平成29年度 静岡県立こども病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 3776 1043 134 163 20
当院は小児専門病院であるため、入院患者の大部分が10代以下となっている。例外として産科の分娩と循環器系の疾患についての長期のフォローアップを行っているため、少数ではあるが20代以降の患者も受け入れている。年齢階級別退院患者が10代以下に集中していることが当院の特徴であり、小児専門の総合病院として内科系、外科系とともに幅広い疾患に対応することができる体制を構築している。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140280xx99x0xx 気道の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 71 1.92 4.99 0 3.96
040310xxxxxxxx その他の呼吸器の障害 67 4.61 10.93 0 4.91
040180xx97xxxx 気管支狭窄など気管通過障害 手術あり 31 6.52 15.76 0 11.32
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 31 1.23 8.33 0 3.26
030300xx99xxxx 声帯の疾患(その他) 手術なし 28 1.29 5.64 0 5.11
 当科では、消化器外科、固形良性悪性腫瘍、呼吸器外科、腎移植、内視鏡手術、その他外科一般の診療を行っている。上位は新生児、呼吸器系疾患となっており、先天性声門下狭窄症や先天性気管軟化症、処置後声門下狭窄、気管切開部肉腫、気管軟化症がある。これらに対して、顕微鏡下喉頭手術や助軟骨移植、スライド器官形成を行っている。また、食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)では、胃食道逆流症や食道狭窄、胃軸捻症がある。これらに対しては、主に内視鏡手術を行っている。
 県内外の多くの新生児から小児の気道、肺、消化器疾患の治療を行っている。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 83 3.13 4.32 0 8.66
14031xx004x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 経皮的肺動脈形成術等 手術・処置等2 なし 65 5.25 5.85 0 5.2
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 41 4.41 5.30 0 12.1
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 26 8.92 5.94 0 4.19
14031xx19910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 24 3.83 4.52 0 0
 先天性心疾患の精密県である心臓カテーテル検査目的の入院が多い。また、カテーテルを用いた患者さんに負担の少ない手術での入院も多い。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 6.88 6.32 4.76 4.05
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 2.83 3.71 0 6.6
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 36 6.28 5.94 0 2.31
150120xx99x0xx 脳性麻痺 手術なし 手術・処置等2 なし 20 1.4 5.04 0 10.55
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 5.95 5.70 0 4.37
院内標榜科:総合診療科
 当科は様々な合併症を有する児の急性疾患の入院が多い。また、小児集中治療室(PICU)や新生児集中治療室(NICU)を経由した患者の受け入れも多く、医療的ケアを要する患者も多い。様々な合併症をかかえた児が多いが在院日数は全国平均並みである。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 100 1 3.16 0 2.58
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 87 9.4 9.64 0 5.56
080180xx970xxx 母斑、母斑症 手術あり 手術・処置等1 なし 40 1.63 4.04 0 3.6
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 17 1.24 4.86 0 3.06
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 16 1.69 4.14 0 3
母斑、母斑症 手術なし、手術あり:先天性に見られる身体各部の母斑診療と治療を行っている。治療を必要とする症例では全身麻酔での切除手術が多く、そのほとんどを日帰りで行っている。
口蓋・口唇先天性疾患:口唇裂、口蓋裂疾患の患者さんを口蓋裂センターで診療し、口唇形成術、口蓋形成術、顎裂骨移植術、変形外鼻形成術、顎骨形成術などの手術全般を形成外科が行っている。
手足先天性疾患:手指、足̪趾の合指[趾]症、多指[趾]症、裂手[足]症等の治療を行っている。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 68 41.13 40.97 1.47 5.41
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 2あり 52 6.21 13.34 0 5.63
060030xx99x3xx 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 18 12.33 7.42 0 3.78
060030xx97x30x 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 14 12.57 17.91 0 4.07
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 4.91 15.47 0 9.36
