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血液内科:診察Q&A

最終更新日:2014年12月18日

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。
医師の肩書等は新聞掲載当時のものです。


問1 貧血検査で食事に注意するよういわれた14歳

14歳の男子。学校の貧血検査でヘマトクリット値36.3で赤血球血色素濃度36.4という結果で、食生活に注意するようにいわれました。

答:数値は基準値の範囲…(2001年7月23日 器官別診療部長 塩村 惟彦)

貧血の有無を調べる目的の検査では、血液1立方ミリメートル中の赤血球の数、血液100ミリリットル中のヘモグロビン量(g)、血液中に占める赤血球の容積の割合を表すヘマトクリット値(%)を測定します。これらの数値から平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)などの赤血球恒数を算出して、貧血がある場合診断の参考にします。MCVはヘマトクリット値(%)/赤血球数(100万)*10、MCHCはヘモグロビン量(g)/ヘマトクリット値(%)*100の計算式で得られ、それぞれ赤血球一個平均の大きさ、赤血球内でのヘモグロビン濃度を表します。例えばMCVが小さくMCHCが低ければ小球性低色素性貧血と分類され代表例に鉄欠乏性貧血があり、MCVが大きければ大球性貧血であり、ビタミンB12欠乏による貧血などが考えられ、診断に役立ちます。
この方のヘモグロビン量はMCHC値とヘマトクリット値から計算すると36.4*36.3/100=13.2gとなります。基準値には年齢によって差があり、14歳としてはヘモグロビン量、ヘマトクリット値ともにほぼ基準値の範囲にあり貧血とはいえないでしょう。しかし成長期では鉄分などの需要が増加していますから、食事は偏らないようにしましょう。

問2 骨髄異形成症候群だが移植は可能?

63歳の男性。3年ほど前「骨髄異形成症候群」と診断され、1年前から輸血を始めました。3カ月に一度10単位です。「骨髄移植」の話を聞きましたが、私の年齢でも可能でしょうか。

答:根治治療は年齢的にも負担大…(2003年9月9日掲載 第一内科医長 島田 秀人)

病名の「異形成」という言葉は、「できそこない」と理解してください。本質的には血液細胞ががん化した状態です。白血病と似ていますが、むやみに増えるのではなく、本来の役目を担う細胞に育つ(分化)性格を残しているのが特徴です。がん細胞も分化さえしてくれれば怖くないのです。病気の細胞も役に立ってくれますので、すべてを排除する治療が良いとは限りません。
(1)役に立つ能力を失うか(白血化)(2)育つ前に枯れてしまうか(骨髄不全)、のどちらの性格が表に出るかが鍵を握っています。(1)か(2)のどちらが問題になるかを予測するために、この病気はさらに細かく種類分けされています。
現在の患者さんの状態は、(2)の状態が次第に表に出てきたと考えられます。輸血には病気を良くする力はありませんが、日常生活を犠牲にせず続けられる負担の少ない方法として広く施行されているものです。
この病気は高齢の方に多いのも特徴です。そのため、「骨髄移植」など根治目標の治療は負担が大きく、勧められないことも多いのが現実です。60歳を超えていますと、移植は考えないほうが良いと思います。最近は、負担の少ない移植(ミニ移植)が開発されていますが、まだ実験的で標準的な治療ではありません。難しい選択ですので、主治医の先生とよく相談される必要があります。