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ホーム > 診療科案内 > 歯科口腔外科 > 診察Q&A

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最終更新日:2012年4月24日

診察Q&A

静岡新聞の診療室に掲載されたもので、本院の医師が回答したものです。

 問1 口大きく開けるたび音がする

あくびをした時、あごの左部分が「カクッ」と音がし、口を閉じたら戻りました。それ以来、口を大きく開けるたびに音がするようになりました。固いものや弾力のあるものをかむと口が開きにくくなり、無理に開けると「カクッ」と音がして元に戻ります。最近は右側も同様です。

答 関節円板が前方にずれている……

ご質問の症状は、顎(がく)関節症でその中でも・型に分類されているものに当ると考えられます。口を開けるたびにあごが「カクカク」いうとき、この顎関節雑音はクリック音と呼ばれ、このような症状は、顎関節関節円盤が前方にずれていることが原因で起こります。

口を開けていくと、ずれていた関節円盤が本来の正常な位置関係に戻るときに「カクッ」というクリック音がし、その後は正常に開口します。次に口を閉じていくと最後にまた関節円盤が前方に落ち込み、開閉口のたびにこれを繰り返すというわけです。

固いものや弾力のある物は、強くしかも長くかむ必要があるため、関節円盤のずれがあると顎関節にかかる荷重が過剰になって顎関節の滑(かつ)膜炎を起こしやすくなり、顎の関節の痛みを伴うこともあります。固い物をかんだときに常に痛みがある場合は、スプリントといった装置を装着する治療が必要です。関節の雑音だけで痛みがなく、食事や日常会話に特に支障がなければ、治療の必要はありません。

ご質問の症状のある人の約1割の人が、口が十分に開かなくなることがありますが、このような場合は歯科医院や病院の歯科口腔(くう)外科を受診して下さい。

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 問2 顎が痛み口を大きくあけられない

26歳の娘は1年ぐらい前から顎(あご)が痛み、最近では、かみ具合によって頭まで痛くなるようで、口を大きく開けられないようです。原因は何ですか。また何科でどのような治療をすれば良いでしょうか。

答 顎関節症か、歯科口腔外科へ……

お手紙の内容を総合して考えますと、顎関節症(がくかんせつしょう)の可能性が最も高いと思われます。個々の症状に照らし合わせて説明しますと、1年ぐらい前から顎の関節(顎関節)部分に痛みがあり、特に顎の痛みの強い側では、固いものを食べると顎関節部分が痛み、さらに頭の方まで痛みが走ることもあります。このような痛みのために大きな口が開けられないということになります。以前から口を開けるときに顎関節に「コッキン」というクリック音が認められ、そのときは痛みはあるものの、大きな口は開けることができていたけれども、そのうちに大きな口を開けることができなくなってしまったということであれば、まず顎関節症と考えて間違えありません。

歯ぎしり、くいしばりの習癖はないでしょうか。下顎の周辺に咀嚼筋(そしゃくきん)という顎を動かす筋肉があり、この筋肉に痛みがあると「顎が痛い」と認識されることがあります。歯ぎしりなどに起因する咀嚼筋および頭蓋周辺筋の過緊張が、顎関節症や筋緊張型頭痛の原因のひとつになります。筋緊張型頭痛が主な症状であれば神経内科でも診てもらえますが、本症状の場合まず歯科口腔外科で診察を受けて下さい。治療法は、薄いプラスチックのような素材のマウスピースを就寝時に装着するスプリント療法が一般的です。

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 問3 歯茎、舌に炎症起こし苦しむ

78歳の女性。歯茎と舌が炎症を起こし痛みに苦しんでいます。病院で検査をしましたが、原因は不明です。昨年夏に奥歯が5本折れ、今年春には前歯が3本折れました。

答 主治医から納得のいくまで説明を……

歯茎や舌の痛みの原因には、大きく分けて炎症、腫瘍(しゅよう)、心因性のものが挙げられます。この患者さんの場合は、炎症か心因性のものが疑われます。まず炎症の原因となっている痛んだ歯の処置や義歯の調整をする必要があります。それでもよくならないときは、心身医学的な治療が必要になります。

