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お薬のはなし
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5月5日のトリビア

最終更新日:2018年4月16日

5月5日

スケートの日



日本にはいろいろな記念日や行事があります。
同じ日であっても、記念日や行事は一つとは限りません。
例えば、12月25日は「クリスマス」として世界的に有名ですが、日本では「スケートの日」でもあります。

こどもの日

端午の節句


さて、5月といえば5月5日!
端午の節句であり、国民の祝日「こどもの日」ですが、それ以外の記念日を知っていますか?
いくつかありますが、薬剤師としては是非「薬の日」を紹介したいと思います。

故事



なぜこの日が「薬の日」となったのでしょうか?
それは千年以上も昔の故事に由来します。

薬狩り

日本書紀によれば、611年(推古天皇19年)5月5日、推古天皇が大和(奈良県)で薬狩りを行ったそうです。薬狩りでは、男性は鹿狩り、女性は薬草の採取を行います。ちなみに鹿の角は鹿茸(ろくじょう)と呼ばれる生薬の一種になります。
その後、薬狩りは宮中の恒例行事となり、その時採取した薬草にはショウブ(菖蒲)や、ヨモギ(蓬)などが含まれていたと言われています。

よもぎライン

おきゅう

ヨモギを見たことがありますか?
ヨモギは日本では全国的に自生している植物で、夏から秋にかけて茎を高く伸ばし目立たない花を咲かせます。
名前の由来はいくつか説があり、根は横向きに伸びて、各所から地上に芽をだして広がることから、よく芽が出る=佳く萌える草=佳萌草(ヨモギ)、あるいは、お灸に使うもぐさ(艾)ができることから、よく燃える=良く燃える=良燃草(ヨモギ)とも言われています。

がいよう

ヨモギの葉は艾葉(がいよう)と呼ばれる生薬で、タンニン類や精油が含まれ止血・鎮痛作用などがあります。現在使用されている漢方薬にもこの艾葉が含まれているものがいくつかあります。
ただし、ヨモギの花粉はブタクサと同様に秋の花粉症のアレルゲンでもあるので注意が必要です。

ショウブライン

しょうぶ

ショウブは、今でも5月5日にお風呂に入れる習慣がありますね。
中国では古くからショウブの形が刀に似ていることや邪気を祓うような香りを持つことから、男子にとって縁起の良い植物とされ、軒につるしたり枕の下に置いて寝たりしていたという記録が残っています。日本でも奈良時代より端午の節句に使われ始めたそうです。

ショウブ漢方



ショウブは、石菖根(セキショウコン)等の生薬ではありますが、現在の漢方薬で使用はされていません。独特な不快味があるため飲むと気持ち悪くなってしまうことがあるためかもしれません。

あやめかしょうぶか

ちなみに、ショウブは漢字で「菖蒲」と書きますが、アヤメも「菖蒲」と書きます。
アヤメはアヤメ科に、ショウブはサトイモ科であり、全く違った植物に分類されます。よく似ているカキツバタもアヤメ科です。
植物園で綺麗に咲いているショウブは「ハナショウブ」と言ってアヤメ科の植物で、これもショウブとは全く違うものになります。
実際のショウブは小さな花が密集して咲くのであまり花らしくはないようです。

しょうぶゆ

ショウブをお風呂に入れたショウブ湯は、血行促進や疲労回復などに効果があるとされています。
湯舟には葉を束にして入れ、香り成分を良く出すためには少し熱めのお湯にするのがポイントだそうです。
今年の5月5日は「薬の日」を意識してショウブ湯に入ってみるのはどうでしょうか。
ただし、アヤメやハナショウブと間違えないようにご用心!

ラスト