平成30年度 静岡県立こども病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 3841 1071 135 191 18 - -
 当院は小児専門病院であるため、入院患者の大部分が10代以下となっている。例外として産科の分娩と循環器系の疾患についての長期のフォローアップを行っているため、少数ではあるが20代以降の患者も受け入れている。年齢階級別退院患者が10代以下に集中していることが当院の特徴であり、小児専門の総合病院として内科系、外科系とともに幅広い疾患に対応することができる体制を構築している。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 189 1.06 2.82 0 3.44
140280xx99x0xx 気道の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 96 1.81 5.13 0 5.08
040310xxxxxxxx その他の呼吸器の障害 43 2.79 10.08 2.33 4.77
030300xx99xxxx 声帯の疾患(その他) 手術なし 39 2.21 5.74 2.56 5.87
060570xx99xxxx その他の消化管の障害 手術なし 34 6.74 7.44 5.88 2.35
 当科では、消化器外科、固形良性悪性腫瘍、呼吸器外科、腎移植、内視鏡手術、その他外科一般の診療を行っている。上位は新生児、呼吸器系疾患となっており、先天性声門下狭窄症や先天性気管軟化症、処置後声門下狭窄、気管切開部肉腫、気管軟化症がある。これらに対して、顕微鏡下喉頭手術や助軟骨移植、スライド器官形成を行っている。また、食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)では、胃食道逆流症や食道狭窄、胃軸捻症がある。これらに対しては、主に内視鏡手術を行っている。
 県内外の多くの新生児から小児の気道、肺、消化器疾患の治療を行っている。
小児循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 90 3.16 4.24 0 8.64
14031xx004x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 経皮的肺動脈形成術等 手術・処置等2 なし 55 4.11 5.25 0 5.02
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 36 4.03 6.45 0 10.08
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 35 4.49 5.15 0 12.29
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 29 10.72 6.19 0 4.03
 先天性心疾患の精密検査である心臓カテーテル検査目的の入院が多い。また、カテーテルを用いた患者さんに負担の少ない手術での入院も多い。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 51 7.22 6.19 0 1.22
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 43 2.74 3.75 0 6.65
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 33 5.97 6.62 0 4.33
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし 20 2.3 3.83 0 1.6
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 19 3.63 5.42 0 5
院内標榜科:総合診療科
 当科は様々な合併症を有する児の急性疾患の入院が多い。また、小児集中治療室(PICU)や新生児集中治療室(NICU)を経由した患者の受け入れも多く、医療的ケアを要する患者も多い。様々な合併症をかかえた児が多いが在院日数は全国平均並みである。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 111 1.01 3.82 0 2.29
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 70 8.06 9.46 0 7.16
080180xx970xxx 母斑、母斑症 手術あり 手術・処置等1 なし 34 1 3.95 0 2.32
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 34 1.85 4.05 0 2.5
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 31 1.39 4.86 0 3.26
 母斑、母斑症、手術なしと手術あり:形成外科では体表に見られる種々の母斑の診断と治療を行っている。自然治療の期待できる症例や悪化をほぼしない症例に対してはできるだけ将来的な予測をお話しして経過観察し、治療を必要とする症例に対しては手術治療やレーザー治療を行っている。
 口蓋・口唇先天性疾患:口蓋裂センターを構成している各科によるチーム医療を行っており、乳児期から思春期以降まで長期的なフォローと治療を行っている。形成外科はそのなかで手術治療を担当している。
 全身にみられる皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍の診断と治療を行っている。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 2あり 68 6.74 13.51 0 6.15
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 59 46.02 40.13 0 6.64
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 3.82 15.42 0 9.94
100180xx97x1xx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 あり 16 27.56 30.19 0 3.94