 急性白血病は、小児では最も多い悪性疾患であり、それを反映して患者数が多くなっている。また、当院は当県の小児血液・腫瘍診療の拠点となっており、悪性固形腫瘍、造血障害の患者も多く診療している。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 14.52 6.32 7.14 5.88
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 22 7.95 5.94 0 9.64
040130xx99x1xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2 あり 10 8 17.27 10 13.7
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 11.4 5.7 0 6.5
010230xx99x10x てんかん 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし - - - - -
1)難治性てんかん患者の三次病院としての位置づけされている当院には、他院でコントロールできなかったてんかん患者の紹介がある。外来でコントロールを試みることが可能な症例は、外来通院するが、患児の心身の状態、保護者の心配を鑑みて入院により加療する。また、West症候群など決まった治療法のあるものも検査入院を含めて受け入れている。全国的に二相性脳症、辺緑系脳炎の増加がみられ、その後の難治性てんかんの治療をとともに三次病院として脳保護の重要性を啓発している。
2,3)重症心身障がい児は、喀痰の排泄能が低く、また、胃食道逆流症、嚥下機能障害、摂食障害を伴うために頻繁に誤嚥性肺炎、感染性肺炎を起こす。近年は在宅人工呼吸器が普及し、在宅で人工呼吸を行っているものの受け入れも多くなってきた。
いずれの場合においても重症度が高いため、やや在院日数は長くなる。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 64 22.2 25.29 3.13 3.98
14031xx102x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 26 42.73 27.36 7.69 0
14031xx097x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 22 19.95 15.70 0 12.36
14031xx003x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの等 手術・処置等2 なし 17 7.41 15.11 0 4.35
14031xx101x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 完全型房室中隔欠損症手術等 手術・処置等2 なし 16 42 37.53 0 0
 ファロー四徴症の中でも、主要体肺側副血行路に対する肺動脈結合術を積極的に行っている事により、その疾患に対する患者数が上位をしめている。また、同様に肺動脈形成術を積極的に行っており、この対象疾患が多い。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140490xx970xxx 手足先天性疾患 手術あり 手術・処置等1 なし 21 4.38 7.55 0 6.19
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 定義副傷病 なし 18 23.56 15.22 0 9.06
140500xx97x0xx 骨軟骨先天性形成異常 手術あり 手術・処置等2 なし 16 7.31 15.84 0 11.5
160800xx97xxxx 股関節大腿近位骨折 その他の手術あり 16 9.19 19.73 0 10.06
140500xx99x1xx 骨軟骨先天性形成異常 手術なし 手術・処置等2 あり 14 3.79 3.86 0 9.07
1)先天性内反足に対する手術治療
2)脳性麻痺の股関節術後のリハビリ入院
3)多発性外骨腫の外骨腫切除や変形矯正
4)脳性麻痺などの麻痺性股関節脱臼・亜脱臼に対する手術
5)骨形成不全症に対するビスフォスフォネート治療
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 69 30.58 20.41 65.22 30.86
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 58 31.86 31.42 0 32.41
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 50 11.56 9.75 0 33.7
120170xx97x0xx 早産、切迫早産 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 29 23.9 28.62 6.9 30.66
120150xx01xxxx 妊娠早期の出血 子宮頸管縫縮術 - - - - -
 当科は、総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク妊娠・分娩管理を行っています。主たる病態は早産、前期破水、切迫早産であり、続いて、党員が小児病院であることから先天異常児の取り扱いが多くなっています。これらの児に対しては、出生前から継続した医療介入をすることで、児の予後改善につながっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 57 1.07 3.26 0 2.39
140580xx02xxxx 先天性下部尿路疾患 尿道形成手術等 35 8.51 9.76 0 1.83
11013xxx03xxxx 下部尿路疾患 尿管膀胱吻合術等 28 4.86 9.38 0 5.75
11013xxx97xxxx 下部尿路疾患 その他の手術あり 10 3.4 8.88 0 7.8
14056xxx97xxxx 先天性水腎症、先天性上部尿路疾患 手術あり 10 3.9 7.52 0 4.5
 停留精巣固定術は日帰り入院、腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術は術後1泊入院で行っているため、平均在院日数が比較的短くなっている。水腎症に対数腎盂形成手術(体腔鏡下手術を含む)、尿管膀胱吻合術、および膀胱尿管逆流に対する膀胱尿管逆流手術は、原則3泊4日、治療用注入材を用いる膀胱尿管逆流手術は日帰り入院で行っているため、平均在院日数は比較的短い。
