令和元年度 静岡県立こども病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 3787 1169 134 150 20 -
 当院は小児専門病院であるため、入院患者の大部分が10代以下となっている。例外として産科の分娩と循環器系の疾患についての長期のフォローアップを行っているため、少数ではあるが20代以降の患者も受け入れている。年齢階級別退院患者が10代以下に集中していることが当院の特徴であり、小児専門の総合病院として内科系、外科系とともに幅広い疾患に対応することができる体制を構築している。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 203 1.16 2.81 0.00 3.29
140280xx99x0xx 気道の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 74 2.54 5.54 1.35 5.47
030300xx99xxxx 声帯の疾患(その他) 手術なし 57 2.00 5.65 0.00 6.25
030300xx97xxxx 声帯の疾患(その他) その他の手術あり 42 5.55 8.87 0.00 8.12
140280xx97x0xx 気道の先天異常 手術あり 手術・処置等2 なし 36 4.56 7.77 0.00 7.42
 当科では、消化器外科、固形良性悪性腫瘍、呼吸器外科、腎移植、内視鏡手術、その他外科一般の診療を行っている。上位は新生児、呼吸器系疾患となっており、先天性声門下狭窄症や先天性気管軟化症、処置後声門下狭窄、気管切開部肉腫、気管軟化症がある。これらに対して、顕微鏡下喉頭手術や助軟骨移植、スライド器官形成を行っている。また、食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)では、胃食道逆流症や食道狭窄、胃軸捻症がある。これらに対しては、主に内視鏡手術を行っている。
 県内外の多くの新生児から小児の気道、肺、消化器疾患の治療を行っている。
小児循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 99 3.27 4.18 0.00 8.84
14031xx004x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 経皮的肺動脈形成術等 手術・処置等2 なし 66 4.70 5.87 0.00 5.45
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 40 3.90 6.02 0.00 10.00
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 37 4.03 5.02 0.00 10.19
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 33 14.52 6.19 0.00 4.97
 先天性心疾患の精密検査である心臓カテーテル検査目的の入院が多い。また、カテーテルを用いた患者さんに負担の少ない手術での入院も多い。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 88 8.23 9.23 0.00 6.83
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 86 1.00 3.92 0.00 2.07
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 39 1.41 4.67 0.00 4.41
080180xx970xxx 母斑、母斑症 手術あり 手術・処置等1 なし 32 1.03 3.93 0.00 4.03
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 28 2.00 4.01 0.00 2.54
 口蓋・口唇先天性疾患:当院口蓋裂センターで関連各科と連携を取りながら乳児期から思春期以降まで長期的な治療を行っている。静岡県内の口唇口蓋裂患者が集まっているため、患者数が多くなっている。形成外科はそのなかで手術治療を担当している。手術は、口唇形成術、口蓋形成術、上顎骨形成術、下顎骨形成術など多岐にわたり、入院期間は手術により多少違いがあるが、平均在院日数は全国平均並である。

 母斑・母斑症 手術ありと手術なし:形成外科では、体表に生じる様々な母斑の診断および治療を行っている。治療方法は、手術による切除とレーザーによる治療がある。基本的に日帰りでの治療であり、在院日数は全国平均より短い。

 全身に生じる軟部組織腫瘍の診断および治療を行っている。基本的に日帰りでの治療であり、在院日数は全国平均より短い。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 88 30.78 39.36 0.00 6.49
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 2あり 82 6.65 13.47 0.00 7.54
010010xx9905xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 5あり 27 7.52 14.37 0.00 4.96
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 4.28 15.22 0.00 11.39
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 3あり 15 25.00 32.20 0.00 9.60
 小児がん拠点病院として、上記疾患に対し専門的な診療を行っている。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 42 8.40 6.19 2.38 2.12
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 2.58 3.65 0.00 7.42
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 8.00 6.64 0.00 3.45