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 16 16.38 17.1 0 8.75
 急性白血病は、小児がんの中で最も多い疾患であり、当院は静岡県内の小児がん患者が集約される専門施設であるので、患者数が多くなっている。他の造血器腫瘍として、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫も同様の理由で上記に挙げられている。また小児悪性固形腫瘍では、副腎に好発する神経芽腫の頻度が高いため、当院での症例数の上位を占めている。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 165 1.42 2.14 0 3.84
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 なし 46 1.65 2.47 0 9.17
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 18 15.58 0 11.08
060185xx99x0xx 潰瘍性大腸炎 手術なし 手術・処置等2 なし 11 17.09 12.76 0 10.91
150070x0xx00xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 6.36 - -
1)食物アレルギーの診断に当たって、最も信頼度が高いのは食物負荷試験です。当科ではリスクの高い食物アレルギー患者の診断のため、日帰りあるいは1泊2日入院での食物負荷試験を多数行っています。食物負荷試験はまた、症状誘発時の重症度、および接種可能量を評価する目的でも実施しています。
2)当科は、膠原病や自己免疫疾患の患者さんを数多く診療しています。小児の膠原病としては、一般的に若年性突発性関節炎(JIA)や全身性エリテマトーデス(SLE)の頻度が高いとされていますが、平成30年度はSLEが最多でした。
3)当科では炎症性腸疾患の患者さんの診療も行っていますが、その多くは潰傷性大腸炎です。難治性の症例も多く、生物学的製剤を導入する目的での入院も行っています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 60 5.68 7.28 1.67 4.92
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 13 8.31 6.19 0 9.92
010230xx99x10x てんかん 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 12 7.67 11.39 8.33 7
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 なし - - 3.13 - -
150120xx99x1xx 脳性麻痺 手術なし 手術・処置等2 あり - - 8.24 - -
1)急性脳炎脳症や重症心身障がい児のてんかんコントロールを入院で加療している。持続脳波を装着し急性期は経静脈的に抗けいれん薬を投与し、けいれんがコントロールできたら内服の抗てんかん薬に置換している。WEST症候群の治療としてACTH療法や眼科医の協力のもとビガバトリンの導入も入院で行っている。
2)重症心身障がい児は、喀痰の肺性能が低く胃食道逆流症や嚥下機能障害や摂食障害を伴うために頻回に誤嚥性肺炎や感染症肺炎を合併する。近年、在宅人工呼吸器の人工呼吸器管理下での肺炎や気管支炎の治療が増加傾向にある。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 73 11.16 9.7 0 32.55
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 59 28.73 19.69 47.46 30.88
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 48 25.25 30.12 2.08 32.65
120170xx97x0xx 早産、切迫早産 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 29 29 26.6 6.9 32.62
120150xx01xxxx 妊娠早期の出血 子宮頸管縫縮術 19 15.32 18.17 0 34.11
 当院の主たる対象症例は、胎児異常、切迫早産、頸管無力症である。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 64 16.66 24.62 3.13 5.31
14031xx101x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 大血管転位症手術 大血管血流転換術(ジャテーン手術)等 手術・処置等2 なし 22 50.95 40.02 18.18 0
14029xxx01x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 弁形成術等 手術・処置等2 なし 21 8.62 15.15 0 5.24
14031xx19900xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 18 1.39 8.99 0 0
14031xx102x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 17 27.06 28.17 5.88 0
 出生数に対する疾患の発症数に見合った患者数です。ひとりの患者で一年間で複数回の手術を行うことにより、手術件数より患者数が多くなります。集約化により医療圏を超えの紹介があるため、少し数が多くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 61 1.07 3.14 0 4.15
14056xxx97xxxx 先天性水腎症、先天性上部尿路疾患 手術あり 40 3.08 7.26 2.5 5.1
140580xx02xxxx 先天性下部尿路疾患 尿道形成手術等 38 7.82 9.79 0 3.08
11013xxx03xxxx 下部尿路疾患 尿管膀胱吻合術等 25 4.48 9.22 0 6.56
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 16 6.31 12.58 0 7.06
