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産婦人科:診察Q&A

最終更新日:2014年12月18日

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。
医師の肩書等は新聞掲載当時のものです。


問1 老人性膣炎が治らない

72歳の女性。老人性膣(ちつ)炎と言われ通院しましたが、よくなりません。おりものによる汚れはありませんが、局部が擦れる痛みはあります。

答:女性ホルモン剤で症状軽減…(2000年5月22日 女性診療センター長 籠田 文夫)

お年をとり、卵巣から女性ホルモンが出なくなりますと、膣内の清浄度が下がり雑菌が繁殖しやすい状態になります。その結果、黄色っぽい汚れたおりものが増えてきます。これを老人性膣炎と呼んでいます。ただし、「老人性」という言葉はあいまいですので、「閉経後の膣炎」といった方が理解しやすいと思います。
この場合、女性ホルモン剤を使用することにより症状が軽快します。女性ホルモン剤には、飲み薬と膣錠があり、症状により使い分けています。このご相談ではおりものはほとんどないようですので、膣炎の治療をしてもあまり効果がなかったのかもしれません。
外陰部がこすれると痛みが強いようですが、だんだん年をとりますと、皮膚も弱くなり、比較的物理的刺激の多い外陰部に症状が出てくることもまれではありません。外陰部があまりこすれることのないよう刺激を極力さけることはもちろんのことですが、弱い副腎(じん)皮質ホルモンのはいった軟膏で症状が軽くなることもあります。ご相談してください。気晴らし、レクリエーションはとても大切なことと思います。これはぜひ続けていただきたいと思います。

問2 生理不順に悩む24歳の娘

24歳の娘は10代から生理不順で、2年ほど前から一層不規則になりました。2ヶ月以上ないこともあります。本人もとても悩んでいるようなので心配です。婦人科へ行かせたほうがいいでしょうか。

答:毎朝、体温を測って…(2000年8月14日 女性診療センター長 籠田 文夫)

お譲さんの月経不順を心配されています。ご心配されるのも、もっともなことと思います。
まず初めに月経について簡単にご説明いたします。脳下垂体(脳の一部です)から分泌される性腺刺激ホルモンが卵巣に働きかけ、その結果、卵巣は成熟した卵をつくると同時に、ホルモンを分泌し子宮内膜を厚くします。卵が受精に至らないと子宮内膜は、月経としてはがれ落ちます。これは、成熟婦人では周期的に繰り返されますので、月経は規則的になります。脳下垂体、あるいは卵巣よりのホルモンの出具合が不十分だと、月経が規則的にはなりません。卵巣の働きをみる一番スタンダードな方法は、基礎体温法です。ちょっと面倒かもしれませんが、毎朝体温を測っていただくだけで、成熟した卵ができたかどうか推定できます。排卵後には、体温が上がるからです。基礎体温を見せていただくだけでもアドバイスは可能です。
若い女性の月経不順は、少なくありません。お母さまだけが心配なさっても、らちがあきません。ご本人が心配なさっていれば、産婦人科にご相談ください。若い女性に敷居の高くない産婦人科もだんだん増えてきていると思います。

問3 子宮筋腫の手術時期は?

53歳の主婦。1年ほど前、子宮筋腫(きんしゅ)が見つかりました。現在、6センチと4センチで痛みや出血はありません。閉経後は小さくなるそうですが、このまま悪性になるのでは…と心配です。手術する時期を教えてください。

答:症状、大きさ、年齢を考慮し判断…(2001年1月23日 女性診療センター長 籠田 文夫)

