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不整脈診療

最終更新日:2018年6月22日

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「最善の不整脈診療を目指す」

静岡県立こども病院 循環器科 不整脈診療部門は頻脈性不整脈・徐脈性不整脈・遺伝性不整脈・同期不全による心不全・失神など心臓のリズムや刺激伝導に関する病気を扱います。
2009年11月より小児の不整脈治療を専門とする医師が着任し、不整脈診療を行っています。
カテーテルアブレーション機器を備え、ペースメーカー・ICD(植え込み型除細動器)・CRT(心臓再同期療法)・植え込み型ループレコーダなどの植え込み型デバイスを積極的に活用し、遺伝子診断専門施設と連携した遺伝性不整脈診療を行っています。


1.不整脈診療部門が主に扱う疾患

不整脈診療部門では主に次のような疾患の診療を特徴とします。
  1. 頻脈性不整脈(脈が速くなる・飛ぶ・乱れる) 例:発作性上室頻拍・WPW症候群・心室期外収縮・心房期外収縮・心室頻拍・心室細動など
  2. 徐脈性不整脈(脈が遅くなる) 例:洞不全症候群・房室ブロック・心停止など
  3. 遺伝性不整脈(遺伝子異常によって起こる頻脈性・徐脈性不整脈) 例:QT延長症候群・カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)・QT短縮症候群・ブルガダ症候群など
  4. 失神(突然意識を失って倒れる) 例:神経調節性失神・反射性失神・起立性低血圧など

2.頻脈性不整脈

普通のリズムより早い心臓の興奮が起こることによって起こる病気を頻脈性不整脈と言います。
突然脈が速くなる発作性頻拍や普通よりもちょっと早い興奮が起こる期外収縮が含まれます。
発作性頻拍には大きく分けて心室頻拍と上室頻拍があり、上室頻拍の主なものとして房室回帰性頻拍(WPW症候群で起こります)、房室結節リエントリー(もしくは回帰性)性頻拍、心房頻拍があります。
期外収縮には大きく分けて心房期外収縮と心室期外収縮があります。
また心室のリズムが完全にばらばらになってしまう状態を心室細動といいます。

これらの不整脈による症状は起こっていても全く気づかないようなものから、起こった瞬間にめまいや失神、循環不全を伴うものまであります。また乳児の場合、自分で訴えられないので数日間発作が続き強い心不全を来すこともあります。

安静時心電図・運動負荷心電図・ホルター心電図・発作時心電図などを用い、必要に応じて電気生理学検査を行って診断をつけます。

薬物治療やカテーテルアブレーションによって治療を行います。
心室細動を起こしてしまう場合には植え込み型除細動器を積極的に検討します。

3.徐脈性不整脈

心臓のリズムを作り、伝えるしくみの異常によって脈が遅くなる病気を徐脈性不整脈といいます。全体のリズムを司る洞結節の異常によって起こる洞不全症候群、心房に伝わったリズムを心室に伝える房室結節の異常によって起こる房室ブロックといった疾患があります。房室ブロックには(1)伝導が遅くなる1度房室ブロック(2)時折伝わらないことがある2度房室ブロック(3)完全に伝導しなくなる3度あるいは完全房室ブロック、に分類されます。

脈が遅いだけで全く症状がない場合から、めまいや失神、運動能力の低下が見られる場合もあります。

薬物治療やペースメーカー植込みといった治療を行います。

4.遺伝性不整脈

心臓の細胞が興奮する仕組みにおいて、様々な役割を担うタンパク質の遺伝子異常によって起こる病気を遺伝性不整脈といいます。QT延長症候群やブルガダ症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍、QT短縮症候群などの病気が含まれます。

近年遺伝子検査の進歩により、より確実な診断とそれに基づく治療を構築することが出来るようになりました。
国内の遺伝性不整脈研究施設と連携して、遺伝子検査とそれに基づく診療を行っています。

遺伝子検査の結果に基づく薬物治療や植え込み型除細動器、その他の治療まで幅広く行っています。

5.失神

「意識を失い」「体の力が抜けて」「何もしなくてもしばらくすると完全に元に戻る」症状を「失神」と言います。小児期から青年期にかけて、失神はよく見られる症状です。その多くは良性で成長と共に見られなくなります。ところがその中のごく一部に心原性失神と呼ばれる、心臓のポンプ機能異常やリズム異常、肺血管の異常による失神が含まれています。不整脈診療部門は神経科や総合診療科と連携して、心臓に起因する失神の診断と治療を積極的に行っています。

