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お薬のはなし
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春インフルエンザ

最終更新日:2017年5月10日

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最近、「春インフルエンザ」という言葉を耳にします。
これまで季節性インフルエンザは冬に起こるものというイメージがありましたが、今やゴールデンウィーク明けでも注意が必要になってきました。
今回は、インフルエンザの豆知識についてです。

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インフルエンザとは、インフルエンザウイルスが原因となる感染症のことを指します。

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一般的に言われる風邪もおおむねウイルスが原因ですが、感染力が高い事や症状が重いことから、重要視されています。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法では五類感染症に分類されます。

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感染症法は、感染症の予防と措置について決めておくことでの、感染症の発生と流行の防止を目的としています。
この法律では、国民の責務として、感染症に関する正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければならない。と定められていますので、医療従事者以外の方も他人事ではありません。
季節性インフルエンザの属する5類は情報共有による発生・拡大を防止すべき感染症とされています。新型インフルエンザや、鳥インフルエンザは流行や症状が異なるため、別の分類に属します。

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インフルエンザはいつごろから存在したのでしょうか?
インフルエンザと人とのかかわりは深く、古代エジプトや古代ギリシャの時代にインフルエンザウイルス流行によく似た記録があるそうです。ただし、インフルエンザを科学的に判定できるようになったのは20世紀以降のことで、それ以前については流行特性や症例などからの推定で、インフルエンザウイルスによるものかどうかは確かではありません。そのため「インフルエンザ流行が記録された事例」も文献により様々です。

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日本でも、インフルエンザ流行をうかがわせる記録が残っています。
平安時代の書物「大鏡」には、「一条法皇がしはぶきやみのために死去」とあります。同じく「増鏡」には、「しはぶきやみ、はやりて、人多く失せたもう」とあります。
この「しはぶきやみ」という病名は、「源氏物語」にも出てくることで知られています。
享保元年(1716年)には江戸で、享保18年(1733年)には大阪で、インフルエンザではないかとみられている流行風邪が発生しています。
ただし、これらは6月や7月の流行であったため、真相はさだかではありません。

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インフルエンザの名前の由来は、影響という意味の「influence(インフルエンス)」からきています。
インフルエンザウイルスが発見されるまでは、症状の流行を星の運行や寒気の影響といった謎のものとされていたため、この名がついたといわれています。

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続いて、インフルエンザのタイプについてです。
インフルエンザウイルスは、A・B・Cの3つのタイプに分類されます。
毎年、流行しているのはA型とB型であり、C型はあまり耳にしたことがないかもしれません。

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C型インフルエンザは、だいたいの人が5歳以下で感染しています。症状は軽く、鼻かぜと思われてそのまま治ってしまうことが多いです。季節性はなく、一度獲得した免疫は生涯続くといわれていますから、流行することはありません。

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では、よく耳にするA型とB型についてです。
A型は、ヒト以外にもトリ・ブタ・ウマなどの間で感染します。
種類が多く、2009年に世界的な大流行を起こした新型インフルエンザもこのA型のひとつです。また、鳥インフルエンザや豚インフルエンザもA型に属します。
毎年、冬場を中心に流行を繰り返します。

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ちなみに、鳥インフルエンザと新型インフルエンザは同じではありません。鳥インフルエンザは鳥からヒトへうつることはありますが、鳥インフルエンザにかかったヒトからヒトへうつることはありません。ただし、これが遺伝子変異を起こしてヒトからヒトへと持続して感染する力をもった場合、新型インフルエンザと呼ばれるようになります。

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続いてB型ですが、ヒトの間のみで感染するといわれています。
山形系統とビクトリア系統という2つの系統のみが存在します。
毎年、冬場のみならず春先まで流行します。嘔吐や下痢がでやすいと言われており、A型に比べて高い熱が出にくく気づかれにくいこと、体の中でのウイルスがいる期間が長いことから流行しやすいとも言われています。

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インフルエンザだと診断された場合、多くは飲み薬や吸入薬が処方されます。
抗インフルエンザ薬は、なぜ発症後48時間以内の使用が勧められるのか知っていますか?
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える薬であり、ウイルス自体を攻撃するわけではありません。また、体に入ったウイルスは増え続けて症状が出てから48時間~72時間後に最も増えるといわれています。
ウイルスの量が最大になる前に抗インフルエンザ薬を使用して増殖を抑えれば、病気の期間を短くし、症状の悪化を防ぐことができる可能性があります。ウイルスの数が少ないほど効果が大きいため、早めの治療ほど効果が期待できます。
あやしいな、と思ったら、まず受診するのが、症状抑制にも感染拡大防止にも有効であるということですね。
まだこれからでも春の季節性インフルエンザに感染する可能性もあると思います。
そうならないためにも手洗い・うがいはキチンと、なってしまったら医師の指示に従いしっかり療養しましょう。

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