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手術のアプローチ

最終更新日:2014年12月19日

心臓への到達には…

心臓は、胸骨、肋骨、鎖骨、椎体から囲まれる、「胸郭」というスペース内の前方に位置しています。そして心臓はこの胸郭の中で胸骨の真下に位置しています。そのため、心臓手術は「胸骨正中切開」と呼ばれるアプローチで行われるのが一般的な方法です。

「胸骨正中切開」とは、胸のちょうど真ん中、左右の乳首の間の体の中央線上で縦に1本の正中切開と呼ばれる皮膚切開を行います。その後中央にある胸骨自体も縦に2分して、「開胸器」と呼ばれる手術器具で2分した胸骨を左右に広げながら術野を作っていきます。胸骨の下に直接心臓があるのではなく、心臓は心膜と呼ばれる、心臓を包む巾着袋のような膜に覆われた状態で存在します。当然この心膜も中央で切開して観音開きにします。この「心膜」を開けるとようやく心臓に到達します。

「胸骨正中切開」は、一般的には胸骨を全部切って胸を開くのですが、年齢、体重、疾患や手術の重症度などを判断材料として、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の一部の症例においては、ときに小さめの皮膚切開や胸骨を頭側の一部を切らない「胸骨部分正中切開」(小切開)で手術を行うこともあります。

この「胸骨部分正中切開」(小切開)に関しては、当院では対象患者、基準を定めて行っております。まず、安全で適切な手術が行える術野を確保できるよう、また皮膚切開縁に過剰な圧迫や張力がかからないよう、皮膚切開の長さを「身長の7%の長さの皮膚切開」をひとつの目安として定めております。もちろん、体重・身長などを考慮して、これよりも小さな切開で手術を行う場合もあります。ただ、当院の方針として、あまりに小さな皮膚切開に固執するあまり、手術のリスクがあがってしまうようなことはしない、「安全で確実な手術が行える小さな皮膚切開」が最も大事な点であると考えています。「安全」と「確実」が手術の最も大事な要素であるという信念のもとに日々の手術を構築しております。

写真に続いて説明文

【胸骨正中切開】ほとんど大部分の心臓手術

写真に続いて説明文

【胸骨部分正中切開】心房中隔欠損、心室中隔欠損など、一部の負担の少ない手術が対象

開けた胸骨、皮膚をどうやって閉めるの?

手術終了時には、胸骨は多くの患者で胸骨閉鎖用の専用ワイヤー(針金)を用いて閉鎖します(新生児、乳児期早期は糸のみで閉鎖)。術後2月3日ヶ月すれば元の強度を確保可能と考えております。

根治術までに複数回の心臓手術を要する患者様でも、基本的にこの「胸骨正中切開」のみで根治手術を終了することがほとんどで、何箇所もの手術創があるといったことはありません。また、創は基本的に吸収糸で埋没縫合(糸が外に出てこず、抜糸が不要な縫い方)するとともに、創の治癒のために少しでもいいことをしようという観点から、ほとんどの患者で創閉鎖後皮膚表面に「カラヤヘッシブ」という名称の創保護剤でカバーしております。

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