 停留精巣固定術は日帰り入院、腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術は術後1泊入院で行っているため、平均在院日数が比較的短くなっている。水腎症に対数腎盂形成手術(体腔鏡下手術を含む)、尿管膀胱吻合術、および膀胱尿管逆流に対する膀胱尿管逆流手術は、原則3泊4日、治療用注入材を用いる膀胱尿管逆流手術は日帰り入院で行っているため、平均在院日数は比較的短い。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140490xx970xxx 手足先天性疾患 手術あり 手術・処置等1 なし 21 3.71 8.01 0 5.1
140500xx97x0xx 骨軟骨先天性形成異常 手術あり 手術・処置等2 なし 20 5.3 13.68 0 11.4
160800xx97xxxx 股関節・大腿近位の骨折 その他の手術あり 19 7.47 14.76 0 9.47
070210xx97xxxx 下肢の変形 その他の手術あり 11 6.09 18.77 0 8.45
140620xx97xxxx その他の先天異常 手術あり 11 6.45 10.38 0 8
1)先天性内反足に対する手術治療
2)多発性外骨腫の外骨腫切除や変形矯正
3)脳性麻痺などの麻痺性股関節脱臼・亜脱臼に対する手術
4)骨系統疾患等の下肢変形に対する手術
5)内反膝、外反膝等に対する手術
新生児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 9 6.17 17.86 0
140010x497x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 16 122.25 77.79 37.5 0
140010x397x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g以上1500g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 13 35.54 55.73 76.92 0
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 12 9 11.34 50 0
140010x297x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術あり 手術・処置等2 1あり 10 35.4 25.99 30 0
 出生体重1,000g未満の超低出生体重児の入院数が多い病院です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 なし 80 2.98 3.13 0 5.13
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 35 8.63 7.89 0 4.4
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 28 1.04 3.17 0 4.39
030180xx97xxxx 口内炎、口腔疾患 手術あり - - 9.2 - -
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 - - 7.27 - -
1)滲出性中耳炎、反復性中耳炎に対する鼓膜チュービングは、全身麻酔下で行っている。
2)小児の睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術、アデノイド摘出術を行っている。合併症を持つ小児や3歳未満の小児においては、術後に小児集中治療室(PICU)で管理を行っている。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140080xx99x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 15 1.47 3.79 0 3.47
140080xx97x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術あり 手術・処置等2 なし 12 11.42 13.98 0 3.33
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 6.45 7.35 0 4.73
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 1.36 11.45 0 4.73
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 21.16 - -
1)先天性中枢神経系奇形に対しては、産科・新生児科と連携をとり、胎児診断から出生後治療・予後に関する出生前説明から関与している。出生後に奇形整復術・シャント設置などを施行し、その後は一定期間ごとに成長に伴う機能的・画像的フォローを行う。器官ごとに小児外科・整形外科・泌尿器科・形成外科など他科との長期集学的治療を続けている。
2)重症頭部外傷や頭蓋内出血に救急で手術対応し、集中治療科・ER・リハビリ科と共に、早期離床や機能回復に努めている。
3)脳腫瘍にも緊急開頭摘出術で対応し、術後は血液腫瘍科・放射線科との密な連携の下、化学療法・放射線照射による後療法までを完結させている。外来通院でも定期的な画像検査・再発管理を厳密に行えるのが当院の強みである。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 33 21.09 7.18 0 9.55
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 21 19.62 21.4 0 6.95
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 14 7.5 8.77 0 10.86
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 10 6 12.58 0 2.6
14056xxx99xxxx 先天性水腎症、先天性上部尿路疾患 手術なし - - 4.81 - -
 小児のネフローゼ症候群は、頻回再発型、ステロイド依存性、ステロイド抵抗性などの重症例が当院へ紹介される。入院して、免疫抑制剤投与、その薬物血中濃度測定等を行って管理している。また、免疫抑制剤の中でもリツキシマブの保険収載がされてからは、入院患者数が激減して難治齢が激減したことで入院期間も減少傾向にある。外来管理が増加傾向にある。時に腎障害等を認める場合は、腎生検を入院で行って評価することがある。