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし 20 2.30 3.81 0.00 2.20
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 7.92 5.69 0.00 4.67
院内標榜科:総合診療科
 当科は様々な合併症を有する児の急性疾患の入院が多い。また、小児集中治療室(PICU)や新生児集中治療室(NICU)を経由した患者の受け入れも多く、医療的ケアを要する患者も多い。内分泌代謝科の負荷試験も担当している。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 159 1.23 2.15 0.00 4.27
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 なし 57 2.11 2.48 0.00 8.75
150070x0xx01xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 13 11.00 10.22 0.00 4.23
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 13.50 15.48 0.00 11.50
150070x1xx01xx 川崎病(2歳未満) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 12 13.75 10.00 0.00 0.42
1) 食物アレルギーの診断に当たって、最も信頼度が高いのは食物負荷試験です。当科ではリスクの高い食物アレルギー患者の診断のため、日帰りあるいは1泊2日入院での食物負荷試験を多数行っています。食物負荷試験はまた、症状誘発時の重症度および接種可能量を評価する目的でも実施しています。
2) 当科は、膠原病や自己免疫疾患の患者さんを数多く診療しています。小児の膠原病としては、一般的に若年性突発性関節炎(JIA)や全身性エリテマトーデス(SLE)の頻度が高いとされていますが、令和元年度は混合性結合組織病(MCTD)が最多でした。
3) 当科では炎症性腸疾患の患者さんの診療を行っていますが、その多くは潰瘍性大腸炎です。難治例が多く、生物学的製剤導入目的の入院も含まれています。
4) 当科では川崎病の患者さんの診療も行っています。多くは治療抵抗性にて他院から紹介となった患者さんです。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 60 20.85 26.27 0.00 5.15
14031xx101x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 大血管転位症手術 大血管血流転換術(ジャテーン手術)等 手術・処置等2 なし 33 55.67 39.81 18.18 0.00
14031xx102x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 30 31.67 26.91 3.33 0.00
14031xx003x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの等 手術・処置等2 なし 24 8.00 14.69 0.00 4.13
14031xx19900xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 8.84 8.83 0.00 0.00
 基本出生数に対する発症数に見合った患者数です。ただし肺動脈形成ならびに複雑心疾患に対しては、積極的に治療を提唱しているため、医療圏を超えて紹介される患者があり、若干数が多くなっています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 58 9.10 7.10 3.45 5.43
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 29 11.17 6.19 0.00 13.69
010230xx99x10x てんかん 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 11 9.55 11.61 0.00 5.45
010230xx99x11x てんかん 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり - - 25.26 - -
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし - - 3.81 - -
1) 急性脳炎脳症や重症心身障がい児のてんかんコントロールを入院で加療している。持続脳波を装着し急性期は経静脈的に抗けいれん薬を投与し、けいれんがコントロールできたら内服の抗てんかん薬に置換している。WEST症候群の治療としてACTH療法や眼科医の協力のもとビガバトリンの導入も入院で行っている。
2) 重症心身障がい児は、排痰能が低く胃食道逆流症や嚥下機能障害や摂食障害を伴うために頻回に誤嚥性肺炎や感染症肺炎を合併する。近年、在宅人工呼吸器の人工呼吸器管理下での肺炎や気管支炎の治療が増加傾向にある。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 58 1.34 3.13 1.72 3.66
140580xx02xxxx 先天性下部尿路疾患 尿道形成手術等 37 7.57 9.49 0.00 3.78
14056xxx97xxxx 先天性水腎症、先天性上部尿路疾患 手術あり 37 2.92 7.06 0.00 6.81
11013xxx03xxxx 下部尿路疾患 尿管膀胱吻合術等 22 4.55 9.03 0.00 7.09
11013xxx02xxxx 下部尿路疾患 尿道狭窄内視鏡手術等 13 18.46 6.95 0.00 8.31
 停留精巣固定術は日帰り入院、腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術は術後1泊入院で行っているため、平均在院日数が比較的短くなっている。水腎症に対数腎盂形成手術(体腔鏡下手術を含む)、尿管膀胱吻合術、および膀胱尿管逆流に対する膀胱尿管逆流手術は、原則3泊4日、治療用注入材を用いる膀胱尿管逆流手術は日帰り入院で行っているため、平均在院日数は比較的短い。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 48 28.88 19.06 66.67 32.21
