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学校での突然死

最終更新日:2014年12月12日

学校管理下の突然死

突然死死亡率の推移:グラフに続いて説明文

本県をはじめ本邦では、近年児童・生徒を対象にした学校心臓病検診が広く行われているが、今でも全国的には年間120-160例の、本県に置いても年間数件の学校管理下の突然死が起こっているのが現状で、発症率はほぼ横這いである。昭和60年度より平成8年度までの12年間における心疾患の関与が疑われる突然死症例は合計39人であった。

男女別の死亡数

男女別死亡数:グラフに続いて説明文

小学生、中学生、高校生ともに男の方が女よりも多い。全体では男は女の約2.5倍となる。

地域別の死亡数

市町村別死亡数:図に続いて説明文

学校のある市町村別に検討すると、当然ながら人口の多い地域に集中している。東、中、西別に見ると、西部地域にやや多い傾向にあった。

小、中、高校別の死亡数

突然死数と死亡率:図に続いて説明文

心臓性突然死は小学生が10例、中学生が13例、高校生が16例と年齢と共に増加する傾向が示された。対象10万人あたりの死亡者数は小学生で0.25、中学生が0.60、高校生が0.91であった。

学年別の死亡数

学年別死亡数:グラフに続いて説明文

各学年別の死亡者数を比較すると、小学生の内は1~3人にとどまるが、中学1年と高校1年で増加し、高校3年で9人と最も多い死亡者数を認める(図2)。

月別の死亡数

月別死亡数:グラフに続いて説明文

月別の死亡者数を検討すると、5~6月で最大となり12月で最小となる。5月に突然死が多い理由は明かではないが、7~8月、12~1月に少ないのは学校が休みにはいるからであろう。

時間帯別の死亡数

時間帯別死亡数:グラフに続いて説明文

死亡時を時間帯別に検討すると、午前中に多いことがわかる。特に小学生ではほとんどが午前中に集中している。

運動との関連

運動との関連:グラフに続いて説明文

突然死の発生時の状況を検討すると、体育授業中または運動部部活中に多いく、合わせて約70%を占めるのが注目される。登下校時の突然死が多いのも特徴的で、心疾患群にとって登下校はかなりの運動負荷になっていることがうかがわれる。

基礎疾患

基礎疾患:グラフに続いて説明文

39例中21例は生前に心疾患を指摘されたことが無い急性心不全症例であるが、残りの18例では心疾患を指摘されていた。その疾患別分類をみると最も多いのは心筋疾患の9例で、このうち8例は肥大型心筋症である。ついで不整脈の5例が多く、このうち2例はQT延長症候群で他の1例はQT延長症候群の類似疾患である。冠動脈異常の2例のうち1例は川崎病後遺症である。先天性心奇形の2例はともに後遺症を残した術後の症例である。

基礎疾患で特徴的なことは、単独疾患として肥大型心筋症とQT延長症候群の死亡が多い点である。この二つは「突然死を起こす二大疾患」と言われており、明確な確定診断と、家族・学校への適切な生活指導を徹底することが大切と思われた。

結語

心疾患を有する児童・生徒が学校で健康で安全な生活をおくるためには、正確な診断と適切な重症度の決定とともに、管理指導表の提出と運動制限の遵守が大切と思われた。突然死を根絶することは困難かもしれないが、医療施設と学校、家庭が十分連携して、より一層の協力体制を組むことが重要と思われた。