新生児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 7.68 6.18 10.53 0
140010x497x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 16 132.94 69.85 18.75 0
140010x397x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g以上1500g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 11 73.45 60.43 54.55 0
140010x497x4xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g未満) 手術あり 手術・処置等2 4あり 11 128.36 126.52 0 0
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 10 13.6 11.49 10 0
 出生体重1,000g未満の超低出生体重児の入院数が多い病院です。静岡県全域から紹介入院されています。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 なし 39 1.72 2.54 0 9.49
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 14 15.43 17.16 0 9.29
130111xxxxx0xx アレルギー性紫斑病 手術・処置等2 なし 12 22.17 12.26 0 5.25
150070x0xx01xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 あり 12 13.92 10.70 0 3.33
150070x1xx01xx 川崎病(2歳未満) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 あり - - - - -
1)食物アレルギーの診断に当たって、最も信頼度が高いのは食物負荷試験です。当科ではリスクの高い食物アレルギー患者の診断のため、日帰り入院での食物負荷試験を多数行っています。食物負荷試験は、また、摂取可能量を判定する目的でも実施しています。
2)当科は、膠原病や自己免疫疾患の患者さんをたくさん診療しています。平成29年度は治療抵抗性の結節性多発動脈炎の患者さんが反復入院したため最も数が多くなっていますが、実際の患者数は若年性突発性関節炎(JIA)やSLEの方が多いです。
3)IgA血管炎は重症の場合、強い腹部症状が長く続き、また、いったん落ち着いても再燃することが多いので長期間の適切な治療が必要になります。
4)当科では初発のみでなく、治療抵抗性のため他院から紹介される川崎病もたくさん見ています。後遺症を残さないように各種の有効な薬剤を組み合わせて治療しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 45 16.27 22.12 0 8.24
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 22 15.64 7.35 0 9.86
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 7.82 12.23 0 7.71
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 17 8.71 12.34 0 3.47
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 10 16.5 8.97 0 10.4
 小児ネフローゼ症候群は、頻回再発型、ステロイド依存症、ステロイド抵抗性などの重症例が当院へ紹介されている。入院して様々な免疫抑制剤で加療を行い、早期退院して外来経過観察している。時に再入院して免疫抑制剤を調整、腎生検評価が必要となる症例がある。
 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎~群は、入院で経皮的針生検を行って診断し治療方針を決定している。治療して免疫抑制剤を調整して、尿蛋白が減少して退院外来管理としている。
 慢性腎不全は、血液透析、腹膜透析、腎移植術を行う腎不全医療を行っている。腎不全医療導入後、安定したらところで外来管理としている。透析のコントロール、腎移植後の合併症などで、時に入院管理を要することがある。


脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140080xx99x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 18 1 3.84 0 4.28
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 11.19 7.34 6.25 3.56
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 1.23 11.14 0 4.23
140080xx97x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術あり 手術・処置等2 なし 10 14.6 14.58 0 5.8
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - - - -
1)先天性中枢神経系奇形に対しては、産科・新生児科と連携をとり、胎児診断から治療・予後に関する出生前説明から関与しています。出生時に奇形整復術・シャント術などを施行し、その後は一定期間ごとに成長に伴う機能的・画像的フォローを行っています。こどもに特化した泌尿器科・整形外科・形成外科などの専門医にも同時に受診できます。
2)脳腫瘍にも緊急開頭による摘出術で対応し、術後は血液腫瘍科・病理診断科・放射線科との密な連携で、放射線・化学療法による後治療までを完結させます。外来通院でも定期的な画像検査・再発管理を厳密に行えるのが当院の特徴です。