 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎~群は、入院で腎生検を行って評価して、治療方針を決定。免疫抑制剤投与などの治療で、蛋白尿が減少したら外来で管理している。
 慢性腎不全は、血液透析、腹膜透析、腎移植術等の腎不全医療を行っている。腎不全医療導入後安定したら、外来管理としている。透析、腎移植の合併症管理等で入院加療が必要となることがある。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - -
大腸癌 - - - - - -
乳癌 - - - - - -
肺癌 - - - - - -
肝癌 - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
  当院は全国で15ある小児がん拠点病院の指定を受けて、積極的に小児がんを受け入れている。その中でも急性白血病が一番多く、ここにある5大癌の症例件数は少ない。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 190 0.03 0.07 0 3.44
K3983 喉頭狭窄症手術(Tチューブ挿入術) 23 5.04 1.3 0 6.22
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) 22 0.05 0.05 0 2.36
K5223 食道狭窄拡張術(拡張用バルーンによるもの) 21 0.14 0.48 0 6.62
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 21 4.24 11.33 4.76 8.24
 当科では、鼠経ヘルニアや虫垂炎の治療に腹腔鏡を用いた手術を標準的な手術として行っている。腹腔鏡を用いた手術は、傷が小さく痛みが少ないというメリットがある。臍ヘルニア手術は、日帰り手術での治療が可能である。鼠経ヘルニアは古くから日帰り手術を行っており、現在はほとんど傷が残らない腹腔鏡下手術を行っている。虫垂炎も腹腔鏡下手術が標準手術で早期の退院を目指している。
 また、通常の内視鏡的な手術器具では処置が困難であった、気管内や気管支内の肉芽(良性のできもの)や狭窄の治療に、喉頭顕微鏡下や内視鏡下にレーザー光線を用いた治療を行っている。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) 32 0 0.03 0 3.22
K0052 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) 24 0.04 0.38 0 2.79
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴うもの)(片側) 21 1.05 9.14 0 7.1
K1002 多指症手術(骨関節、腱の形成を要する) 20 0.05 0.1 0 0.3
K0062 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上,6㎝未満) 12 0 0 0 3.25
 皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍の手術を多数行っている。口蓋裂センターでは形成外科が手術治療を担当しており、口唇形成術、口蓋形成術、顎裂骨移植術、変形外鼻手術などを行っている。その他に手足の先天性疾患である多指(趾)症、合指(趾)症の手術も数多く行っている。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K836 停留精巣固定術 61 0.02 0.05 0 4.15
K809-2 膀胱尿管逆流手術 25 0.08 3.4 0 6.56
K8181 尿道形成手術(前部尿道) 22 0 7.41 0 4
K783-3 経尿道的尿管ステント抜去術 21 0.19 0.62 4.76 5.62
K819 尿道下裂形成手術 19 0 8.42 0 1.42
 触知される停留精巣に対しては通常の停留精巣固定術を、触知されない腹腔内停留精巣に対しては腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術を行っている。膀胱尿管逆流に対しては、開腹で行う場合、通常Cohen法と呼ばれる尿管膀胱新吻合術を行っている。尿道下裂については、その程度により様々な術式が用いられ、在院日数にばらつきがある。
小児循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 41 1.1 2 0 4.56
K570-3 経皮的肺動脈形成術 31 3.16 3.06 0 4.23
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 25 1.44 2.88 0 11.08
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 18 1.33 2.39 0 15.33
K5621 動脈管開存症手術(経皮的動脈管開存閉鎖術) 18 1.28 1.06 0 4.83
 開胸しての手術ではなく、カテーテルを使った心臓の手術が行われている。異常な血管をつめる(血管塞栓術)、不整脈の治療(カテーテル心筋焼灼術)、血管の細いところを広げる等が行われる。また、従来開心術で行われていた心房中隔欠損の治療もカテーテルを用いて行われ、患者さんの負担軽減となっている。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 23 2.91 10.04 0 2.17
K5862 単心室症手術(フォンタン手術) 等 18 2.33 23.22 5.56 3.72
K5741 心房中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 16 2.13 6.63 0 6.25
K5541 弁形成術(1弁のもの) 12 4 20.83 8.33 7.17
K5702 肺動脈狭窄症手術(右室流出路形成又は肺動脈形成を伴うもの) 等 11 7.55 24.82 9.09 2.73
