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ホーム > 診療科案内 > 泌尿器科 > 前立腺肥大症について

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最終更新日:2010年6月21日

前立腺肥大症について

泌尿器科医長 西尾 恭規

前立腺肥大症という言葉を最近よく耳にされると思います。中年以上の男性で尿が出にくくなると真っ先に思いうかべる病気です。

前立腺は精液の成分を分泌する器官で、精巣から分泌される男性ホルモンにより調節されています。年齢がすすむにつれて精巣機能が低下し、分泌液を作る前立腺全体の腺組識は萎縮し始めますが、逆に尿道の周りにある分泌腺(尿道周囲腺)は増殖し、肥大症を引き起こす前立腺結節になります。この結節は四十歳台後半より徐々に増大し、八十歳台では約90%にみられます。このように前立腺肥大症は男性の老化現象の一つであるといえます。

前立腺は膀胱の出口に尿道を取り巻いて位置しているため、前立腺肥大症になると尿道を圧迫して尿が出にくくなります。

前立腺肥大症は排尿障害の程度により次の三つの病期に分けられます。

  • 第1病期(刺激期)=肥大した前立腺により尿道が刺激され、尿道や会陰部の不快感、圧迫感がみられます。軽度の排尿困難と尿意頻数が出現し、特に夜間の頻尿が起こります。しかし、この時期では、尿は完全に排出でき残尿はみられません。
  • 第2病期(残尿発生期)=膀胱内の尿を完全には排出できない状態になります。排尿しても膀胱に尿が残り、そのため、膀胱炎や、尿道炎などの感染が起こりやすくなります。この時期では、お酒の飲み過ぎや長い間座っていることで尿が全く出なくなる尿閉の状態になることがあります。
  • 第3病期(慢性尿閉)=さらに前立腺肥大症が進むと尿が溢れるように漏れるといった状態がみられ、腎機能も低下してきます。

排尿障害を引き起こす病気には前立腺肥大症の他に、前立腺癌、膀胱機能の低下、尿道狭窄などいくつかの病気があり、鑑別する必要があります。特に、最近増加している前立腺癌との鑑別が最も重要になります。排尿の症状で区別することは困難ですが、前立腺を触診すると、癌では石のように硬いしこりを触れます。また、前立腺特異抗原という前立腺癌細胞でつくられ、血中にでてくる物質を調べることにより、最近では、前立腺癌の診断が比較的容易になってきています。

前立腺肥大症の治療は、前立腺の大きさや症状、年齢に応じて決められます。

病期でみますと、残尿もない第1病期(刺激期)では、薬物療法がまず行われます。しかし」第2病期以上で、薬物療法で効果のみられない場合や尿閉を繰り返し腎機能が低下する場合には手術の適応になります。

手術には尿道から内視鏡を入れて前立腺結節を切除する手術(経尿道的前立腺切除術)と開腹により前立腺に到達し前立腺結節を摘出する開腹手術(前立腺皮膜下摘除術)とがあります。また、最近では温熱療法やレーザーを使った内視鏡手術も行われるようになってきています。

前立腺肥大症では、自覚のないままに徐々に起こることや、「年をとると排尿はこんなものだ」という一種のあきらめのために不自由な生活をしている方をみかけます。しかし、高齢者になるほど快適な排尿、排便を保つことが生活上の大きな要素になります。排尿のことでお困りの方は早めに泌尿器科を受診することをお勧めします。

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