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最終更新日:2010年6月21日

妊娠とくすり

産婦人科医長 籠田 文夫

妊娠と薬に関するご相談を外来で時々受けます。妊娠と気づかずに薬を飲んでしまったが、大丈夫でしょうかというものです。

かつて、サリドマイドという薬を妊娠初期に服用した女性から、上肢が欠如した赤ちゃんが生まれるということがありました。

妊娠の初期には、受精卵がどんどん細胞分裂していき、体の色々な部分が出来上がってきます。この時期を器官形成期と呼んでいます。薬によっては器官形成期の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があり、サリドマイドはその典型であったわけです。

しかし、世の中に出回っている薬がみんな赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼすわけではありません。

妊娠と気づかず服用してしまう薬の代表的なものは、風邪に関するものです。(総合感冒剤、解熱鎮痛剤、抗生物質など)

妊娠と気づく前ということは、最終月経より4週間以内、遅くとも6週間以内と考えてよいでしょう。あのサリドマイドでさえ最終月経開始より33日以内の服用では胎児への影響はありませんでした。その経験からいえば、妊娠のごく初期の服用であればまず大丈夫と考えて良さそうです。

しかも風邪薬は、その多くは昔からあるもので、妊娠と気づかず服用してしまった人もかなりの数にのぼるはずです。風邪薬を飲んだ人から生まれた赤ちゃんに異常が多いという話も聞きません。

でも、薬自体赤ちゃんの発育にとって有益となることはないでしょうから、妊娠する可能性のある方は、月経の遅れには敏感になって下さい。

ただし、色々な事情で妊娠中も薬を続けなければいけない人もいます。その場合は勝手に薬を止めることは、かえって危険となることもあります。また、妊娠中に治療のため薬が必要となることもあります。(特に歯科関係)

治療の必要性に応じて最低限の薬は必要となりますので、ご相談下さい。

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