3)重症頭部外傷やその後遺症にも集中治療科・リハビリ科と共に、早期離床や機能回復に努めています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 27 1 3.29 0 5.04
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 18 8.78 8.01 0 5.06
100020xx99x00x 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - - - -
030450xx97xxxx 外耳の障害(その他) 手術あり - - - - -
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等2 なし - - - - -
1)滲出性中耳炎、反復性中耳炎に対する鼓膜チュービングは、全身麻酔下で行っている。
2)小児の睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術、アデノイド摘出術を行っている。合併症を持つ小児や3歳未満の小児においては、術後に小児集中治療室(PICU)で管理を行っている。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - 12 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院は静岡県小児がん拠点病院の指定を受けて、積極的に小児がんを受け入れている。その中でも急性白血病が一番多く、ここにある5大癌の症例件数は少ない。
 今回の集計結果である肝癌の再発「12件」の内訳は、全て「肝芽腫」となるが、集計条件として、1入院を1とカウントすることから「12件」には化学療法目的等で入退院を繰り返している方も複数カウントされていることに留意いただきたい。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 172 0.02 0.02 0 3.56
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) 28 0.14 0.32 0 2.93
K3983 喉頭狭窄症手術(Tチューブ挿入術) 19 1.58 1.32 0 6.26
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 18 0.61 4 0 10.61
K510-3 気管支鏡下レーザー腫瘍焼灼術 18 1.17 0.94 0 10.17
 当科では、鼠経ヘルニアや虫垂炎の治療に腹腔鏡を用いた手術を標準的な手術として行っている。腹腔鏡を用いた手術は、傷が小さく痛みが少ないというメリットがある。臍ヘルニア手術は、日帰り手術での治療が可能である。鼠経ヘルニアは古くから日帰り手術を行っており、現在はほとんど傷が残らない腹腔鏡下手術を行っている。虫垂炎も腹腔鏡下手術が標準手術で早期の退院を目指している。
 また、通常の内視鏡的な手術器具では処置が困難であった、気管内や気管支内の肉芽(良性のできもの)や狭窄の治療に、喉頭顕微鏡下や内視鏡下にレーザー光線を用いた治療を行っている。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) 18 0 0 0 3.89
K0052 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) 18 0 0 0 3.83
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴うもの)(片側) 17 1.18 9.59 0 5.65
K4263 口唇裂形成手術(片側)(鼻腔底形成を伴う場合) 17 1.18 8.29 0 0.06
K347-2 変形外鼻手術 14 1.5 3.86 0 16.57
皮膚、皮膚腫瘍摘出術:皮膚・皮下腫瘍の摘出術を多く行っている。
顎口蓋形成手術、口唇形成術、変形外鼻手術:口唇裂、口蓋裂疾患の患者さんを口蓋裂センターで診察し、口唇形成術、口蓋形成術、顎裂骨移植術、変形外鼻形成術、顎骨形成術などの手術全般を形成外科が行っている。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5862 単心室症手術(フォンタン手術) 等 22 2 27.05 0 2.73
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 15 1.27 9.13 0 3.53
K5541 弁形成術(1弁のもの) 13 2.69 43.08 0 4.62
K5702 肺動脈狭窄症手術(右室流出路形成又は肺動脈形成を伴うもの) 12 8.5 26.08 8.33 2.33
K5551 弁置換術(1弁のもの) 12 5.92 16.42 0 18.17
 複雑心疾患を対象患者にしていることが多いことから、フォンタン手術の対象患者が一般的な疾患の割合に対して多くなっている。また、大動脈弁、共通房室弁に対する弁形成術を積極的に行い成績が安定したことにより、対象手術件数が上位となっている。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K836 停留精巣固定術 56 0.02 0.04 0 2.39
K809-2 膀胱尿管逆流手術 28 0.36 3.43 0 5.71
K819 尿道下裂形成手術 25 0 8.16 0 1.48
K8181 尿道形成手術(前部尿道) 17 0.06 8.12 0 6.53
K8282 包茎手術(環状切除術) - - - - -
 触知される停留精巣に対しては通常の停留精巣固定術を、触知されない腹腔内停留精巣に対しては腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術を行っている。膀胱尿管逆流に対しては、開腹で行う場合、通常Cohen法と呼ばれる尿管膀胱新吻合術を行っている。尿道下裂については、その程度により様々な術式が用いられ、在院日数にばらつきがある。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 53 1.7 1.53 0 4.74
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 34 1.12 2 0 11.94
K570-3 経皮的肺動脈形成術 21 3.81 3.19 0 5.24
K616-3 経皮的胸部血管拡張術(先天性心疾患術後に限る。) 14 4.14 6.5 0 7.79
