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最終更新日:2010年6月21日
核医学科医長 鈴木 輝康
核医学検査は、放射性同位元素(放射能を持つアイソトープ)で目印をつけた薬(放射性医薬品)を使用するので、アイソトープ検査やRI(アールアイ)検査とも呼ばれています。
『核医学検査なんて日頃、聞いたこともないし、どこの病院でも出来ないので、いったい何をされるのかな』とか、『大がかりな測定装置に囲まれて、おっかなそうだな』と思ったしますが、核医学検査とは何か、かいつまんで言うと、極微量のアイソトープで目印を付けた薬(放射性医薬品)を人体に投与し、それから出る放射線を頼りとして、体の異常を診断する安全で、非常に鋭敏な検査法です。
順を追って、説明いたしましょう。
アイソトープで目印を付けた放射性医薬品は、体の特定の部位(臓器、組織)にのみ集まる性質を持っているので、患者にこの薬を注射をすると、検査の目的とする臓器や組織に集まります。注射の後、患者はガンマカメラと言う測定装置のベット上に寝て、体の内部の臓器に集まったアイソトープから放出される放射線(ガンマ線)を、ガンマカメラで測定し、コンピュータで画像(シンチグラフィ)を作成し、得られたデータを分析して、いろいろな病気の診断を行います。
ガンマカメラは、非常に鋭敏に体の異常を測定出来るので、極微量のアイソトープで安全に、苦痛や痛みを伴わず、臓器の働き(機能)や化学変化(代謝)を画像にする事が出来ます。また、CTと同じように、脳や心臓、肺などの断層像(SPECT)を作成する事も出来ます。身体のどこに異常があるか、探す時に、核医学検査では、一回の注射だけで、異常部位の撮影に加え、体全体の画像を撮り、予想以外の部位の異常を発見する事が出来ます。
脳梗塞や痴呆、てんかんなど、脳の血の巡りの異常を診断する脳血流シンチグラフィ、心筋梗塞、狭心症など、心筋への血流減少を診断する心筋シンチグラフィ、肺塞栓症などの肺血流状態の異常を診断する肺血流シンチグラフィ、骨の異常を診断する骨シンチグラフィなどがあります。また、腫瘍や炎症の部位を診断するガリウムシンチグラフィもあり、合わせて約30種の検査があります。
検査をするために高価で特殊な測定装置(ガンマカメラ、コンピュータシステム)が必要ですし、加えて、診療に使用した放射性医薬品を処理できる排水設備や、排気設備も必要ですし、また一人一人の患者病状にあった適正な検査を実施するためには、専任のスッタフが必要ですので、大きな病院でも、なかなか設備投資が出来ず、高度先進医療病院でないと十分な検査はできません。そのため当院では、核医学認定医、放射線医学専門医の資格を持つ専任の医師と核医学に堪能な放射線技師もいますので、開業医、一般病院から広く検査の相談、病診連携(電話とFAX)による検査依頼を受け付けています。
目印を付けるために使用しているアイソトープのほとんどは、短時間で減衰(消失)するので、特殊な検査を除いて、一回の検査で受ける放射線被曝量は自然界より受ける被曝量以下です。
患者に投与する放射性医薬品は、極微量で、人体への薬の作用(働き)もないので、副作用はほとんどありません。年々、薬の品質管理も行き届き、副作用もきわめて少なくなっています。心筋シンチグラフィでは、狭心症を再現するために、心臓に負担をかけますが、医師が常に、身体の状態をチェックしながら検査するので、心配いりません。
放射性医薬品は、それぞれ集まる臓器や組織が異なるので、検査毎に、異なる種類の薬品を使用します。また、核医学検査で使用するアイソトープのほとんどは、寿命が非常に短いので、患者一人一人の検査に合わせて、検査前日に業者に注文します。検査に使用する薬は、寿命が短く、かつ高価なので、危急のことで、検査が受けられなくなったら、至急その旨を、連絡する必要があります。
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