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 43 14.70 9.66 0.00 31.98
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 42 33.38 29.08 4.76 33.50
120170xx97x0xx 早産、切迫早産 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 22 29.14 28.81 13.64 31.91
120160xx01xxxx 妊娠高血圧症候群関連疾患 子宮破裂手術等 13 16.00 13.87 7.69 32.23
 当院の主たる対象症例は、胎児異常、切迫早産、妊娠高血圧症候群、そして頸管無力症である。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070180xx97xxxx 脊椎変形 手術あり 24 9.21 22.78 0.00 13.00
140490xx970xxx 手足先天性疾患 手術あり 手術・処置等1 なし 19 6.63 7.53 0.00 3.95
160800xx97xxxx 股関節・大腿近位の骨折 その他の手術あり 17 14.06 15.20 0.00 10.00
140500xx97x0xx 骨軟骨先天性形成異常 手術あり 手術・処置等2 なし 13 9.00 18.95 0.00 9.38
070210xx97xxxx 下肢の変形 その他の手術あり 12 12.50 18.25 0.00 9.50
1) 脊椎側弯症の矯正手術
2) 先天性内反足に対する手術治療
3) 脳性麻痺などの麻痺性股関節脱臼・亜脱臼に対する手術
4) 多発性外骨腫の外骨腫切除や変形矯正
5) 骨系統疾患等の下肢変形に対する手術
新生児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 5.05 6.17 5.26 0.00
140010x497x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 18 108.50 76.55 50.00 0.00
140010x297x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術あり 手術・処置等2 1あり 12 32.50 25.68 50.00 0.00
140010x397x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1000g以上1500g未満) 手術あり 手術・処置等2 3あり 10 48.90 58.00 70.00 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 10 13.60 11.21 50.00 0.00
 当院の新生児集中治療室(NICU)には、在胎34週未満の児、重症呼吸障害を合併している児、先天性疾患の合併がある児が集約化されて入院しているため、より小さい新生児(特に超低出生体重児)や手術・処置を要する新生児の割合が高い状態です。
管轄医療圏の他院NICUで診療対応が出来ないため、集約化されています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 6.07 7.34 0.00 4.76
140080xx99x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術なし 手術・処置等2 なし 17 1.29 3.72 0.00 4.24
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 1.18 11.27 0.00 5.36
140070xx01xxxx 頭蓋、顔面骨の先天異常 頭蓋骨形成手術 頭蓋骨のみのもの等 - - 21.45 - -
140080xx97x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術あり 手術・処置等2 なし - - 14.30 - -
1) 救急搬入頭部外傷や頭蓋内出血に手術対応した症例(10例未満)をも加え、集中治療科・ER・リハビリ科と共に、早期離床や機能回復に努めている。
2) 先天性中枢神経系異常に対しては産科・新生児科と連携し、胎児診断から出生後治療・予後に関する出生前説明から関与している。出生後に整復術・シャント設置などを施行し、その後は一定期間毎に成長に沿った機能的・画像的フォローを、器官ごと小児外科・整形外科・泌尿器科・形成外科など他科との長期集学的治療を続けている。
3) 脳腫瘍にも緊急開頭摘出術で対応し、術後は血液腫瘍科・放射線科との密接な連携の下、化学・放射線療法による後治療までを完結させている。外来フォローでも定期的で厳密な画像検査・再発管理を「がん相談室」を加えて行っている。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 34 21.09 7.00 0.00 10.91
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 23 20.78 20.93 0.00 6.17
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 9.33 11.67 0.00 11.53
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし - - 8.99 - -
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし - - 12.58 - -
 ネフローゼ症候群は、頻回再発型、ステロイド依存性、ステロイド抵抗性などの重症例が当院へ紹介されて来院されます。入院して免疫抑制剤投与、その薬物の血中濃度測定・薬物量の調整を行って管理している。免疫抑制剤の中で、リツキシマブが保険収載されて、再発が減少して入院患者数が減少して外来患者数が増加してきている。