子宮筋腫とは、子宮の筋肉の中にできる丸いできもののことです。
40歳以上の女性では、決してめずらしくありません。もちろん20代、30代の女性にも発生します。月経量が多くなり貧血になることもあり、また月経痛の原因のひとつでもあります。症状、大きさで手術をするか、薬物療法にするか、そのまま様子を見るか判断することになります。根本的治療は手術ですが、若い人であれば子宮を温存し、子宮筋腫だけ取る手術もあります。薬物療法は、卵巣からのホルモンの分泌をおさえることにより一時的に月経を止め、さらに子宮筋腫を萎縮させるねらいもあります。ただし、薬物療法は副作用との兼ね合いがあり、半年間が目安です。子宮筋腫は卵巣からのホルモンにより成長しますので、閉経以降は大きくなることはなく、かえって小さくなるのが普通です。しかし、月経が止まったあとでもどんどん大きくなるのであれば、子宮筋腫の悪性化(子宮肉腫)も考えられますので手術の対象となります。子宮筋腫が悪性化する頻度は決して高くありませんので、筋腫があるからといってすぐに手術というわけでもありません。あくまでも前に述べたように、症状、大きさ、さらに年齢を考慮したうえで治療法を決めることになります。

問4 黄色いおりもの気になる

65歳の主婦。1年ほど前から黄色いおりものが出ます。病院での検査は異常がなくホルモンの関係だと言われました。子宮がん検診も異常なしでしたが心配です。

答:閉経後は雑菌入りやすい…(2001年2月21日 女性診療センター長 籠田 文夫)

閉経前の女性には、膣(ちつ)の中にデーデルライン桿(かん)菌という微生物がたくさんいて、膣をきれいにしてくれています。ところが、閉経後になりますと卵巣から女性ホルモンが出なくなり、膣の細胞も萎縮し、デーデルライン桿菌もいなくなってしまいます。そうしますと、膣の中にいろいろな雑菌が繁殖しやすくなります。デーデルライン桿菌がいる間は、白くてきれいなおりものなのですが閉経後のおりものは雑菌のため黄色くなります。これを老人性膣炎と呼ぶのが普通です。私見ではありますが、老人性という言葉はあいまいであり、言われて全然うれしくない響きもありますので、せめて閉経後膣炎とでも呼んだほうがよいかと思います。
おりものがうっとうしいときは、膣の中に薬を入れて治療します。膣錠には2種類あります。ひとつは女性ホルモンを含んだものです。女性ホルモンの力で膣をきれいにして雑菌の増殖を防ぐことを目的にします。もうひとつは抗生物質のはいった膣錠で、雑菌を殺しておりものをきれいにしようとするものです。どちらを使ってもかまいません。きたないおりものが続くときは、このご相談にも書かれているように、子宮がんの検診をして、がんではないことを確認した上で、膣錠による治療をするのがよいと思います。

問5 つらい不妊治療受け妊娠したが流産

34歳の女性。4年間、不妊治療を受けました。薬で生理を起こし、不眠、イライラ、うつ…の波を乗り越えようやく授かりましたが子宮内で出血、8週で流産。ショックで1週間涙が止まらず、精神的にも不安定です。胎児が4週の状態で成長が止まっていたそうですが、何が原因ですか。また流産すると思うと怖いです。

答:胎児側に原因がある場合多い…(2001年9月18日 女性診療センター長 籠田 文夫)

無排卵無月経を乗り越え、やっとのことで妊娠したのにもかかわらず、流産してしまったことは、さぞ残念だったことと思います。子どもが欲しいと願う女性にとって流産ほど悲しいことはないと推察いたします。
しかし現実には、妊娠初期すなわち子宮の中に胎児ができてくるかどうかという時期に流産してしまうことはまれではありません。全妊娠の2割近くが流産してしまうというデータもあります。流産の原因は不明の点も多いのですが、胎児側にある場合が多いと言われています。胎児の側に流産の原因がある時は、それを防ぐすべはありません。児の発生は、受精卵の中にあるプログラムに従って精密に行われます。それに何かの間違いがあると児の発生が停止し、流産に至ると考えられます。今回、妊娠はされたわけですから、基礎体温を測り、タイミングを計れば、じきに妊娠する可能性は高いと思います。
残念ながら、絶対に流産しない保証はありませんが、流産の悲しみを乗り越えて、無事に出産を迎えられた人もたくさんいます。長い人生ですから、将来に目を見開いて前向きに考えるようにしてください。

問6 更年期のホルモン剤、長期服用が心配

56歳の主婦。40歳代後半から更年期に入りホルモン治療を6年ぐらい受けています。薬さえ飲んでいれば快適ですが、忘れると頭痛やしびれ、目まいなどが出てきます。長期服用で大丈夫か心配しています。

