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お薬のはなし
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便秘薬の自己調節

最終更新日:2023年9月4日

げんき

健康的な生活を送るための3つの条件として「快食・快眠・快便」がよく挙げられます。
近年、不規則な食生活やバランスの偏った食事、運動不足やストレスなどの要因などにより、便秘を訴える患者さんの数は増えています。
そもそも便はどのように体内で排泄されていくのでしょうか?
【1】胃・結腸反射
胃に食べ物が入った刺激で大腸の蠕動運動が起こり、便が直腸へ送られます。

【2】排便反射
便が直腸へ送られると排便中枢へと伝わります。

【3】大脳へ伝達
排便の準備が始まる一方、排便中枢から大脳へ排便のシグナルが伝わります。

【4】大脳から伝達
排便の指令が出されます。いきむことで腹腔内圧が上昇し、肛門括約筋が緩んで排便されます。

トイレすっきり画像

【3】で便意を感じてから意識的に抑制すると、直腸に便が溜まったままの状態となります。これが長く続くと、身体がその状態に慣れてしまい、便意を感じなくなってしまいます。
排便を我慢すると便秘がひどくなってしまう可能性があります。便意は我慢せず、便意を感じたときにトイレに行くようにしましょう。
便秘症の治療においては、生活習慣の改善が基本となります。食生活や運動習慣を変えることで改善がない場合、原因に合わせて薬物療法などを行います。
便秘薬は「自己調節」という形で処方されることが多いお薬です。便の性状は、適度な軟らかさの形のある便が良いとされています。自分の便の性状に合わせて、飲む量を調節しましょう。
便秘薬服用後の反応までの時間は個人差が大きいです。以下の作用時間を参考に、自分はどれくらい時間で反応することが多いのか、知っておくと良いかもしれません。

はてな

・浣腸(グリセリン浣腸など)2-5分
・坐薬(新レシカルボン坐剤など)15-30分
・浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)数日
・刺激性下剤(センノシド、ピコスルファートなど)8-12時間
・上皮機能変容薬(ルビプロストン、リナクロチド)24時間以内
・胆汁酸トランスポーター阻害薬(エロビキシバット)24時間以内
近年新しい便秘薬が増えており、飲み方も多様化しています。
お薬で分からないことがある場合は薬剤室へ気軽にご相談ください。
【参考文献】
慢性便秘症ガイドライン2017、薬局2023vol74