グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



当院をご利用される方
ホーム  > 当院をご利用される方  > 診療科紹介  > 循環器内科  > 循環器内科:診察Q&A

循環器内科:診察Q&A

最終更新日:2014年12月4日

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。


問1 高血圧で服薬10年、息切れ激しい

72歳の女性。高血圧で10年以上薬を飲んでいますが、最近、息切れが激しいのです。心電図とレントゲン検査では異常ありませんでした。

答:運動負荷心電図検査を受けて…

近くの先生による胸部レントゲンや安静時心電図検査で異常がないということですから、安静時の心臓の働きはまず大きな問題はないものと考えられます。しかし、体を動かしたときに症状が出るのですから心臓の予備力が低下していると考えなければなりません。
その中で重要な病気は、狭心症だと思います。心臓は筋肉でできた袋のようなものでたゆまなく収縮して全身に血液を送り出しています。従って常に十分な酸素と栄養を必要としますが、心臓を取り囲んでいる冠(状)動脈で供給されています。冠動脈が動脈硬化で狭くなると狭心症を起こします。
急いで歩いたり、階段を上がったりしたとき(労作時)に、心臓の酸素不足を来し、狭心症の症状が出るのです。典型的な症状は労作時に、胸部の圧迫される、あるいはしめつけられるような痛みで、休めば5分から10分ぐらいで楽になります。息切れや呼吸困難を感じることもあります。
あなたの場合、長年高血圧が続いているので冠動脈硬化を来すことは大いに考えられます。運動負荷心電図検査を受けることをお勧めします。
他の心疾患としては不整脈や大動脈弁狭窄症等も考えておく必要があります。その他に、高齢者に多い肺気腫などの肺疾患、貧血、内分泌異常もあります。いずれにしても循環器専門医にご相談ください。

問2 1日中眠く、手足の静脈目立つ

77歳の女性。朝から一日中眠く、まぶたが重い感じです。頭痛もなく血圧は130くらい。夜は10時半に床に入り6時に起き、一度トイレに起きます。2年ほど前から手、足の静脈が太く目立つようになり、足の裏の感覚が鈍く重くなり、特に朝、手の指がこわばります。

答:弾力ストッキングを使っても…

手足の静脈が目立つようですが、まず静脈であることを確認してください。静脈か動脈かは指先でそっと触れてみて、拍動を感じなければ静脈でよいと思います。両側に生じているようですので局所的なものではなく、また2年くらい前からということですので、特に疾病が原因とは考えなくて良いでしょう。
一般に、加齢と共に皮膚の緊張がなくなり目立ちやすくなります。職場で常時立位の人や、おなかの出ている人は若くても目立ちやすくなります。特に治療の要はありませんが、弾力ストッキングを使ったり、肥満の方は減量するとよいでしょう。静脈の拡張により皮膚がただれるようになったら皮膚科を受診されるとよいでしょう。
動脈とは無関係ですが、足の感覚が一日中鈍くなるようでしたら一度診察を受けてください。寝起きの時だけでしたら、心配いりません。睡眠中の体動が減り、関節がこわばり、局所の圧迫や循環が減ったために生じたもので、手足を動かせばすぐ消失するはずです。

問3 朝目覚めると手にしびれ

70歳の女性。昨年10月から朝目が覚めると手首から先がこわばっています。夜中トイレに起きるときや日中は異常がありません。毎朝それが続き1、2分マッサージすると戻ります。CTや頚椎(けいつい)レントゲン検査は異常なく、リウマチの血液検査もマイナスでした。しびれがあり、ひどいときはびりびりと電気が走るような感じがします。

答:腕圧迫しないよう 枕の高さ工夫して…

手のしびれは神経の障害や手の血液の流れが悪い時に生じます。
神経の障害としては、頭部から手に至る神経のどこかに問題があるとしびれを生じます。一番多いのは首(頚部)の病気で、頚椎やその周辺の組織による神経の圧迫です。頚椎の検査で異常はなかったようですので一安心ですね。頭部の神経障害の場合には持続性で、片側性に足にもしびれを生じることが多く、進行性の場合には要注意ですが、1、2分で治る場合には心配ありません。
手の血液の流れが障害されて生じる場合には、手が冷たくなり、手や爪の色が白く、痛んだりします。
高齢になってきますと、どうしても睡眠中の体動が少くなり、しかもある一定方向に向いて寝る習慣などがあると腕を圧迫しやすく、そのため血管や神経を圧迫し、目覚めると手がしびれたりします。圧迫が解除されますと数分でしびれは消えます。このような場合には通常障害は残りません。横向きになった時に腕を圧迫しないように枕の高さなどを工夫すれば、「しびれ」が軽減することが多いので試してみてください。