この患者さんのように、口の中だけではなく、全身の検査をしても特に異常が認められない原因不明の舌の痛みがある場合を舌痛症といいます。40歳以上の女性に多く、よく見られる症状としては舌の側面や尖(せん)端部に、ヒリヒリまたはピリピリした感じの痛みが生じます。痛みの誘引は、歯牙のとがった部分や義歯による刺激、病中病後の体力の低下、疲労などのほかに、心因性のものとして、納得のできない歯科治療、仕事の人間関係のストレスなどです。女性では、閉経期にみられる更年期障害による精神的な不安定によるものが多いとされています。

一般的な治療法は、舌への刺激の除去、カウンセリング、薬物療法です。薬物の種類は、抗精神薬、自律神経調整剤、漢方製剤などがよく使われます。いずれにしても、歯科口腔(こうくう)外科、心療内科、総合診療科などの主治医の先生によく相談し、痛みの原因が何であるかを納得いくまで説明を受け療養する必要があります。

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 問4 舌の先が痛くてたまらない

64歳の主婦。10年ほど前から舌の先が痛くなり、最近になって冷たい物、熱い物を食べるとしみて、歯磨きも痛くてたまりません。たばこを吸うからでしょうか。どんな病院に行ったらいいでしょうか。

答 腫瘍が否定できず……

舌の痛みに関してですが、痛みの原因となるものは、炎症性、潰瘍(かいよう)性、心因性に分類されます。お手紙の内容からだけでは、舌の腫瘍(しゅよう)を否定できません。診察を受けて、まず舌腫瘍でないことが診断される必要があります。

次に舌に炎症があれば、その原因になっているものを除去しなければなりません。舌に異常が認められず、全身の検査をしても異常が認められないような原因不明の舌の痛みがある場合を舌痛症と言います。舌痛症は更年期以降の女性に多く、舌の尖端部や先端に近い舌の側面にピリピリした痛みを訴えるのが特徴です。ご相談の方の場合、舌痛症の症状に近いと考えられます。

「歯の生えぎわが上下ともに痛い」のは、舌痛症とは特に関連がなく、歯周病や知覚過敏症が疑われます。また、舌、歯や歯茎に異常がないにもかかわらず、口の中全体にわたってあちこち痛いような場合、心因性のものが多く口腔心身症と呼んでいます。本性例の場合、まず歯科口腔外科に受診してください。症状によっては心療内科などでの治療が必要なこともあります。舌痛症や口腔心身症の一般的な治療は薬物治療ですが、主治医とよく相談なさって、患者さんが納得したうえで治療にあたることが大切です。

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 問5 口臭の原因が分からない

36歳の主婦。口臭に悩んでいます。特にくしゃみをすると歯磨き後でも、すごくにおいます。歯科で歯石を取り、虫歯も治しましたが、治療したばかりなので様子を見るようにと言われました。受診するなら、どの科に相談したらよいのでしょうか。

答 歯周病治療後、頭頸部・耳鼻いんこう科受診を……

2年ほど前から口臭に悩んでおられて、1ヶ月ほど前に歯科で歯石除去や虫歯の治療をされているようですが、歯科での治療後では以前と比べて口臭は少しは良くなったかどうかについては、いかがでしょうか。う蝕(虫歯)や歯周病、舌苔(ぜったい)などは口腔(こうくう)内環境を悪化させ、口臭病の原因になります。舌苔は舌の上についた食べかすの集まりで舌が白く見えます。この舌苔を手で取ってにおうと腐敗臭がします。歯周病の治療としては、ただ単に歯石を取るだけでは不十分で、処置をした上に定期的検査と最終的には効果的に歯垢を落とせる歯磨きが自分で毎日できることが必要です。

