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将来構想・地域貢献

最終更新日:2016年12月16日

高度医療・先進医療への取組と将来構想(方向)

尿路性器悪性腫瘍の集学的治療

静岡県立総合病院は中部地区のがん拠点病院であり、当科においても入院患者の8割が悪性腫瘍患者です。従って、尿路性器悪性腫瘍に対する診断・治療が第一の課題と考えています。泌尿器科領域の悪性腫瘍では、腎細胞癌における免疫療法・分子標的薬療法、尿路上皮癌、精巣腫瘍における化学療法、前立腺癌におけるホルモン療法、放射線療法など、手術療法のほかに疾患に応じた有効な治療法があり、各疾患・各病期に応じて種々の治療を組み合わせた集学的治療が必要になっています。当科では、有効な治療法を駆使した診療を行い、治療成績の向上に努めています。 また、最近の傾向として、前立腺癌の増加が著しく、前立腺癌の早期発見・診断・治療について、最新の進歩を常に提供できるよう努めております。
その一環として、平成19年3月より、静岡県では初めてとなる限局性前立腺癌に対する小線源照射療法(ブラキセラピー)を開始し、施行しております。

尿路結石の治療

尿路結石の治療は、体外衝撃波砕石術(ESWL)が中心になっています。当院でも平成3年度から結石砕石装置(Lithoster Plus)を導入し、年間約200件のESWLを施行していますが、平成26年度より新機種を導入し、更に砕石効果は良好となっています。しかし、ESWL単独では治癒に至らない症例があり、内視鏡手術(PNL:経皮的腎結石砕石術、TUL:経尿道的尿管結石砕石術)を駆使して尿路結石の治療にあたっています。

腎移植

東海北陸ネットワークに属し、腎臓内科と協力して腎移植を推進しています。平成27年度は9例の腎移植を行いました。また、静岡県中部の摘出斑に参加して活動しています。
平成27年度の当院の腎移植は9例(生体腎移植8例、献腎移植1例)でした。

体腔鏡下手術

泌尿器科領域においても、開放手術にかわって、より侵襲の少ない体腔鏡下手術が行われるようになっています。当科でも副腎の良性腫瘍に対して腹腔鏡下摘出術を導入し、良好な成績をおさめていましたが、平成17年からは比較的小さな腎癌、腎盂癌、尿管癌に対しても体腔鏡下手術を行なうことを原則にしています。今後も積極的に行なっていく方針であります。

地域医療への貢献実績・地域医師への希望

当院は静岡県中部地区におけるがん拠点病院であり、がん拠点病院における泌尿器科としてその役割を担っていきたいと考えています。泌尿器科で扱う悪性腫瘍の中では、腎細胞癌と前立腺癌が増加しています。腎細胞癌は、CTや超音波断層法で偶然発見される比較的早期の癌が増加し、手術療法で良好な予後が期待できます。手術も開腹術からより侵襲の少ない内視鏡下手術が行われるようになってきています。当科でも適応のある症例は原則として内視鏡下手術を行う方針で平成17年から導入を開始しています。前立腺癌は、前立腺特異抗原(PSA:Prostatic Specific Antigen)が有用な腫瘍マーカーとして実用化され、前立腺癌検診が広く行われるようになりました。
検診の普及により早期の前立腺癌が増加していますが、前立腺癌の治療法を選択する際には、患者様の年齢、全身状態、PSAの値、腫瘍の悪性度、臨床病期のほか、治療法の侵襲度、生活の質(QOL)に及ぼす影響、患者様の希望など多くの要素を考える必要があります。

限局性前立腺癌の根治療法は手術療法(前立腺全摘術)と放射線療法です。当院では手術療法のほかに、放射線療法として、放射線専門医のもとで前立腺へのリニアックによる外照射を行ってきました。外照射は外来通院でできますが、治療期間6~7週間と長いなどの欠点がありました。そこで、平成19年3月からは、県内では初めて、限局性前立腺癌に対する小線源照射療法(ブラキセラピー)を導入しました。限局性前立腺癌の中でも比較的おとなしく、小さな癌に対する治療で、対象になる方は限定されますが、腰椎麻酔ででき、入院期間も3泊4日と短いため、体に対する侵襲の少ない治療法といえます。平成21年6月までに50例に施行し、良好な結果が得られております。ブラキセラピーをご希望の方は泌尿器科を受診していただいた後、月曜日の午後に行っています前立腺癌専門外来で説明させていただくことになります。泌尿器科受診時にブラキセラピーを希望され受診された旨をお知らせください。

また泌尿器科外来では、前立腺癌などの患者さんの増加に伴い、外来で診させていただく患者数が増加し、待ち時間が長くなるなど大変ご迷惑をかける事態が起こっています。そこで、かかりつけ医の先生方と協同して患者さんを診させていただく病診連携システムの充実が重要であると考えております。その一環として平成18年11月より前立腺癌病診連携システムを立ち上げました。

前立腺癌の患者さんは比較的高齢者が多く、高血圧や高脂血症、糖尿病などでかかりつけ医を定期的に受診されている方が多くおられます。一方、前立腺癌の治療が終了して定期検査を受けられる場合は定期的なPSA検査で充分になります。また、ホルモン療法で病状が安定している場合は、定期的なPSA検査と3ヶ月おきの皮下注射や内服治療で経過を見ることになります。PSA検査も皮下注射もかかりつけ医の先生方にお願いしても問題なくできる検査や治療なので、3ヶ月おきのPSA検査や皮下注射、内服薬の処方はかかりつけ医の先生にお願いし、当院には1年に1回受診していただき、骨シンチグラフィー、CTスキャンで病状を再評価させていただきます。PSA検査で異常を認める場合には1年といわず、紹介受診をお願いしています。以上が前立腺癌病診連携システムの概要です。これによりかかりつけ医の先生方に前立腺癌の病状を把握していただくとともに、患者さんの当院受診の負担を軽減できると考えています。平成21年6月で約70名のかかりつけ医の先生方がこのシステムに賛同いただき、登録医として登録いただいておりますが、さらに多くの先生方のご協力をお願いしたいと願っています。

今後も前立腺癌の専門施設として、常に最新の情報と治療法を提供するとともに、地域の病院、診療所の先生方と協同して地域医療を充実させることが当科の責務であると考え、より皆様の要望に対応できる体制を整えていきたいと考えています。

また、高齢化社会の中で泌尿器科の果たす役割はますます大きくなると考えています。特に、高齢者の排尿処理が大きな問題になっていますが、排尿を扱う専門医として、前立腺肥大症をはじめとする下部尿路通過障害や尿失禁など高齢者に特有な排尿の問題に取り組んでいきたいと考えています。