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 13 1.23 1.92 0 10.77
 開胸しての手術ではなく、カテーテルを使った心臓の手術が行われている。異常な血管をつめる(血管塞栓術)、不整脈の治療(カテーテル心筋焼灼術)、血管の細いところを広げる等が行われる。また、従来開心術で行われていた心房中隔欠損の治療もカテーテルを用いて行われ、患者さんの負担軽減となっている。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0482 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(大腿) 等 20 0.15 1.55 0 11.25
K055-3 大腿骨近位部(転子間を含む)骨切り術 17 1.41 11.82 0 9.29
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 等 15 0.07 0.2 0 13.2
K0581 骨長調整手術(骨端軟骨発育抑制術) 15 0.87 4.53 0 11.13
K038 腱延長術 13 0.92 5.15 0 8.69
1)大腿骨骨切り術後のプレート抜去
2)ペルテス病、脳性麻痺などに対する矯正骨切り術
3)下肢変形矯正後のスクリュー・プレート抜去
4)脚長不等補正や骨端線を使用した変形矯正
5)脳性麻痺などの下肢変形に対する腱延長術
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 60 13.25 6.98 0 32.88
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 47 14.36 7.19 0 32.85
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 26 3.65 13.96 0 33.04
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 11 5.82 20.64 18.18 27.64
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) - - - - -
 当科はハイリスク妊娠を扱うため、ほとんど(約7割強)が帝王切開術の施行となり、うち約4割強が緊急手術となっています。また、頚管無力症の搬送例も多く、胎胞膨隆例などに対しては、可及的に縫縮術を施行しています。なお、状態が安定すれば、術後のケースは紹介元に転院となっています。
新生児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 36 0 33.47 33.33 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 33 0 85.91 24.24 0
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
 当院はハイリスク分娩の割合が高く、出生時に新生児仮死蘇生術を要する症例が多いです。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1742 水頭症手術(シャント手術) 11 11.82 19.27 18.18 1.36
K1741 水頭症手術(脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -
K185 脊髄切截術 - - - - -
K1491 減圧開頭術(キアリ奇形、脊髄空洞症の場合) - - - - -
 先天性水頭症は周産期センターと共同して生下時より早期シャント設置を施行し、成長・発達を促す方針です。閉塞性水頭症には可能なら内視鏡下開窓術を行います。他院での感染等によるシャントトラブルにも内視鏡を併用して対応し、多くの症例経験と治療実績があります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 27 0 0 0 5.04
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 16 0.94 6.94 0 5.38
K287 先天性耳瘻管摘出術 - - - - -
K4261 口唇裂形成手術(片側)(口唇のみの場合) - - - - -
K3721 中咽頭腫瘍摘出術(経口腔によるもの) - - - - -
(1)口蓋裂児等、様々な症例に合わせてコブレーター(高周波を用いて粘膜の表面を焼灼する装置)を使用する例もある。痛みや出血が少ない切除を行うことができるデバイスである。
(2)睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術を行っている。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 27 10.7 34.67 0 3.93
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) - - - - -
K9222ロ 造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植)(自家移植の場合) - - - - -
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - -
K0911 陥入爪手術(簡単なもの) - - - - -
 小児がん診療では、抗癌剤等の薬剤投与のため、植込型中心静脈カテーテルを入れるのが一般的である。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 64 1.25
異なる - -
手術・処置等の合併症の症例数は、最も医療資源を投入した病名が入院契機の病名と同一が64件、異なるが4件(表中には非表示)で、その内訳は、中心静脈カテーテル感染症:17件、VPシャント機能不全:7件、MRSA術後創部感染・声門下狭窄術後瘢痕狭窄:各3件、術後創部感染・植込型カテーテルポート閉塞・食道閉鎖術後吻合部狭窄・左尿管回腸導管吻合部狭窄:各2件、その他:26件)となっている。症例の大部分は感染症によるものであり、院内から完全に無くすことは困難であるが、院内感染対策チーム(ICT)を中心に感染症対策に取り組んでいる。
更新履歴
2018/09/28
「平成29年度 静岡県立こども病院 病院指標」公開