グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



当院をご利用される方
ホーム  > 当院をご利用される方  > 診療科紹介  > 総合内科  > 総合内科:診察Q&A

総合内科:診察Q&A

最終更新日:2017年1月11日

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。医師の肩書等は新聞掲載当時のものです。


問1 原因不明の目まいに悩む

71歳の主婦。1年ほど前から原因不明の目まい、ふらつきに悩んでいます。現在、高血圧、糖尿、便秘、不眠で内科に、腰、膝痛で整形外科に、白内障で眼科に通院しています。先日、脳神経外科でMRIの検査を受けましたが、年齢相応で心配ないとのこと。耳鼻科でも異常ありませんでした。精神的なものではないか、と言われ、安定剤を飲んでいますが改善しません。どうしたら良いでしょうか。

答:複合疾患の個別診療避けて…(2000年5月23日 総合診療科医長 袴田 康弘)

目まいに悩んで、脳MRIや耳鼻科の検査をしても異常なし、原因が分からなくなってどうしてよいか困っているのですね。現在は医療情報が豊富に入手でき、目まいならこれこれの検査、と皆さんが知っていて進んで申し込みます。しかし、ご質問の方には、目まいを起こす原因疾患の代表格、高血圧、糖尿病、不眠症、視力障害がすでにあります。膝も痛めているようで、歩行も思うようにならないかもしれません。どれもたいしたことがなくても病気がいくつか集まると、思わぬ症状を出すことがあります。
時々経験するのですが、患者さんの中には、先生の専門のことだけ相談して、ほかの科の症状と思うことについては聞かない、という方がいます。この方の場合、内科、整形外科、眼科、脳神経外科、耳鼻科の5人の先生にそれぞれの疾患を別々に診てもらって、目まい治療の手掛かりが見いだせないのです。
このように、高齢者の複合疾患のすべてが個々に診療されていることはよくあります。薬物の複数投与が高齢者に起こすかもしれない危険についてもぜひ考えましょう。患者さんの身体は1つですから、病気がそれぞれ独立して起こっているはずはないのです。その時々のすべての症状を治療することが必要で有益とは限りません。いろんなことを話せる先生に、よくご相談されてはいかがでしょうか。

問2 1日中、口が渇いている

71歳の女性。食事中以外は唾(だ)液が出ず、1日中、口が渇いています。味は分かりますが、辛い、酸い、熱いものは食べられません。

答:他の症状少なく診断難しい…(2000年5月31日 総合診療科医長 袴田 康弘)

お元気で仕事はでき、食事も取れるのに、1日中、口が渇いて困っているのですね。胃腸や歯の検査は異常なしということで、はっきりとした病気ではないらしい。食事の時に唾液が出て味も分かるというのですから、診断するのは難しいと思います。
「口渇感は脳の視床下部という所で調節されます。脳の働きが正常でないかもしれません。検査しましょう」というのでは少し急ぎすぎかと思います。たとえば口が渇く代表格の病気は糖尿病です。あるいはホルモン異常症などの可能性もありますが、このような疾患に見られる他の症状が見られません。水を飲みたくて仕方がない、というのもないようです。気持ちが落ち着かない心配事がある方に時々見られる症状ですが、仕事ができ食事も取れる方にこの方面の問題はないでしょう。
次に、唾液腺障害が起こり唾液分泌が低下して口が渇くシェーグレン症候群という病気があります。この病気は明らかな症状になる前、緩やかに症状が出ることがあります。口の中が荒れたり、歯が痛んだり、目も痛むことがありますが、なかなか患者さんは気付きません。辛いもの、酢のもの、熱いものなどの刺激物が苦手なのは口の中が荒れている症状かもしれません。この方面は耳鼻咽喉科が専門ですから、一度ご相談なさるとよいでしょう。

問3 左半身がうずき、だ液がたまる

74歳の女性。左半身がうずくように痛み、だ液腺(せん)から1日中だ液が出て止まりません。内科、呼吸器内科、咽喉(いんこう)科を受診。若いころに病んだ結核性胸膜炎の後遺症で老廃物が出ているので、だ液は吐き出すよう言われたり、だ液は大切だから飲み込むよう言われたりと医師によって異なり、薬をもらいましたが良くなりません。精密検査も異常なしです。良い治療法はありますか。

答:心理的要因の可能性も…(2000年9月19日 総合診療科医長 袴田 康弘)