口臭を主訴とする患者さんの多くは、「自分の口臭のために他人に嫌がられている」といった自己臭恐怖症ともいえる傾向にありますので、口臭について、家族の人や歯科の主治医の先生にもう一度確認してみてください。

口腔内以外の口臭症の原因としては、呼吸器系疾患や消化器系疾患もあります。ご相談の方の場合、くしゃみをした時には歯磨き後でも臭いにおいがするとのことですので、最も考えられる原因は蓄膿(ちくのう)症です。貯留した膿が鼻腔を通じて咽頭に流れ、くしゃみの時に口腔から外に飛び散るためににおうことになります。歯周病の治療をしっかりした上で、もし受診するなら頭頸部・耳鼻いんこう科が適当と考えられます。

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 問6 頬粘膜上皮癌手術後も口内に痛み

63歳の主婦。頬粘膜上皮癌(がん)が再発し切除しましたが、口内に炎症があり、月一度通院しています。痛みもあります。悪性ではないそうです。

答 切除部位の周囲に炎症に似た変化も……

頬粘膜上皮癌という病名は、あいまいです。頬粘膜癌あるいは頬粘膜上皮内癌というのが正しいです。頬粘膜癌の病理組織診断名は扁平上皮癌で、頬粘膜を構成している扁平上皮から発生した癌という意味です。頬粘膜上皮内癌というのは、頬部の粘膜下組織や筋層にまでは及んでいなくて粘膜上皮内癌にのみ異形成がみられる場合に、そのように言います。

癌と言えば悪性腫瘍(しゅよう)を指しますが、上皮内癌のなかには、明らかに悪性とはいえないものもあります。主治医の先生が悪性ではないとおっしゃっているのは、そのような意味ではないかと思われます。また逆に正常粘膜とみられる組織のなかにも異形成をもったものもあります。再発後口内に炎症があるとのことですが、切除した部位に一致していますでしょうか。切除部位の周囲に炎症に似た変化が起きていることも考えられます。

上皮内癌は切除手術後再発しやすいために、月に一度通院されているわけですが、口腔内の「炎症」や「痛み」の原因がわからないようでしたら、他の病院でセカンドオピニオンを求めるのもひとつの方法です。この場合、これまでの治療の詳しい経過を必要としますので、主治医の先生に紹介状を書いてもらってください。セカンドオピニオンを求めることは患者さんの権利ですが、主治医を交代するのではありません。

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 問7 扁平苔癬が治らない

60歳の女性。昨年秋ごろから口内炎ができ、食べ物がしみるようになり口腔外科で検査、扁平苔癬(たいせん)と診断されました。内服薬などで3週間で良くなりましたが、薬をやめた途端、元の症状が出てしまいました。ビタミンAの処方もあるが副作用が出やすく、薬は不要といわれています。

答 精神的ストレスも病因に 症状落ち着いたら安心を……

口腔(こうくう)扁平苔癬は、口腔粘膜に慢性の角化異常を伴い多彩な像を呈する炎症性病変です。通院されている口腔外科の処方は、扁平苔癬に対する今日の治療として的確で、3週間で症状がなくなっていることから、効果が実証されています。「ビタミンAの処方」とはエトレチナート製剤で、60%以上の有効率を示すとされています。副作用は、頻度の高い順に、口唇炎、落屑(らくせつ)といって、皮膚がむけることなどです。落屑は強い副作用で、治療途中で服用を中止せざるを得ない場合もあります。病変の範囲が小さい場合は、切除も試みられています。

扁平苔癬の原因として定説はなく、従って完全治癒を期す治療法は見いだされていません。精神的ストレスも病因の1つと考えられています。現在「薬は不要といわれている」ことから、局所所見はある程度改善されているのではないでしょうか。病変の広がりがなく、症状が落ち着いてきたら安心なさってよいでしょう。自ら精神的ストレスをかけることは、かえって症状を悪化させる誘因になります。