 慢性腎炎症候群は、入院で腎生検を行って評価。その後その評価に従って加療(免疫抑制剤投与)を行っている。概ね1ヶ月以内の入院で管理が可能。その後は外来管理となる。
 慢性腎不全は、腎不全医療(腎移植、血液透析、腹膜透析)を行って管理されている。腎不全医療導入後安定したら、退院して外来管理となる。透析、腎移植後の合併症管理で入院加療が必要となることがある。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 なし 65 2.98 3.22 0.00 5.91
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 30 1.10 3.16 0.00 4.83
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 29 8.41 7.80 0.00 5.79
140210xx01xxxx 先天性耳瘻孔、副耳 先天性耳瘻管摘出術 - - 3.60 - -
140170xx97xxxx 正中頸嚢胞・側頸嚢胞 手術あり - - 7.05 - -
1) 滲出性中耳炎、反復性中耳炎に対する鼓膜チュービングは、全身麻酔下で行っている。
2) 小児の睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術、アデノイド摘出術を行っている。合併症を持つ小児や3歳未満の小児においては、術後に小児集中治療室(PICU)で管理を行っている。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - -
大腸癌 - - - - - -
乳癌 - - - - - -
肺癌 - - - - - -
肝癌 10 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院は全国で15ある小児がん拠点病院の指定を受けて、積極的に小児がんを受け入れている。その中でも急性白血病が一番多く、ここにある5大癌の症例件数は少ない。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
10症例未満のため(-)で表示されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 204 0.04 0.10 0.00 3.45
K3983 喉頭狭窄症手術(Tチューブ挿入術) 48 0.73 0.98 0.00 8.44
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) 34 0.00 0.00 0.00 2.56
K4002 喉頭形成手術(軟骨除去術) 等 28 1.86 7.25 3.57 7.21
K5223 食道狭窄拡張術(拡張用バルーンによるもの) 22 1.18 1.18 0.00 7.32
 当科では、鼠経ヘルニアや虫垂炎の治療に腹腔鏡を用いた手術を標準的な手術として行っている。腹腔鏡を用いた手術は、傷が小さく痛みが少ないというメリットがある。臍ヘルニア手術は、日帰り手術での治療が可能である。鼠経ヘルニアは古くから日帰り手術を行っており、現在はほとんど傷が残らない腹腔鏡下手術を行っている。虫垂炎も腹腔鏡下手術が標準手術で早期の退院を目指している。
 また、通常の内視鏡的な手術器具では処置が困難であった、気管内や気管支内の肉芽(良性のできもの)や狭窄の治療に、喉頭顕微鏡下や内視鏡下にレーザー光線を用いた治療を行っている。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) 等 34 0.00 0.00 0.00 3.94
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴うもの)(片側) 22 1.00 8.32 0.00 8.45
K0052 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) 等 21 0.00 0.00 0.00 4.71
K1002 多指症手術(骨関節、腱の形成を要する) 21 0.00 0.00 0.00 0.29
K287 先天性耳瘻管摘出術 18 0.00 0.00 0.00 4.61
 皮膚腫瘍・軟部組織腫瘍の日帰り手術を多数行っている。口蓋裂センターでは、形成外科が手術を担当しており、口唇形成術・口蓋形成術・顎裂骨移植術・上顎骨骨切り術・下顎骨骨切り術・変形外鼻手術などを行っている。手足の先天性疾患である多指(趾)・合指(趾)症の手術も多く行っている。耳瘻孔耳瘻孔、埋没耳、絞扼耳、小耳症など耳介の先天性疾患に対する手術も多く行っている。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K836 停留精巣固定術 58 0.00 0.34 1.72 3.71
K809-2 膀胱尿管逆流手術 23 0.22 3.35 0.00 7.22
K8181 尿道形成手術(前部尿道) 18 0.00 8.28 0.00 4.72
K783-3 経尿道的尿管ステント抜去術 18 0.06 0.28 0.00 7.00
K819 尿道下裂形成手術 18 0.00 7.61 0.00 1.89
 触知される停留精巣に対しては通常の停留精巣固定術を、触知されない腹腔内停留精巣に対しては腹腔鏡下停留精巣陰嚢内固定術を行っている。膀胱尿管逆流に対しては、開腹で行う場合、通常Cohen法と呼ばれる尿管膀胱新吻合術を行っている。尿道下裂については、その程度により様々な術式が用いられ、在院日数にばらつきがある。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 24 3.96 10.96 0.00 3.04
K5702 肺動脈狭窄症手術(右室流出路形成又は肺動脈形成を伴うもの) 16 23.38 22.38 0.00 3.94
K5741 心房中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 14 2.50 9.79 0.00 5.86
K5541 弁形成術(1弁のもの) 13 16.31 24.69 0.00 5.46
K5801 ファロー四徴症手術(右室流出路形成術を伴うもの) - - - - -