問4 左冠動脈狭窄を繰り返す

66歳の男性。平成15年5月に左冠動脈狭窄(きょうさく)で狭心症と診断。ただちにカテーテル(バルーン治療)、12月に再狭窄でカテーテル(ステント治療)、今年6月再々狭窄が判明し、バルーン治療を受けました。医師に6カ月ごとの治療になる可能性大と言われました。発作や自覚症状はなく血液やエックス検査などすべて範囲内に入っています。ほかにいい治療法があれば受けたいと思いますが。

答:DES使用や手術など、主治医と治療法を相談…

1980年ごろから経皮的冠脈形成術(風船治療)は、バイパス手術と比較して体に与える負担が少ないという利点のため広く行われてきました。しかし再狭窄はそのアキレス腱といわれています。狭窄部に風船で障害を与えて拡張するので、血管の壁の細胞(平滑筋細胞)が刺激され増殖し、再び内腔の狭窄を生じてくるのです。
初期の風船による治療の時代には30―40%に再狭窄を生じましたが、90年代半ばより金属のメッシュ(ステント)で内側から支えることにより20―30%に減少しました。さらに今年の8月から薬剤放出性ステント(DES)が使用できるようになり、適切に使えば再狭窄は10%以下になるとされています。ステント表面にコーティングされたごく少量の免疫抑制剤が細胞の増殖を抑制するためです。
治療が必要かどうかは症状だけで判断するわけではありません。相談者の狭窄があった血管の重要性も考えて治療します。再狭窄を来しても通常2,3回の追加治療で90%以上の人ではその病変は安定してきます。高血圧、高脂血症、糖尿病なども再狭窄のリスクになりますので、しっかり治療する必要があります。今後再狭窄を繰り返すようなら、その血管の重要性を判断しつつ、現在の薬剤による治療だけでいいのか、DESを使うのか、それともバイパス手術をするのかを決める必要がありますので、主治医としっかり話し合ってください。

問5 期外収縮の薬は不整脈を誘発?

58歳の女性。6年前から降圧薬を服用、2年前に発作性心房細動と言われ、1年前には他の病院で期外収縮と言われました。べプリコール錠(一般名:塩酸ベプリジル)とバイアスピリン(一般名:アスピリン)を服用中。半年くらい前から脈が飛ぶようになりました。期外収縮の場合、薬で不整脈が誘発される場合があると本で読み心配です。

答:まれだが副作用も 心電図や血液検査を…

発作性心房細動は加齢現象の一つとして、心臓疾患がなくても見られるものです。別の病院にかかられた時には期外収縮がみられたそうですが期外収縮には心房性(上室性)と心室性の期外収縮があります。心房性期外収縮は心房細動との関連が深いもので、自律神経やたばこ、コーヒーなどの影響を受けます。とくに病気がなければ、自覚症状の有無により治療の必要性を決めます。
あなたが使っているバイアスピリンは心房細動時に心臓の中に血栓ができ、脳梗塞(こうそく)などを生じないようにするための予防薬です。
心室性の期外収縮でしたら心房細動とは別の要因によるので、その原因を調べる必要があります。治療すべき原因がない場合には、期外収縮の重症度、自覚症状などを基に治療の必要性を検討します。
ベプリコールは心室性期外収縮に通常使用されるものです。この種のお薬は、まれではありますが、かえって期外収縮を増加、あるいは重篤な不整脈を生じることがありますので、心電図や血液検査で副作用が出やすくなっているかどうか調べながら投与します。

問6 糖尿病治療中、降圧薬合わない

83歳の女性。数年前から糖尿病で治療を受けています。1年前に小麦アレルギーとなり、うどんなど麺類は食べられません。加えて昨年12月、血圧が高いことから、強い薬になりました。服用したところ、体が苦しくなり一時中止しております。かかりつけ医は、薬を飲まなければ駄目だと言います。薬を飲むと喉がふさがって、心臓は発作が起きたようにぐらぐらし、足がしびれます

