限りません。当番医が必要と判断した時には、専門の待機医師に連絡したり、他病院に依頼したりします。担当医は病状に応じて適切な対応を取るように最善の努力をしますが、多忙なため、患者さんに満足してもらえるだけの時間を避けないこともあります。救急は人命に関わる医療の最前線です。救急医療を上手く機能していくためには、地域の皆様の協力とご理解がぜひ必要です。
文:地方独立行政法人静岡県立病院機構理事長 神原啓文
静岡新聞社編集局調査部許諾済み
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