緩和医療科

緩和ケアについて

WHO(世界保健機構)は2020年に緩和ケアを次のように定義しました。
【緩和ケアとは生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである】

当科では主としてがんの診療を受けておられる患者さんが抱えておられる苦痛な症状を和らげることを中心に、診断直後から終末期に至るまで、病気の時期を問わず診させていただいています。患者さんによっては、緩和ケアと聞くと終末期を思い浮かべられる方もまだ多くいらっしゃいますが、現在ではがん治療当初から緩和ケアを取り入れた治療を行うという考え方になっており、がん治療が円滑に進むためのサポートも大切な仕事と考えて取り組ませていただいております。

診療体制

緩和ケアチームとして主治医の診療に伴走する形で、主治医や病棟のスタッフと連携しながら症状を和らげるべく、お話を聞かせていただいたりお薬の調整を提案したりしています。緩和ケアチームについてはこちらを参照ください。現在は主として入院患者さんの症状緩和を中心に診療していますが、今後は外来の体制も充実を図りたいと考えています。

なお、当院には緩和ケア病棟はありません。当科では基本的に緩和ケアチームとして入院患者さんの症状緩和に努めており、現時点では当科が入院患者の主治医を担当するという体制はとっておりません。
他院から症状緩和を目的にご紹介いただく折には、原疾患の当該科にご紹介いただいたうえで、緩和ケアチームとして症状緩和に参加する体制としております。患者さんからのお問い合わせは、がん相談支援センターでお受けしております。

受診方法

当院通院中、入院中の患者さんにつきましては、主治医/担当医や担当看護師にご相談ください。主治医や病棟スタッフと連携して診療を進める必要上、このような体制としておりますのでご了承ください。
他院よりご紹介いただく場合、がん相談支援センターにご相談ください。当院には緩和ケア病棟はありませんので、終末期の緩和医療を目的とした転院のご紹介を当科で引き受けることはさせて頂いておりませんが、症状緩和のための専門的な治療(放射線治療など)を要する症状緩和治療を当院でご希望される場合には原疾患の当該科にご紹介いただければと思います。

スタッフ紹介

職名氏名専門領域
緩和ケアセンター長
緩和医療科部長
岸本 寛史緩和医療
がん相談支援センター長
主任医長
矢崎 敏之内科
心身医学
医長松田 昌範消化器内科全般