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心房中隔欠損のカテーテル治療

最終更新日:2019年8月27日
先天性心疾患のなかでも頻度の高い、「心房中隔欠損症」は、従来胸を大きく切開して人工心肺を使用する手術でしか治療できなかった病気ですが、近年体への負担の少ないカテーテル治療が主流になっています。当院でもこの治療を開始して3年以上経過し、技師、看護師、麻酔科医、心臓外科医の協力体制も充実しているため、今までのところ患者さんへの合併症は1例もなく、静岡県外からも受診されます。

心房中隔欠損症では、一部の大きな欠損を除く約7割患者さんに本治療が可能です。乳幼児の患者さんでは、通常の外来の心エコー検査で判定できますが、それ以上の体の大きな患者さんでは、通常の心エコー検査では見えづらく厳密に判定できないことも多く、事前に「経食道心エコー検査」によって安全に治療できる患者さんかどうかを判定します。この「経食道心エコー検査」は、患者さんにとっては本来苦痛を伴うものですが、当院では「日帰り全身麻酔」により、苦痛がなく安全で的確な検査を提供しています。患者さんの状況・希望に応じて、1回の入院で治療を完結できる場合もあります。

受診希望、お問い合わせがあれば、下記までご連絡下さい。
静岡県立こども病院 循環器科 金 成海
電話054-247-6251
メールアドレスshkim@me.com

図1:アンプラッツァー閉鎖栓

図2:留置後のイメージ

※図は、製造元AGA medical corporation、輸入販売元日本ライフライン株式会社より提供

心房中隔欠損症(ASD)、動脈管開存症(PDA)に対するカテーテル治療について(Amplatzer)

当院では、ASD、PDAともに、アンプラッツァー閉鎖栓の日本への導入初期から認定を受け経験を重ねています。いずれも先天性心疾患特有の豊富な治療経験を要するため、成人患者さんの治療も行っています。遠慮なくお問い合わせ、ご紹介下さい。

心房中隔欠損(ASD)

経食道3次元心エコー図

経食道3次元心エコー図(治療前):図に続いて説明文

黒く見える穴がASDです

経食道3次元心エコー図(治療後):図に続いて説明文

ASDはデバイスにより閉鎖されています

2次孔型ASDのうち、一部の大きな欠損を除く約7割の患者さんに本治療が可能です。対象は体重15kg以上ですが、より早くからご紹介頂くと、外来で適応の判断が可能となります。患者さんの状況・希望に応じて、事前に日帰り経食道心エコー検査による適応判定を行う場合と、1回の入院で治療を完結させて頂く場合があります。通常、入院期間は3泊4日です。

動脈管開存(PDA)

治療前:写真に続いて説明文

生後9か月乳児

治療後:写真に続いて説明文

動脈管を閉鎖栓で閉鎖しました

当院では、2.5~3mm以下の小さなPDAに対して1996年以降70例以上のコイル塞栓術の経験があり、今では第一選択の治療法となっています。Amplatzer閉鎖栓では、生後6か月以上、体重6kg以上の大きなPDAが治療の対象となります。特に成人の場合は、開胸手術による侵襲が大きいため、この治療法が第一選択となります。通常、入院期間は2泊3日です。
静岡県立こども病院 循環器科

よくあるご質問(Q&A)

Q.小さな心房中隔欠損と診断されましたが、とても元気です。治療は必要でしょうか?

心房中隔欠損は、学校や職場での心電図検診や、偶然に聴取された心雑音で発見されることが多く、発見時に自覚症状を伴うことはあまりありません。しかし、欠損孔の大きさが概ね5~10mm以上で欠損孔からの血液の漏れ(短絡)の量が一定以上(肺・体血流比1.5以上)の場合、加齢とともに息切れや運動能力の低下、肺高血圧、チアノーゼ、不整脈といった症状を呈する可能性が高くなり、一旦症状が生じると欠損孔を閉鎖する治療をしても症状が残りやすくなるので、できればそのような症状を呈する前に治療をしておくことが勧められます。欠損孔の大きさが概ね5mm未満で短絡量が多くない場合には、通常治療の対象にならないことが多いですが、不整脈や奇異性血栓による脳卒中などの症状がある場合は、治療の適応となる場合があります。

Q.今かかっている医師に、欠損孔が大きくてカテーテル治療の対象にならないだろう、といわれたのですが?

欠損孔の大きさが38mmまでがアンプラッツァー心房中隔欠損閉鎖セットによるカテーテル治療の対象とされていますが、実際には25mmを越えて大きくなるにつれて、閉鎖栓の留置に際して高度な技術を要するようになります。また大きさだけでなく、心房中隔壁の中での欠損孔の位置や、まわりに残っている中隔壁の性状によって、安全な留置が困難な場合があります。そのような判断には、実際に治療を行っている病院での経食道心エコー検査などによる極めて専門的な判断が必要ですので、一度お受けになっておくことをお勧めします。

Q.どのくらいの体格(年齢)から治療が可能ですか?

国内では、通常体重15kg以上(3歳以上)が治療の目安とされています。他の病気を合併するなどして成長障害がみられ、欠損孔の閉鎖が優先される場合には、10kg以上のお子さんも治療の対象になります。一方、開心術の場合も、体重10~15kg以上で「完全無輸血手術」の可能性が非常に高くなり、20kg以下の幼児ですと、胸骨が柔らかいため、胸の切開の傷が小さな「低侵襲手術」の可能性が高くなります。したがって、幼児期以前に心房中隔欠損がみつかったお子さんには、2歳以降、体重10kg台で、カテーテル治療か開心術かどちらの治療が適切か選択するための、精密検査をお受けになることをお勧めします(もちろんそれ以降でも検査・治療をさせて頂いています)。

Q.入院期間はどれくらいですか?

当院では、閉鎖術の前日に入院して頂き、通常3泊4日としています。治療後の状況により念のため数日延長となる場合があります。治療前の経食道心エコー検査は「日帰り全身麻酔」で行っています。

Q.検査や治療の費用はどれくらいかかりますか?

入院、通院とも保険診療の対象になります。18歳未満の方は、自立支援法に基づく育成医療を申請して頂くことにより、自己負担額が軽減されます。

Q.入院の予約待ちはどれくらいですか?

治療の入院は、およそ2~3ヶ月待ちです。ただし、夏休みなどは希望される方が多く予約できない場合があります。

Q.退院後の処方、通院はどうなりますか?

カテーテル治療入院日から、治療後6か月まで、心臓内血栓の予防のための内服薬を服用して頂きます。治療後は定期的な通院が必要となります(1か月、3か月、6か月、1・2・3・4・5年)。このように通院回数は多くありませんが、県外にお住まいの患者さんでも、当院にてフォローを受けるようにお願いしています。

Q.退院後の学校生活や運動はどうなりますか?

退院後数日で通学、通勤が可能となります。退院後1か月間は、閉鎖栓がはずれないように、激しい運動は控え、体育の授業は見学にして頂きます。

Q.静岡県立こども病院では何歳まで治療が可能ですか?

カテーテル治療の実績のある病院は、静岡県内では当院のみ、東海地方でも当院と社会保険中京病院(名古屋市)の2か所しかないので、当院では40歳未満の方までは入院治療の対象とさせて頂いています。当院では静岡県立総合病院と連携して成人先天性心疾患外来を開設していますが、厳しい施設基準のため県立総合病院でなく、当院内で心房中隔欠損のカテーテル治療を行っています。