 心室中隔欠損、心房中隔欠損は医療圏での出生数に見合った患者数ですが、肺動脈形成や弁形成は、より積極的治療に取り組んでいます。
小児循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K570-3 経皮的肺動脈形成術 40 2.40 3.50 2.50 4.80
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 39 2.21 2.10 0.00 3.77
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 25 1.32 2.20 0.00 12.96
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 22 1.05 1.95 0.00 12.09
K5621 動脈管開存症手術(経皮的動脈管開存閉鎖術) 16 1.00 1.00 0.00 5.94
 開胸しての手術ではなく、カテーテルを使った心臓の手術が行われている。異常な血管をつめる(血管塞栓術)、不整脈の治療(カテーテル心筋焼灼術)、血管の細いところを広げる等が行われる。また、従来開心術で行われていた心房中隔欠損の治療もカテーテルを用いて行われ、患者さんの負担軽減となっている。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 69 13.64 7.32 4.35 32.70
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 44 16.86 7.02 0.00 31.89
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 22 2.55 17.59 0.00 33.00
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 11 4.45 23.45 27.27 32.00
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) - - - - -
 当院は28週未満の切迫早産や前期破水、妊娠高血圧症候群などのハイリスク症例を対象としている。そのため、緊急帝王切開の頻度が増加している。
 また、当院は胎胞膨隆など高度の手術件数を要する病態を扱っており、シロッカー手術の頻度が高くなっている。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0581 骨長調整手術(骨端軟骨発育抑制術) 20 1.00 3.60 0.00 10.35
K0482 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(大腿) 等 18 0.11 0.83 0.00 10.94
K055-3 大腿骨近位部(転子間を含む)骨切り術 14 1.29 13.14 0.00 9.21
K038 腱延長術 - - - - -
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 等 - - - - -
1) 脚長不等に対する脚長補正手術
2) 大腿骨矯正骨切り術後のプレート抜去等
3) ペルテス病、脳性麻痺などに対する矯正骨切り術
新生児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 45 0.00 66.04 48.89 0.00
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 38 0.00 29.08 21.05 0.00
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
 当院には妊娠34週未満の妊婦や胎児に先天性疾患の合併がある妊婦が集約化されて入院しており、当院で分娩しているため、出生時に新生児仮死蘇生術を要する新生児の割合が高い状態です。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 30 0.10 0.00 0.00 4.83
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 24 1.00 6.79 0.00 6.13
K370 アデノイド切除術 - - - - -
K287 先天性耳瘻管摘出術 - - - - -
K467 頸嚢摘出術 - - - - -
1) 口蓋裂児等、様々な症例に合わせてコブレーター(高周波を用いて粘膜の表面を焼灼する装置)を使用する例もある。痛みや出血が少ない切除を行うこと ができるデバイスである。
2) 睡眠時無呼吸症候群に対する治療として、口蓋扁桃摘出術を行っている。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 27 8.11 38.44 0.00 5.44
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
K5114 肺切除術(複合切除(1肺葉を超えるもの)) - - - - -
K167 頭蓋内腫瘤摘出術 - - - - -
K5441 心腫瘍摘出術(単独のもの) - - - - -
 小児に対する抗癌剤治療を安全に行い、患者の負担を減らすため、中心静脈カテーテルを積極的に使用している。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 50 0.95
異なる - -
 手術・処置等の合併症の症例数は、最も医療資源を投入した病名が入院契機の病名と同一が50件、異なるが1件(表中には非表示)で、その内訳は、術後食道吻合部狭窄:10件、中心静脈カテーテル感染症:5件、VPシャント機能不全・ぶどう球菌性中心静脈カテーテル感染症:各4件、術後創部感染:3件、グラム陰性桿菌中心静脈カテーテル感染症・グラム陽性桿菌中心静脈カテーテル感染症・術後気管吻合部狭窄・正中部手術創肉芽腫・予防接種後発熱:各2件、その他:14件となっている。症例の大部分は感染症によるものであり、院内から完全に無くすことは困難であるが、院内感染対策チーム(ICT)を中心に感染症対策に取り組んでいる。
更新履歴
2020/09/14
「令和元年度 静岡県立こども病院 病院指標」公開