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ホーム > 県立病院機構について > 理事長挨拶 > 理事長コラム > 「HPSとは?」(全国自治体病院協議会雑誌2009年8月号掲載)

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最終更新日:2011年7月5日

 

(全国自治体病院協議会雑誌2009年8月号掲載)

HPSとは?

昨年から静岡県立大学短期大学部(以下県短大)のHospital Play Specialist (以下HPS)養成コースの評価委員を頼まれていますが、HPSとは何ぞやという方が大部分ではないでしょうか。自分もそれまでHPSのことは知りませんでした。しかし、HPSのミニ講義を聞かせてもらい、またその実践を見聞きすると小児科ではぜひ必要な職種ではないかと感じるようになりました。実は、本院の小児科にいる保育士さんは、県短大HPSコースの第一期生です。彼女はイギリスにも研修に行きましたが、その報告の中で、「遊び」が子どもの採血成功に大きな効果を示し、またHPSを含めたチーム連携が子どもの医療に大きく関わっていると述べています。子どもに薬を飲ませる場合、日本では少しでも薬が分らないような工夫をすることが多いようですが、英国では子どもに、「薬はまずいもの、でも薬を飲んだ後は美味しいジュースが飲めるよ」と説明するそうです。投薬する看護師やHPSと一緒に、母親は子どもが選んだジュースを持って治療に加わるとのことです。投薬や吸入などの治療に「遊び」をとり入れると、子どもにとって楽しいことから、子ども自らが病気を治すという前向きな気持ちになるそうです。日本では比較的症状が強い子どもは「遊び」による支援は対象外となりますが、英国ではこの時点でもHPSが介入するそうです。すなわち、HPSは医療者が行う聴診、診察、治療など、医療のあらゆる場面に関わり、親を含めたチーム全員で子どもの支援をしているようです。

県短大では2007年よりわが国では初めてのHPS養成教育事業を開始しました。医療機関や医療行為を伴う施設に入院・入所あるいは通院する子どもとその家族の、苦痛、ストレス、不安や寂しさなどに対し、遊びプログラムを提供し支援する専門職がHPSです。遊びは心を癒す治療薬とも言え、なくてはならないものです。一般に幼児期の子どもの生活は、遊びが生活の中心であり、成長・発達と共にそれが時間的にも空間的にも拡大されていきます。「発達」と「遊び」という視点からの知識を活用し、遊びを用いて病児を支援するのだそうです。0~19歳までの患児を対象に、遊びの力を理解し、それを使う遊びのエクスパートで、特別の研修を受けた保育士と言えます。

現在、HPSは英国とニュージーランド、オーストラリアで養成されております。英国では1973 年に最初のHPS 養成課程がカレッジに設立され、数年の内に6校に増え、アイルランドにも1校がHPS養成機関として認定されました。1992年には、子供の入院ベッド10床に1人のHPSの配置が望ましいとの報告が出され、2004 年には専門士の学位が出来ました。英国HPS協会では、その使命として以下の5項目を掲げています。

1. 子どもが病院で生じるストレスや情緒的な悪影響を低減する。

2. 遊びを通して子どもの正常な発達を促進する。

3. 子どもの入院に対処できるように両親を支援する。

4. 病気の子どものニーズを全体的にみる。

5. 遊びにより子どもの情緒的ニーズを満たすことにより、病気の子どもに対する看護と医療の質を高める。

米国でも同様な制度が出来、1986 年に初めて数名のCCLS(Certificated Child Life Specialist) が誕生しましたが、2005 年にはCCLS が3,000 人以上に増えているそうです。

このような取り組みの結果、診療がスムースに進み、子どもたちの回復も早く、小児科の医療に大きく寄与することが認識されるようになってきました。HPSが提供する遊びを通して、児童が非日常的な生活や環境の中でも、子ども本来の日常を取り戻すことが出来、また子どもたちが医療行為や医療プロセスを理解し、不安感を軽減することが出来るようになるようで、わが国でもこれから注目される職種になるのではないかと思います。

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部署名:経営戦略室

電話:054-200-1610

ファックス:054-247-1021

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