 出生数に見合った疾患の発症数の結果です。フォンタン手術は診断名ではなく術式のため、疾患診断名より手術件数が多くなります。集約化により医療圏を超えての紹介があるため、通常より数が多いです。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 68 8.53 7.01 1.47 32.78
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 63 9.78 7.03 0 32.37
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 26 5.27 15.12 3.85 33.42
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 22 5.55 19.64 4.55 32.95
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) - - - - -
 当院は28週未満の切迫早産や前期破水、妊娠高血圧症候群などのハイリスク症例を対象としている。そのため、緊急帝王切開の頻度が増加している。
 また、当院は胎胞膨隆など高度の手術件数を要する病態を扱っており、シロッカー手術の頻度が高くなっている。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0482 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(大腿) 等 26 0.12 1.96 0 10
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 等 15 0 0.13 0 12.6
K038 腱延長術 11 0.82 5 0 9.55
K055-3 大腿骨近位部(転子間を含む)骨切り術 11 1 10.36 0 8.27
K0522 骨腫瘍切除術(下腿) 等 - - - - -
1)大腿骨骨切り術後のプレート抜去
2)下肢変形矯正後のスクリュー・プレート抜去
3)脳性麻痺などの下肢変形に対する腱延長術
4)ペルテス病、脳性麻痺などに対する矯正骨切り術

新生児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 48 0 75.5 37.5 0
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 41 0 31.44 24.39 0
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K7322 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴うもの) - - - - -
K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) - - - - -
 当院はハイリスク分娩の割合が高く、出生時に新生児仮死蘇生術を要する症例が多いです。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1741 水頭症手術(脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)) 10 3.7 12.9 0 4.2
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -
K1803 頭蓋骨形成手術(骨移動を伴うもの) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
 先天性・続発性水頭症ともに、積極的に内視鏡による脳内短絡路の形成を図っている。他院での感染等によるシャントトラブル例にも、内視鏡下開窓術を併用して単シャント化を目指し、多くの症例経験と治療実績がある。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 29 0.07 0.24 0 4.34
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 等 28 0.96 7.14 0 4.64
K370 アデノイド切除術 - - - - -
K419 舌小帯形成手術 - - - - -
K318 鼓膜形成手術 - - - - -
(1)口蓋裂児等、様々な症例に合わせてコブレーター(高周波を用いて粘膜の表面を焼灼する装置)を使用する例もある。痛みや出血が少ない切除を行うこと ができるデバイスである。
(2)睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術を行っている。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 28 12.61 40.25 0 6.71
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) - - - - -
K9222ロ 造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植)(自家移植の場合) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの) - - - - -
 小児では血管確保が必ずしも容易ではなく、長い治療期間の間、抗癌剤を安全に投与するため、静脈内持続注入用埋込型カテーテルの使用頻度が高い。これは頻回の静脈穿刺による採血、ルート確保を避けることができ、患者の負担軽減に寄与している。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 67 1.27
異なる - -
 手術・処置等の合併症の症例数は、最も医療資源を投入した病名が入院契機の病名と同一が67件、異なるが3件(表中には非表示)で、その内訳は、術後食道吻合部狭窄:11件、VPシャント機能不全:9件、中心静脈カテーテル感染症:7件、声門下狭窄術後瘢痕狭窄:6件、VPシャント感染症・先天性声門下狭窄術後吻合部狭窄・予防接種副反応:各3件、術後胸骨正中切開部不良肉芽・食道閉鎖術後吻合部狭窄・食道閉鎖術後瘢痕狭窄・声門下狭窄術後吻合部肉芽・両側尿管回腸導管吻合部狭窄:各2件、その他:15件となっている。症例の大部分は感染症によるものであり、院内から完全に無くすことは困難であるが、院内感染対策チーム(ICT)を中心に感染症対策に取り組んでいる。
更新履歴
2019/09/27
「平成30年度 静岡県立こども病院 病院指標」公開