病理検査室の仕事
手術や胃カメラなどで取られた臓器や組織は病理検査室に提出されます。そこでいくつかの処理を経て顕微鏡で観察、診断ができるようになります。
1.手術や内視鏡で採取された臓器
採取された組織は、すぐにホルマリンにつけます。この処理を固定といいます。細胞や臓器が腐ることを防ぎ、体の中にあった時の細胞の構造を保ちます。
2.切り出し
病理医と肉眼で病変の部位、大きさ、性状、広がりを確認し、診断に必要な部分を一定の大きさ・厚さに切り取ります。
3.包埋
切り出しした組織をパラフィン(ろう)に埋め込み、固めます。
4.薄切
包埋したものをミクロトームという特殊な機械で、約1000分の3ミリメートルの厚さに切ります。この薄く切った組織をスライドガラスに貼り付けます。
5.染色
そのままの状態では顕微鏡での観察が出来ないので、スライドガラスに貼り付けた組織に様々な色素を用いて色をつけます。通常はヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)という染色を行います。また、目的に応じて様々な染色法を用いて組織の各成分を染め分けます。(特殊染色)
6.標本完成
染色された組織標本を保存するために、封入剤(接着剤のようなもの)とカバーガラスで覆います。組織標本を病理医が顕微鏡で観察し、診断します。