ご質問の趣旨は、うずくような痛みとだ液の問題が1つの原因かどうか、よくなるかどうかということでしょうか。お手紙は丁寧なかい書で書かれ難しい字も正確に使われて、きちょうめんな性格の方のようです。半身だけのうずく痛みが中枢神経の原因で起こることがあります。そのような痛みを起こす脳の障害があれば、ものを考えたり、字を書く動作に問題がなくても嚥下(えんげ)困難を起こす可能性があります。飲み込みがうまくできずだ液が口にたまることはよくあることです。だ液がたまる機序として、だ液腺の機能が高まり分泌異常を起こす病態も考えられます。歯の問題や口の中の感染症が原因に挙げられます。古くは肺結核も原因の1つだったようです。しかし、「検査で異常なし」ですから、この病態の可能性は低いものでしょう。
この方の問題は、医学技術で明らかな異常が認められないとき、病状の説明は医師ごとに異なり、どの医師も「異常なし」と判断した辺りにあります。医療は科学技術だけで成り立ってはいませんし、高齢者医療を医学データだけで論ずるのも無理があります。第3の可能性としては、口の中の問題が心理的要因から起こっていないかということです。病気の背景にあるかもしれない原因を一緒に相談することも必要でしょうし、気持ちの持ち方を指導してもらうことも大切なことです。

問4 物にぶつけるとすぐ皮膚が黒ずむ

68歳の女性。ひじから手首までの間を物にぶつけたりすると、すぐに血が広がって黒ずみになります。3週間ぐらいで治りますが、原因が分かりません。病院では老化現象と言われました。何科がいいでしょうか。

答:老人性紫斑か受診の必要性低い…(2002年4月9日 高齢者活性科医長 立松 充好)

質問の内容を3点に分け、順次解説をします。第一に、物にぶつけたりする時にできる「黒ずみ」が何か、ということですが、これは老人性紫斑(しはん)と呼ばれるもので、60歳以上の人にみられます。真皮結合組織と皮下脂肪組織の減少と変性のため血管保護作用が低下することと、血管壁がもろくなることが原因です。吸収されるまでにかなり時間を要します。
第二に、これは老化現象か、という問いですが、基礎にある皮膚の変化は加齢に伴う変化であり、広義の老化現象と考えられます。ただし、紫斑が発生するためには、打撲などの機械的刺激が加わる必要があり、これは老化とは全く関係がありません。
第三に、どの科にかかるべきか、という質問ですが、あえて病院にかかるとするならば皮膚科がいいでしょう。ただし、前述の通り、病的意義があまりなく、また治療法としても外傷を避けることくらいしかないので、受診しなければならないというものではありません。ビタミンC、アドナ、トラネキサム酸が投与されることがありますが、気休めにすぎません。

問5 おへその辺りに不快感

55歳の女性。5年前に生理は終わっていますが、その当時からおへその右横に不快感があります。健診やエコーでも異常ないそうです。寝ているときは何も感じないのですが、起きると、ウエストの位置が気になる感じです。

答:定期検査していれば心配ない…(2003年2月13日 総合診療部長 小島 紘一)

おなかの検査は問診触診から始まって、血液検査、レントゲン検査、バリウムを使った胃や腸の透視、内視鏡検査、超音波検査、CTやMRIがあります。疑われる病気によりいくつかの検査を組み合わせて診断します。ただ小さな変化や働きの異常については、診断がつかないこともあります。経過を追って検査をすることもあります。5年前ころより不快感が生じたとのことですが5年たっていること、腹部のいろいろな検査を受けられていて今のところ異常は指摘されていないことは、悪性のがんのような進行性の病気は無いと考えてよいでしょう。
起きると具合が悪くなるとのことです。重力が影響しているのかもしれません。昔おなかの手術をしてゆ着を起こすような傷はありませんか。内臓下垂といわれたことはありませんか。何か起立することで組織が引っ張られ神経が刺激された状態になるのではないかと考えます。不快な症状が続いているようですが、定期的にきちんと検査をしていれば、心配ないと思います。
更年期になると体調もいろいろ変化して参ります。かかりつけ医をきめられて、定期的に受診し必要ならば病院へ紹介してもらう病診連携を利用してください。

問6 ひざ下から足首まで茶色くむくむ

43歳の友人。昨年夏から左ひざ下5センチから足首までの間が茶色くなり押すとぺこっとへこみ、むくんでいるようです。病院では感染症のようなものといわれ、抗炎症剤や抗生剤を服用していますが心配です。

答:うっ帯性皮膚炎か…(2003年2月18日 総合診療科医長 袴田 康弘)

ひざ下5センチから足首まで無痛性の浮腫(ふしゅ)で茶色の色素沈着を伴い、症状は長期間続いているようです。うっ帯性皮膚炎でしょう。静脈の弁不全のために血液が停滞して起こる皮膚疾患です。静脈血栓症の後にも同様のことが起こります。簡単にペコンとへこむのは、静脈内に血液やリンパが停滞し内部の圧力が高くて腫れているからです。皮膚には血液の変性物が茶色に沈着して、潰瘍(かいよう)が生じたりもします。
この症状は立ち仕事の中年男性によく見られますが、ご相談の方はそのような関係のお仕事でしょうか。有効な治療ですが、30分間、1日3、4回下肢を挙げたままの姿勢を保つことで静脈の循環を改善できます。これは時間がかかるので次の策として、ひざ下までの弾性ストッキングが薦められます。外から血管を抑えて血流の停滞を防ぐ方法です。血流を改善する抗血小板薬が良く効く方もおられます。抗生剤治療は皮膚が潰瘍化したときに細菌感染の予防に使用したもので、恐らく病状自体の治療ではありません。漢方薬治療の効能は認められていません。治療の詳細は循環器内科医師に相談すると良いでしょう。