答:やめるなら徐々に減量…(2001年12月11日 女性診療センター長 籠田 文夫)

女性は50歳前後になりますと、卵巣の機能がだんだんと低下し、ついに機能しなくなり月経もなくなります。卵巣から分泌される女性ホルモンもつくられなくなります。また、このころ、このご相談にもあるようないろいろな症状も出やすくなります。そのような時に、女性ホルモンを補ってやると、症状が軽くなることもあります。
この方は、ホルモンを補うことで快適な生活を送られているようですので、ホルモン補充療法がうまくいっていると思います。ただ、このホルモン補充をいつまで続けるのがよいかは、難しい問題です。
急に服用をやめますと症状が再燃する可能性も高いので、徐々に減量していくのがよいと思います。ホルモン補充療法の本家アメリカでは、本来女性は、女性ホルモンが体内にあるのが自然であり、分泌されなくなったら、補充するのが当たり前であるという考えもあり、一生ホルモン補充を続ける方も少なくないと聞いています。この考えは日本では一般的ではありませんので、長期服用を心配される方が多いようです。
担当の先生とご相談していただき最善の道をさぐっていただければと思います。なお、女性ホルモン補充療法中は、できれば定期的に、子宮体癌と乳癌の検診をするようお勧めいたします。

問7 妊娠20週ごろから検尿で糖が出る

第二子を妊娠中の34歳。20週をすぎた頃から検尿検査の度、糖が出るようになりました。体重の増加は3キロほど、むくみもなく血糖値の検査では異常なしとのこと。糖尿病、妊娠中毒症でないとするとほかに原因はありますか。

答:腎性糖尿が原因なら胎児への心配ないが…(2001年12月25日 女性診療センター長 籠田 文夫)

妊娠中に尿糖が出ることは時々あります。
ひとつの原因は糖尿病です。妊娠を契機に糖尿病を発症することもあります。この時は、血糖値の検査をすれば異常値が出ます。ただし空腹時の血糖値だけではわからないこともありますので、ブドウ糖負荷試験(GTT)を行ってみる方が診断は正確です。糖尿病と診断されたら、内科の先生と協力してみていくことになります。
もうひとつの原因は、腎性糖尿です。これは血糖値は決して高くないのですが、腎臓から尿中へブドウ糖がこし出され、尿糖が出る状態を指します。腎性糖尿であれば、血糖値は上がりませんので、胎児への悪影響もほとんどないのですが、糖尿病の場合は、母体の高血糖が胎児へ移行し、児が巨大化するなどの悪影響が出る可能性もあります。
もし、空腹時だけの血糖値測定だけなのであれば、ブドウ糖負荷試験をしてみて、診断をより正確にするのがよいと思います。

問8 2ヶ月に一度不正出血して苦痛

二人の男の子がいる36歳の主婦。2ヶ月に一度の割合で、排卵の直後ぐらいから不正出血。病院では子宮がん検診ばかりしていますが異常なし。黄体ホルモンを増やす薬を処方されましたが副作用がきつく、気持ち悪くなります。よく出血するので精神的に苦痛です。

答:保険きかないがピルも効果…(2002年1月8日 女性診療センター長 籠田 文夫)

排卵後の卵巣には黄体が形成され、黄体ホルモンが分泌されます。黄体ホルモンは子宮内膜を厚くし、受精卵の着床の準備をしますが、妊娠が成立しないと、はがれ落ちてしまいます。それが月経です。排卵直後より次の月経までの時期は本来出血しにくいはずなのですが、黄体ホルモンの分泌量が少ないと、部分的に子宮内膜がはがれ、出血が続くことがあります。黄体機能不全と呼んでいます。
子宮がん検診も繰り返されており、まず子宮がんの心配はありませんので、止血方法を考えることになります。不足している黄体ホルモンを補うのが自然ですが、このご相談のように吐き気が強く、服用できないこともしばしばあります。出血が苦痛のようですので、なんとか副作用の少ないホルモン剤をお飲みいただくのがよいと思いますが、現在手に入る副作用の少ないホルモン剤はピルです。
ピルは、月経痛、月経不順の治療にも効果があるのですが、残念なことに保険がききません。止血をはかるのであれば、ホルモン剤ということになりますので、担当の先生とよくご相談をなさって下さい。

