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最終更新日:2010年6月21日

臨床研究部

本年新設された新しい部門で “血管の若さこそ我が命”をモットーにしています。聞きなれない名前ですので分かり易くご説明したいと思います。日本人の死因の60%は3大死因よると報告されています。つまり1)悪性腫瘍(癌)、2)心臓病(心筋梗塞、狭心症)、3)脳血管障害(脳梗塞、脳出血)により60%強の方が亡くなっています。心臓病と脳血管障害の合計(血管障害による死亡)はほぼ悪性腫瘍による死亡に匹敵します。つまり私たちは血管障害、悪性腫瘍で死亡する可能性がすこぶる高い訳です。多細胞生物が生きるために必要な酸素や栄養物を供給するためにはパイプラインが必要です。この生命のパイプラインが他ならぬ心血管系(循環器系)です。心血管系の破綻は、即、私たちに死をもたらします。そこでこの生命のパイプラインである心血管系の傷みを最小限に抑えながら人生を健康に全うしていただくための最前線の臨床研究を進めていくのがこの研究部の主たる役割・使命と考えています。これまでの臨床医学はすべて病気になってから病院を受診し、診断を受けて初めて治療が行われていました。これは火事が発生してから消火活動を行っている消防の活動に似ています。臨床医学研究センターが目指す医療はいかにして心血管系を病気から守るかを研究課題として病人フリー社会の確立に取り組む医学研究部門です。火事を出さないようにするための消防の活動に例えることができます。そのためには悪しき生活習慣を排除し、自己の健康管理を自らが積極的に日々行う術を学んでいただくことが先ず必要になります。さらに心血管系の異常を早期に発見するためには検査を受けることが必要です。受診者に苦痛を与えることが少ない検査で早期発見を達成することが必要になってまいります。臨床医学研究センターでは最新の血液バイオマーカー(血を採るだけで心臓の苦しみが推測できる)、最新の心血管機能検査を行い自己の健康管理法の普及と血管病の早期発見を中心に新しいタイプの医学の確立を目指す研究を進める病院の臨床研究部門とご理解していただければと思います。皆様方の積極的な御参加とご支援を宜しくお願い致します。昨年まで新しい医学の確立のためのパイロット研究を島根県の奥出雲地方ですでに行っており、静岡の地で新しい医学を開花させたいと念じています。

“マンガでみる心血管系の進化”の図の説明:生物は単細胞生物(細胞が一つからなる、ゾウリムシ)として発生した。この単細胞生物が集団を構成することにより心血管系のない多細胞生物(例えばプラナリア)へと進化した。しかし集団塊の内部にある細胞は十分な酸素の供給を受けることができず死滅するために高等進化できなかった。この欠陥を克服するシステムとして心血管系が誕生した。これによりヒトは高等進化できた。しかしながらこのパイプラインが破綻すれば即死亡につながる両刃の剣でもある。それゆえに健康で長生きするためには心血管系を元気な状態で保つ努力を日々行うことが必要である。この心血管系の自己による管理法の習得の普及並びに血管病の早期発見のための臨床研究を推進する医学研究部門が臨床研究部です。

臨床研究部(臨床医学研究センター)部長 島田俊夫

生物進化と心血管系の発達