ホルター心電図、運動負荷心電図に加え、ヘッドアップチルトテストや植え込み型ループレコーダを用いた診断を行います。

失神に至らないようにするための指導や、原因に応じた治療を計画しています。

6.カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション・クライオアブレーション)

不整脈を起こす異常な心筋や回路をカテーテルによって「取り除く(ablation)」治療をカテーテルアブレーションといいます。高周波によって発生させた熱による「熱アブレーション」と、液化亜硝酸ガスの気化によって冷凍する「冷凍アブレーション」に分けられます。

3次元マッピング装置としてCARTO3システムとNavXシステムの両方を備え、イリゲーションカテーテルやコンタクトフォースカテーテル、クライオ(冷凍)アブレーションカテーテルなど最新の機器の利点をフルに活かした治療を行っています。

図1

図1:CARTO3システムによる心臓MRIと心腔内超音波エコー画像と不整脈のマッピングの融合

 twinAVN

twin AV node(二重房室結節)のマッピング。

左心低形成症候群や無脾症候群、エプシュタイン奇形といった先天性心疾患をもつ患者さんは様々な種類の不整脈を発症することがあります。それらの不整脈は血液の循環を著しく阻害し容易に生命が危険な状態になってしまいます。心臓血管外科・循環器集中治療科・循環器内科が総力を結集して不整脈診療にあたっています。

7.ペースメーカー・植え込み型除細動器・心臓再同期療法

徐脈性不整脈や頻脈性不整脈、心室非同期による心不全に対して、ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT-P/D)といった植え込み型デバイスによる治療を行っています。

成人の植え込み型デバイスは、主に肩の静脈からリードと呼ばれる電線を心臓の内腔、主に右心房と右心室に入れて本体を皮下に植え込みます。小児では静脈が細いため、また先天性心疾患を合併している場合静脈の中にリードを入れられない事があるため、手術によって心臓の表面に心筋リードを縫いつけて本体をおなかの所に入れます。

当科では心臓血管外科医と連携し、経静脈も心筋リードもどちらでも対応します。また2018年4月現在、当院は植え込み型除細動器および心臓再同期療法の施設基準を満たしており、遺伝性不整脈や特発性心室細動に対する植え込み型除細動器の植え込みや、心不全に対する心臓再同期療法(CRT-P)植え込みも積極的に行っています。

近年、ペースメーカーや植え込み型除細動器、心臓再同期療法の器械は遠隔モニタリングに対応しています。他院で植え込んだデバイスの遠隔モニタリングも当科で行う事が可能です。

よくあるご質問

  1. 静岡県立こども病院では何歳まで初診で受け付けてもらえますか?
    現在18歳(高校生)までは紹介状があれば初診で対応します。また不整脈部門ではそれ以上の年齢の方の診療についても可能な限り受け付けています。遺伝性不整脈の診療においては患者さんとその家族の診療・治療も一緒に行っている場合があります。ご相談ください。
  2. 県外に在住なのですが診療を受けることができますか?
    紹介状があれば静岡県外からでも受診していただけます。またペースメーカーや植え込み型除細動器、植え込み型ループレコーダなどのデバイスは遠隔モニタリングも可能です。
  3. カテーテルアブレーションの入院は何日間ですか?
    入院していただき1日目に検査を行い、2日目にカテーテルアブレーション治療、3日目は術後の検査を行い、4日目には退院していただくのが通常のコースです。病状などにより変化します。
  4. カテーテルアブレーションの費用はいくらくらい掛かりますか?
    頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションは各種の公的補助が受けられます。お住まいの地域や年齢、収入などによって補助の範囲が異なります。詳しくはご相談ください。
  5. こどもが複雑先天性心疾患を持っていて、不整脈で困っています。心疾患の治療は地元で受けたいですが、不整脈の治療を静岡で受けることは出来ますか?
    お子さんの現在の心臓の構造や機能を情報をいただきながら詳細に検討して、当院の循環器センターチームとして最善の治療を提供したいと考えております。ご相談ください。
  6. 不整脈の治療に関してセカンドオピニオンを求めたいのですが、可能ですか?
    はい。セカンドオピニオン外来にて対応可能です。相談フォームからお申し込みください。

  7. 学校心臓病検診で異常を指摘されました。こども病院で精査を受けることは可能ですか?
    はい。小学校から高校・専門学校で行われている学校心臓検診の二次検査・三次検査をお引き受けしております。紹介状を発行していただきお申し込みください。