問9 体重81キロだが出産は可能か

29歳の女性。身長153センチ、体重81キロです。そろそろ二人目の子どもが欲しいのですが、妊娠、出産は可能でしょうか。

答:妊娠中毒症引き起こす場合も これ以上増やさないように…(2002年1月28日 女性診療センター長 籠田 文夫)

体重がどれだけあろうとも、排卵があれば妊娠する可能性は十分にあります。一人目を妊娠された時の体重が分かりませんが、もし、それが今の体重よりかなり少ないのであれば、まず減量なさってください。
妊娠すると、まず体重は増加します。今の体重が、自分としてもちょっと重めかなと思うのであれば、無理のないダイエットで、少しずつ体重を落としてから妊娠するようにしてください。もし今の体重のままで妊娠されたら、妊娠中の体重を極力増やさないようにしてください。お母さんの体重が十分あれば妊娠中、体重増加がなくても、赤ちゃんは十分育ちます。
肥満状態での妊娠、あるいは妊娠中の体重の異常増加は、妊娠中毒症、糖尿病の原因となりうると言われていますので、妊娠前、妊娠中の体重のコントロールは重要です。

問10 子宮後屈症といわれ月経痛ひどい

35歳の主婦。地域の子宮がん検診で子宮後屈症といわれました。本で調べたら不妊、流産の原因になりやすいとのこと。月経痛がひどく、また子どもができないのはこれが原因なのでしょうか。

答:程度強いと痛みの原因に…(2002年1月31日 女性診療センター長 籠田 文夫)

子宮は骨盤の底にある臓器で、子宮全体が前方に倒れているものと、後方に倒れているものとがあります。後方に倒れているものを子宮後屈と呼んでいます。
子宮後屈の方はたくさんいらっしゃいます。かつて子宮後屈は、このご質問にもあるように、不妊、流産の原因になると考えられていました。子宮を前屈に矯正する手術が行われることもありました。しかし、現在では、子宮後屈が不妊、流産の原因とは考えられなくなり、そのような手術が行われることもほとんどなくなってきました。現在では、子宮後屈は異常とは考えられていません。
子宮後屈の程度が強いと、月経時、子宮内に血液がたまりやすくなり、月経痛の原因にはなりうると思います。
月経痛の治療は、まず、鎮痛剤から考えていくのが自然だと思います。

問11 更年期でほおが真っ赤にほてる

56歳の女性。2年ほど前に生理が終わりました。時々体がかあっと熱くなることがあり、更年期の一種と思っていましたが、2ヶ月ほど前から、気温に関係なくほおが真っ赤にほてって困っています。自然に治まるのですが、皮膚もカサカサになり、荒れ気味です。

答:エストロゲン投与で症状軽減…(2002年4月1日 女性診療センター長 籠田 文夫)

女性は50歳前後になりますと、月経が止まります。卵巣が働かなくなり、卵巣からのホルモン(エストロゲン)が分泌されず、子宮内膜が萎縮してしまい、子宮からの出血がなくなるのです。またエストロゲンが分泌されなくなると、体に変調を来すこともあります。
月経が閉止した後、体がほてったり急に冷えたりするのは、体の変調の代表的なものであり、更年期障害と呼ばれています。実は更年期障害の原因は、必ずしもエストロゲン欠落のみと言う訳ではありませんが、エストロゲンを投与することで症状が軽快することもよくあります。
このご相談の方は、ほてりが主症状のようですので、エストロゲン投与の効果が期待できます。一度産婦人科を受診されると良いと思います。更年期外来のある所であれば、さらに都合がよいでしょう。

問12 前の妊娠で羊水過多に。これは体質なのか

32歳の主婦。一人目の子どもを妊娠したとき、羊水過多のため、羊水を抜いてもらいましたが、それでもおなかが張って、七ヶ月から入院していました。これは体質で、次回妊娠したときも同じような症状が出てしまうようなものなのでしょうか。

