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形成外科:診察Q&A

最終更新日:2014年12月18日

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。
医師の肩書等は新聞掲載当時のものです。


問1 植皮部分が茶褐色で気になる

29歳の主婦。10年ほど前、足首の血管腫(しゅ)を切除し、そけい部から植皮しましたが、その部分の皮膚の色が茶褐色で醜いのです。レーザー治療でこのような皮膚の色を薄くできるのでしょうか。

答:色素沈着消すレーザーはなし…(1997年11月4日 形成外科医長 田中 博)

皮膚腫瘍(しゅよう)を切除する手術や、外傷などによって皮膚が欠損した場合に、身体の他の部位より皮膚を移植する植皮術は大変有効な手術方法です。そこで、現在でも形成外科においてはしばしば用いられています。しかし、移植された皮膚は周囲の皮膚と全く同じになることはありません。移植された皮膚が元々あった部位の組織の特性をずっと持ち続けるからです。
そけい部は、皮膚をとった後の傷が一本の線となり、下着の中に隠れて目立たないため、しばしばこの部位から皮膚をとります。ところが、そけい部の皮膚を手足など太陽の光に当たるところに移植すると、程度の差はあるものの必ず茶褐色の色素沈着を来します。
この予防のため、手術操作を特に慎重にしたり、術後長期間植皮部を遮光したりします。それでもある程度の色素沈着が残るのが普通です。これを消す画期的なレーザーは残念ながら今のところはありません。このような色素沈着を消すレーザーや薬品の開発が望まれます。

問2 けがの跡が5センチほど盛り上がる

中学生の男子。3ヶ月前にひざにけがをし、傷が治るとともに赤紫色の肉が5センチほど盛り上がりました。病院でケロイドだと言われ、薬を1ヶ月ほど塗っていますが、平らになる様子はありません。この部分が皮膚がんになる心配はありますか。手術で治すことは可能ですか。

答:がんの心配なし、形成手術可能…(1997年12月31日 形成外科医長 田中 博)

お手紙からはケロイドよりも肥厚性瘢痕(はんこん)が考えられます。肥厚性瘢痕とは、手術や外傷後のキズが普通以上に赤く固く盛り上がるものです。一般には数年たつとほとんどが白く平らなキズに落ち着くものです。治療としては軟膏(こう)を塗るよりも、キズをスポンジなどで圧迫したり抗アレルギー剤を内服する方が有効で、早く平らになります。
しかし、太くて幅のある肥厚性瘢痕は白くなっても太いキズが残ります。太いキズが目立つ場合には、キズを切除して真皮縫合という特殊な中縫いを加えた形成外科手術により細く目立たぬキズにすることができます。
また時々キズがひきつれることがあります。このひきつれは、Z形成術という、キズをジグザグに縫い直す手術により皮膚を延長して治すことができます。
ところで、重い熱傷(やけど)後に手術をせず、長期間かかってやっと皮膚が張った汚いキズは、10年ぐらいして皮膚がんが生じることがありますが、肥厚性瘢痕ではまず心配ないでしょう。患者さんの年齢やキズの大きさ、部位などで入院あるいは外来手術となります。キズの気になる方は形成外科にご相談ください。

問3 3歳息子の手足を脱毛したい

3歳の息子が大変毛深く、手足だけでも少し脱毛してあげたいと思いますが、何歳ごろがいいですか。また、成長に影響はありますか。

答:安易に考えずに小児科へ…(2000年8月6日 形成外科医長 田中 博)

まず一般的な脱毛のご説明をいたします。いわゆる”無駄毛”を処理するのに、家庭でできる一時的な脱毛法としてはかみそりでそる、ピンセットで抜く、脱毛ムース・クリームを使うなどがあります。病院でも数十年前より脱毛術が行われています。高周波の電気を流した針で1本1本毛根を焼いて毛の再生を防ぐ方法です。面積が広ければ時間・期間も長くかかります。また手技的には難しいのでエステで治療されかなりのトラブルが発生しました。最近の流行はレーザー脱毛です。以前の方法より短期間に治療が可能なようです。
ところで、体毛と体毛をつくる毛包との役割のひとつとして皮脂を皮膚の表面に分泌することがあります。皮脂が出なければ皮膚は乾燥し将来的に皮膚に悪い影響が出ることが予想されます。そこで医学的にはすべての毛を抜くのではなく、太く黒い目立つ毛のみ脱毛し、うぶ毛のような薄い毛は残し皮膚の分泌を助けるのが理想的な脱毛と考えられています。
さて3歳のお子さまのほぼ全身の多毛ですが、まず最初に小児科を受診されるのが良いかと思います。身体に特に異常がない場合でも、ご自分の意思を持たないお子さまに安易に脱毛を考えるべきではありません。将来的な皮膚への影響、安全性などまだ完全には解決されていないからです。どうしてもとお考えならば信頼できる美容外科医にご相談ください。

問4 単純性血管腫の7ヶ月男児

7ヶ月の男児。生まれつき首と右胸にあざがあり、単純性血管腫と診断されました。レーザー治療を勧められましたがほかに治療法はないのか、また、レーザー治療をするなら何歳ぐらいがいいのか教えてください。

答:できるだけ早い時期にレーザー治療…(2001年9月17日 形成外科医長 田中 博)

単純性血管腫とは俗に言う「赤あざ」で皮膚の真皮内に拡張した血管が存在した状態です。治療としては色素レーザーを照射するのが良いでしょう。赤血球中に含まれるヘモグロビンに良く吸収される波長のレーザー光を照射して単純性血管腫に含まれるヘモグロビンを破壊します。その結果赤血球を含んでいる拡張した血管が破壊されることで血管腫の色が薄くなります。
レーザー治療の最も優れている点は瘢痕(キズ)を残すことがほとんどないという点です。1回の治療であざが消えることもありますが、部位や色調によっては何回も繰り返し照射する必要があります。他の治療法としては血管腫を切り取って縫合したり皮膚移植をしたりする手術治療があります。あまり目立たぬとはいえ瘢痕を残しますのでまず最初にレーザー治療を行うのが良いと思います。
ところで、若年で治療する方が面積が小さく、皮膚が薄くてレーザーが深部まで到達しやすく、患者や家族の精神的負担を軽減することなど、治療を受けるならばできるだけ早い時期が良いと思います。お近くの形成外科あるいは皮膚科にご相談ください。