答:血圧の管理が重要 変更の相談を…

ご相談の内容から、高血圧は、減塩や適度な運動で対処できるような軽症ではなく、薬剤治療介入が好ましい中等症以上の状態であると推測いたしますがいかがでしょうか。
高血圧に関しては、治療を受ける必要性を理解していただくことが大切です。降圧薬は血圧が高いままでは伴うことのある余病を防ぐ目的で重要であり、現在の薬が体調に合わないことがご心配なのでしたら、作用機序の異なる他の降圧薬も複数ありますので、変更することで対処可能なことがほとんどですから、かかりつけ医とご相談なさることを提案します。
この他、糖尿病の食事療法に加えて、食餌性アレルギーにも配慮しなければならず、健康不安がストレス要因となっていることを危惧します。年齢とともに身体変化を実感され、新たに持病が加わったことで気分が曇りがちとなってはいないでしょうか。
意欲低下により、運動不足や筋力低下に至れば、複合的にマイナス影響が表れる懸念があります。血圧治療をきっかけに、体調が快方へと向かわれますよう、ご参考となれば幸いです。

問7 正しい血圧測定の方法

  1. 86歳の男性。テレビで血圧は足首を含む4点測定が重要であると報じていました。折々病院で測定を受けていますが、厚着でも着衣の上からの測定です。このような測定は適切でしょうか。4点測定を実施している病院はありますか。
  2. 76歳の女性。朝と就寝前に測っています。起床直後は150~90と高く、朝食の支度等で動いた後は正常値になります。降圧剤を朝夕飲んでいます。血圧が高い時間帯があるので心配です

答:安静の状態で、定時に1日2回…

厚着の上からの血圧測定は、適切でないと言わざるを得ません。腕に直接カフを巻いての測定が正しい方法です。
4点血圧測定ですが、大きな病院でも行ってはいません。それよりも自宅での「家庭血圧」の測定が大切と考えます。まずは正しい血圧測定方法を確認しましょう。
血圧1日を通じて一定ではなく、食事、飲酒、喫煙、運動、入浴、仕事など状況によって変動します。トイレを我慢しているときや、出かける直前の慌ただしい時間などは血圧は上昇します。測定前1時間くらいは食事・入浴・運動は避け、測定前にトイレを済ませ、5分程座位で安静にしてから測定してください。また、同じ時間に血圧を測らないと毎日の変化がつかめません。起床後と、入浴前もしくは入浴後1時間以上経った時の1日2回の測定を勧めます。多少の数値の変化に一喜一憂するのではなく、一定期間の推移を見守ることが重要です。
以上のように正しい家庭血圧を測定することがまずは大事です。それで135/85mmHgを越えるようなら、速やかにかかりつけ医に相談してください。

問8 虚血性心疾患、指先が突っ張る

82歳の男性。35年前から虚血性心疾患でたくさんの薬を服用しています。3年前狭心症を患い、今は洞不全症候群と診断されています。悩みは、去年から両手の親指と人さし指、足の親指が時々、突っ張ることです。例えば、薬の包装をハサミで切るとき数分で指が突っ張るため休み休み切ります。加齢のためか、服薬の為かわかりません。

答:血流低下や頸の病気など考慮し相談…

虚血性心疾患という病気は、心臓に栄養を送る冠動脈という血管(全部で3本あります)に動脈硬化という病気ができ、血流の流れが悪くなり、心臓の筋肉に十分な血液を供給できなくなる病気のことをいいます。具体的には狭心症や心筋梗塞症のことをいいます。
皆さん、加齢とともに血管に動脈硬化は形成されてはくるものですが、35年前というと40代半ばでしょうか、少し早いようにも思えます。加齢以外に動脈硬化の原因として多いのが、糖尿病、高血圧症、高コレステロール血症、喫煙があげられます。そしてこれらの基礎疾患をしっかり管理することが、虚血性心疾患の予防あるいは再発を抑える上で非常に重要とされています。
今回の悩みは両手親指と人さし指、足親指の突っ張りということですが、一般的に虚血性心疾患でこれらの手足の指の症状が出現することはありません。ただ手足の血液の循環が低下していれば、冷感や痛みといった症状は出現してくることはあります。また、通常の動脈硬化とは別に、喫煙により手足といった比較的末梢の血管の血流が低下するバージャー病という病気もあるので、主治医に先生に一度相談されるとよいかもしれません。また頸や腰の病気からの神経的なものの可能性も否定できませんので、こちらも一度相談してみてください。