答:母体ではなく胎児側の問題…(2002年4月4日 女性診療センター長 籠田 文夫)

妊娠子宮は羊水で満たされています。羊水量は胎児自身でうまく調節されています。胎児は羊水を飲み込む一方、尿等により体外へ排出し羊水を形成します。この調節がうまくいかないと、羊水量が多すぎたり少なすぎたりします。胎児に食道等の消化管閉鎖がありますと、胎児は羊水を飲み込めず、羊水量が増えます。逆に胎児の腎臓がうまく働かないと尿が作れず、羊水の量は少なくなります。
このように羊水量の異常には、胎児の何らかの異常を伴うことがあります。もちろん、羊水の量が異常だからといって、必ずしも胎児に異常があるわけではありませんが、私たち産婦人科医は、そのような時には超音波検査等で胎児のチェックをします。前の妊娠時、羊水量が多かったからといっても、次の妊娠の羊水量を予想することはできません。生まれたお子さまに異常がなかったのであれば、次の妊娠を躊躇する必要はありません。

問13 息子に子どもができないのはおたふくかぜワクチンのせい?

35歳の息子。結婚6年目でいまだに子どもができません。実は、大学生の時におたふくかぜのワクチン注射を受けさせましたが、この注射がもとで精子ができなくなってしまったのではないかと、注射を勧めた母親として今とても心配です。これが原因なのでしょうか。

答:まず関係ない、本人希望なら検査を…(2002年4月8日 女性診療センター長 籠田 文夫)

不妊の原因は男性側、女性側両方あり、検査を受けない限り原因は分かりません。検査を受けても原因が分からないこともあります。無精子症は、男性不妊の原因の代表的なものです。
男性がおたふくかぜにかかると、時として精巣に炎症が及び、重症例では無精子症になることもあると言われています。しかし現実には、おたふくかぜによる男性不妊の頻度はかなり低いようです。幸い、精巣は二つありますので、よほど炎症がひどくならない限り、二つともだめになることはないようです。
おたふくかぜのワクチンで重症な精巣の炎症が起きるとは、まず考えられません。ですから、息子さんに子どもができないことと、おたふくかぜのワクチンとは、まず関係ないでしょう。結婚後6年間子どもができないとのことですので、ご本人が希望されれば、不妊の検査をされてもよいと思います。

問14 ほぼ毎月の生理前に不正出血

28歳の主婦。一年前に虫垂炎の手術を受けたころから、生理が始まる前(基礎体温が下がる何日も前)からの不正出血がほぼ毎月あります。黄体ホルモンの乱れが原因なのでしょうか。子供ができないのもこれと関係ありますか。

答:基礎体温は正常で心配なし…(2002年4月15日 女性診療センター長 籠田 文夫)

基礎体温が低温相、高温相と分かれていれば、卵巣はほぼ正常に働いていると考えられます。このご相談の方の基礎体温は低温相、高温相がきれいに分かれていますので、まず心配いりません。ただ、高温相のうちから出血が始まり、そのまま月経に続いていることを心配されているようです。高温相には、黄体ホルモンが卵巣から分泌されていますので、普通は出血はありません。黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くするホルモンですから。しかし、ホルモン分泌量が少ないと、高温相のうちから出血することもあり、黄体ホルモンの補充がその治療になります。
虫垂炎の手術後、出血が起きるようになったとのことですが、直接関係はありません。黄体ホルモンの分泌量が少なすぎると、子宮内膜が十分厚くならず、受精卵がうまく着床できないこともありますので、黄体ホルモンの補充が不妊症の治療になることもあります。ストレスが、ホルモン分泌に影響を与えている可能性は否定できませんが、詳しいことは分かっていませんので、ご心配は無用と思います。

問15 開腹手術後の激痛は再発するか

64歳の主婦。二年前に子宮筋腫で子宮と卵巣を摘出した際、同時に脱腸の手術も受けました。昨年、開腹手術からくる腸の癒着で激痛があり、点滴で治りましたが、この痛みは再発しますか。また、腹部CTの放射線被爆はレントゲンの何倍もあると聞き、心配です。

