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ホーム > 県立病院機構について > 理事長挨拶 > 理事長コラム > 理事長コラム(6月11日掲載分)

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最終更新日:2011年7月5日

理事長コラム「窓辺」(静岡新聞夕刊連載)

医療の安全性  向上への方策 (6月11日静岡新聞夕刊掲載) 

 医療は安全であるべきで、そのために医療者は最善の努力をしております。しかし、意図しない身体的傷害や死亡事故も起きます。新しい部品で作る製品でも不具合は生じます。人には個人差があり、病気の程度や薬、治療の影響も様々です。検査や治療には複雑な機器を用い、多くの人が関与します。

 チェック体制の整備や自動化には多大な人手と費用がかかります。これらのプロセスのどこかに問題があると医療は適切に提供されません。個々の要素の質と連携をいかに向上するかが鍵です。

 人は必ずミスを犯します。ハインリッヒの法則によりますと、1件の大きな事故が起こるには29件の軽微な事故があり、さらにその基礎にヒヤリ、ハッとするような事例が300件あるとされます。従ってヒヤリ・ハットを少しでも減らし、システム全体の安全性を高めることが重要です。不幸にして傷害が生じた場合には患者さんへの公的補償も必要です。

 欧米の調査によると入院患者の3~16%に医療行為に伴う傷害が生じ、これらの関与による死亡は米国で年間4万4千~9万8千人、そのうち半数強は回避可能とされています。日本でも入院患者の6.8%に傷害が報告されています。

 米国では医療質改善研究所などの呼び掛けで、「10万人の命を救え」運動(100K運動)が展開され、全米の3分の2の3100病院が参加して改善に取り組みました。その結果、18カ月のキャンペーン中に死亡数が大幅に減少しました。

 平成20年、東京で日本版100K運動(医療安全全国共同運動)が開始され、2年間をキャンペーン期間として全国の病院が協力しながら医療の質・安全の向上を目指すことになりました。静岡版は来る7月12日にグランシップで医療関係者が一堂に会して開催の予定です。患者、市民の分科会もございますので、どうぞ、ご参加ください。

 

文:地方独立行政法人静岡県立病院機構理事長  神原啓文

 

静岡新聞社編集局調査部許諾済み

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