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お薬のはなし
ホーム  > お薬のはなし  > 9月1日は何の日?

9月1日は何の日?

最終更新日:2017年8月29日

キウイ

キウイの日?
ウズベキスタンの独立記念日?
スロバキアの憲法記念日?
どれも正解ですが…。
9月1日は「防災の日」でもあります。

台風



「防災の日」は何のために制定されているのでしょうか?
1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんで、1960年(昭和35年)に制定されました。
また雑節のひとつである「二百十日」にもちなんでおり、「災害への備えを怠らないように」との戒めも込められています。

夏目



「二百十日」とは、立春を起算日として210日目の日であり、およそ9月1日頃のことで、台風の多い、もしくは風の強い日と言われており、夏目漱石の『二百十日』や宮沢賢治の『風の又三郎』の題材となったことでも知られています。
災害の備えってよく聞くけど、何を備えたらいいのでしょう?
水や食料品、救急用品…考え出したらたくさんありますね。
私たち薬剤師は、それに加えて「おくすり手帳」の備えもお勧めしています。

備え

以前、「おくすり手帳を持つワケ」という回でもお話ししましたが、おくすり手帳は災害時にも活躍してくれます。

処方せん

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」において、処方せん医薬品は「医師等からの処方せんの交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、販売を行ってはならない。」と決められています。
つまり、処方せんが無ければ処方せん医薬品を販売することは原則できません、という意味です。
ただし、この法律でいうところの「正当な理由」さえあれば認められる、という意味も含まれています。

厚生労働省

この「正当な理由」には「大規模災害時等において、医師等の受診が困難な場合、又は医師等からの処方せんの交付が困難な場合」というものが含まれています。

東日本大震災や熊本地震の際には、厚生労働省から被災地県等に通知がされ、この例外的な取り扱いがされました。
ただし、この通知があったからといって、何でもかんでも薬を売買してもいいのか、と言うとそうではありません。事後に処方せんが発行されることを条件に、かかりつけのお医者さんとの電話や薬歴・おくすり手帳で処方内容が確認できれば、まずは調剤が可能、ということになります。
つまり、「本当に自分がその薬を飲んでいた」という証明ができなければ、医師の診察を受けて薬を処方してもらうという通常の流れを踏む、ということになります。

DMAT


被災した際にかかりつけのお医者さんと連絡をとるのが難しいこともあります。また、かかりつけ薬局も被災している可能性もあります。さらには、避難して違う地区に行くこともあるでしょう。そんな時、いつもの薬を手に入れるためにもおくすり手帳を備えておくことをお勧めします。
では、災害支援に来てもらったお医者さんに診てもらえる時におくすり手帳は不要なのでしょうか?

コスモス



そんなことはないと思います。
病気になってから今までのこと、今まで飲んだ薬を説明することができますか?
おくすり手帳にはたくさんの情報が詰まっています。
その情報は初めて診てもらうお医者さんの診察の助けにもなります。

ピアノ

おくすり手帳は普段使うものなので、防災グッズと一緒にしまっておくことはできません。
できれば持ち歩くことにするとよいでしょう。旅行中などにも持っていくとよいですね。
家の中で保管する時も、いざという時に持ち出しやすい場所にするとよいかもしれません。

できれば災害が起きずにいてほしいものですが、思い通りにはいかないものです。
災害時にはいろいろなものから自分の身を守らなければなりません。
そんな大変な時に調子を保つためにも普段飲んでいる薬は大切です。
いつも、どこにおくすり手帳を置いているか、もう一度確認してみましょう。

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