答:本当に癒着なら繰り返す可能性…(2002年4月25日 女性診療センター長 籠田 文夫)

開腹手術の一年後、腹部に激痛を来したとのご相談です。その原因が手術による腸の癒着だと説明されているようです。強い癒着があると時には腸の動きが制限され、内容物が停滞して腹痛と嘔吐を来すことがあります。いわゆる腸閉塞と言われる状態です。もしこの痛みが本当に癒着のためであればまた繰り返す可能性はあります。ただ一般的には子宮全摘で腸が強く癒着するのはまれです。また癒着があるか確認するのはおなかの中をのぞいてみる以外ありません。ですから、正直申し上げて、痛みの原因が癒着かどうかは分かりませんし、痛みが繰り返さない可能性も十分あります。
また、腹部CTの放射線被爆についてもご心配のようです。腹部レントゲン撮影の4倍程度の被爆量と言われています。年に1月2日回のCTでしたら許容量からみても心配いりません。しかし当然のことながら、X線被爆は少ないに越したことはありませんからレントゲン撮影、CTは必要最小限にしなければなりません。なお、子宮、卵巣の病変をみるのには、CTよりもMRIのほうがわかりやすいと思います。MRIは、X線被爆しません。

問16 妊娠時にできた静脈瘤、産後も痛む

29歳の女性。妊娠5ヶ月ごろから、立ち仕事だったせいか右ひざ裏や右太もも、股などに静脈瘤(りゅう)ができました。出産時も力むのを我慢しなけれなならず、大変、つらかったです。産後1年たっても寒いとき右ひざ裏など痛む時があります。自然に治るのでしょうか。2人目も欲しいのですが、年を重ねるとひどくなりますか。

答:血流滞らないように工夫を…(2002年7月16日 女性診療センター長 籠田 文夫)

妊娠し、子宮がだんだん大きくなってくると、下肢、外陰部からの血液の心臓への戻りが悪くなり、静脈がふくらんでくることがあります。これが静脈瘤です。立ち仕事を続けていると、重力の関係で血液の戻りがさらに悪くなり、静脈瘤は悪化します。
肛門付近の静脈がふくれ、痔になることもあります。分娩が終了すると血の流れもよくなり、一般に静脈瘤は軽快します。ただ、完全によくならないこともあります。静脈瘤ができますと、そこに血液が停滞しやすくなり、血管内で血液が固まりやすくなる危険性もあります。マッサージ、弾力ストッキングなどで血流が滞らないようにすることが大切です。
次回妊娠時、静脈瘤を繰り返す可能性もありますので、立ち仕事を極力避けたりして、下肢の血流が悪くならないよう生活改善をお願いいたします。

問17 今まで順調だった生理が不順に

35歳の主婦。結婚9年目で子どもが2人います。今までは大きな病気もなく、生理も順調でしたが、今年1月ごろから不順になりました。子宮がん検診に異常ありませんでした。

答:基礎体温付けて排卵を確認…(2002年7月22日 女性診療センター長 籠田 文夫)

卵巣からのホルモンの作用を受け、子宮内膜が成長、肥厚し、妊娠が成立しない時にそれがはげ落ちて出血する、それが月経です。
卵巣の働きは周期的ですので、多くの人は月経も周期的に約1ヶ月ごとにきます。卵巣の働きの周期性が乱れることにより、月経不順になります。普通は月々排卵があるのですが、もし排卵が数ヶ月に1回しかこなくなると、月経も数ヶ月に1回となってしまいます。
また、排卵がなくなってしまうこともあり、そうなると、月経がいつ来るか予想できません。月経不順の時には、基礎体温をつけ、排卵があるのかないのかを見極めるのが大切と思います。月経不順になったからといってあなたの健康が害されたというわけではありませんので、心配は無用と思います。基礎体温をおつけになってから受診されればよいと思います。