問7 神経痛の痛み止めを長期服用、寝汗かく

80歳の男性。一昨年11月、座骨神経痛を患い各所で治療を受けましたが痛みが取れず、最後に受診したMRIのある病院で、単なる神経痛と診断され、たくさん痛み止めを処方されました。一生懸命のみ続けたところ胃をやられて寝込んでしまいました。その後、ひどい寝汗をかくようになり心配です。結核等の検査は異常なしです。

答:自律神経障害の可能性 散歩など運動療法有効…(総合診療科医長 袴田 康弘)

座骨神経痛で痛み止めを長期間服用後、食欲が低下し寝付いたと記されています。その後寝汗が出始めたとのことです。運動や食事など生活のリズムが混乱したのでしょう。私ども医療者は、高齢者が数日間臥床(がしょう)すれば体の状態は大きく変化するものと考えています。特に自律神経は体調に大きく影響され、異常を来すことがあります。自律神経障害の代表は、血圧の変動、排尿障害、発汗異常、胃腸の症状、脈拍の異常ですが、ほかにもいろいろあります。
この方の問題ですが、寝汗は自律神経に問題があるのではないかと思います。特に高齢者では、全身から汗を出すことができなくなり、特に下半身で汗が出ないで上半身にだけ汗が出るという方がいます。発汗異常です。このような方は、時には体内に熱がこもって体温が高くなることもあります。このときでも血液検査では何も異常は出ないと思います。
治療ですが、座骨神経痛にも有効ですから散歩などの運動療法を試してください。自律神経障害に特効薬はありませんが、薬物療法で有効なものがありますから主治医と相談してください。神経痛の治療を痛み止めだけに頼ることはぜひ避けたいものです。

問8 発熱や慢性疲労で受診、リウマチ反応

33歳の主婦。出産後、疲れからか発熱、だるさが続き近くの病院を受診。血液検査でリウマチ反応が出ました。別の病院で再検査したところ、RF54H、抗核抗体80・0Hなど高い値が出ましたが、医師にだるさもなく関節の異常もないので、リウマチという判断にはならないと言われました。このまま何もしなくてよいものでしょうか。

答:血液検査でほかの異常なければ偽陽性…(2004年9月21日 総合診療科医長 袴田 康弘)

原因が分からないまま長引く熱や、慢性の疲労に悩む患者さんの診断で、関節リウマチやその関連疾患を疑うことがあります。リウマチ反応や特殊な検査である抗核抗体を血液検査で調べます。ただし、注意してほしいのですが、検査が陽性でも、これだけで関節リウマチやリウマチ関連の難しい病気であるとは診断いたしません。
関節リウマチをはじめ多くのリウマチ関連の病気には、それぞれ病気に固有の身体症状があるものです。関節が痛む、高熱が続く、皮膚の異常が見られる、筋力が衰えるなど、それらの症状は自覚症状としても、非常に厳しいものです。ですから、ご相談の方のように、リウマチ反応だけが陽性で、他の血液検査に異常がなく、身体にも症状がなければ、この検査結果は偽陽性と考えます。
医学統計では、リウマチ反応は、60歳までの健康な方にも数%に陽性反応が出ます。70歳以上になると10―25%で陽性が認められますが、偽陽性です。このような統計も参考の上、血液検査の結果だけで思い悩まれる必要はないものと、分かっていただけるでしょうか。

問9 指の関節がこわばる…

66歳の男性。1年ほど前から朝、目が覚めた時、手を握ろうとしても指の第一、第二関節がこわばってしまい、痛く、手でマッサージをして治します。近くのクリニックで血液検査をしてもらったところ「関節炎」との診断でした。治療方法などを教えてください。

答:リウマチの疑い、受診を(2004年3月15日掲載 高齢者活性科医長 立松 充好)

関節炎は文字通り「関節の炎症」です。関節炎の症状として最もよく知られているものは、睡眠などで関節を使わない時間が続いた後に生じる「痛み」「こわばり」「不快感」です。朝、目が覚めたときに生じるこわばりと痛みのとのことですから、おそらく関節炎があるのでしょう。
しかし、「関節炎」は一種類の病気を指すわけではなく、その中には百種類以上の病気が含まれるのです。従って、治療方法や進行するかはどのような関節炎であるかによって異なりますので、ひと口には申し上げられません。関節リウマチ(一般にリウマチと呼ばれているもの)もこの「関節炎」に含まれます。関節炎の場合、CRPやESRとよばれる炎症反応やリウマチ因子や抗核抗体と呼ばれる因子の検査を行います。しかしいずれの検査も万能ではなく、リウマチ因子は関節リウマチ患者の5人に1人程度は陰性となります。身体の両側で多くの関節に不快感や腫(は)れが続き熱を持っているようでしたら、やはり関節リウマチが疑われます。専門の医師の受診をお勧めします。