問18 右ひざ裏のはれ、悪性腫瘍かと心配

50歳の女性。立ち仕事で右足はよく使うのですが、ひざの裏側が左に比べはれています。悪性の腫瘍(しゅよう)ではないかと心配です。生理は終わっていますが、更年期はホルモンの減少でいろいろな病気になりやすいと聞きましたが、気を付けることはありますか。なお子宮筋腫がありますが関係は

答:静脈瘤の可能性が高い 血の流れ良くする努力を…(2002年7月25日 女性診療センター長 籠田 文夫)

右足ひざの裏がはれているとのことですが、静脈がふくらんでできる静脈瘤(りゅう)の可能性が高いと思います。立ち仕事のため血液の心臓への戻りが悪くなることも一因と思います。
また子宮筋腫が大きいと骨盤内の静脈を圧迫することもありますので、それも下肢の静脈瘤の原因となりえます。症状によっては外科的治療の対象ともなりますので、一度血管外科を受診されるとよいと思います。静脈瘤がひどくならないようにする日常生活の工夫も大切です。下肢のマッサージ、弾力ストッキングなどで、血の流れをよくする努力をしてください。また、長時間の立ち仕事もよくありませんので、できるだけ立ち仕事は短時間にしてください。
もし子宮筋腫が大きいのであれば、子宮をとることで、下肢の血流が改善する可能性もあります。なお、静脈瘤と更年期は直接には関係はないと思います。

問19 いとこ婚での遺伝の問題は?

息子のことで相談します。いとこに当たる女性と交際しています。いとこ同士の結婚では障害を持つ子供が生まれやすいと聞いたことがあります。本当でしょうか。

答:家系の病気など含め外来ある施設で相談 …(2004年10月26日 女性診療センター長 籠田 文夫)

いとこ婚のご相談です。いとこ婚では障害児が生まれやすいといわれているようですが、生半可な知識に基づいた誤解も少なくありません。
血族結婚では、双方に共通の祖先がいます。ひとりの人間が出来上がるためには、両親からの情報(卵、精子の中の染色体)が必要です。染色体の中にはDNAといわれる遺伝情報の集合体があります。
血族結婚では共通の祖先からの遺伝情報が、両親を介して二重に入ってくる可能性があります。たまたまそれが、ある病気をおこす情報だとしたら、その病気をもってしまうことになります。ある遺伝性の病気をもっている家系であれば、血族結婚により、その病気をもった子が生まれる確率を計算することは可能です。しかし家系に遺伝性の病気が明らかでないときは、いとこ婚で障害児が生まれやすくなるとは必ずしもいえませんので、障害児出産を必要以上に怖がるのは得策ではありません。
一般にこのようなご相談は個人的(プライベート)なものであり、時間をかけてご理解いただくのが筋ですので、遺伝相談外来のある施設へ行かれるのがよいと思います。インターネット(いでんネット)で検索されれば施設は容易にわかります。

問20 産後、頭痛とめまいがひどい

30歳の女性。5年前に出産、頭痛とめまいがひどくて頭のCT、MRIを撮影しましたが異常なし。少し良くなり昨年2人目を出産した後、まためまいがひどくなり、頭のCTや首のエックス線検査をしましたが異常なしでした。今も授乳中ですが産後1カ月で生理が始まり、ホルモンバランスが悪く自律神経が原因と言われました。ふらふらして歩けなくなったり、座っていても倒れそうになることがあります。

答:神経内科か心療内科に相談 …(2004年11月2日 女性診療センター長 籠田 文夫)

めまいがひどくなり、ふらふらして立っていられなくなるというのは、産後の一般的な症状ではありません。分娩時出血が多ければ、貧血になり、程度が強ければそのような症状が続くことはあるかもしれません。でも産後1カ月以上経過しているようですので、通常は貧血は治っていると考えられます。
また授乳中ですので、それほど卵巣のホルモンが活発であるはずもなく、ホルモンのバランスが悪いというのも考えにくいように思えます。授乳中は、卵巣の機能は抑制され、排卵がないのが普通です。
症状が強いのであれば、やはり何かの病的な状態も否定できないと思います。神経に関係した症状のようですので、まずは神経内科あるいは心療内科で相談するのがよいと思います。