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医療コラム

サルコペニアってなに?


執筆者:理学療法士 森野嘉麿
「最近、立ち上がるのが大変になった。」「入院してから一気に体力が落ちた気がする。」
こんな声を外来や病棟でよく耳にします。
年齢とともに筋肉が減り、筋力や体力が落ちてしまう状態を『サルコペニア』と呼びます。
放っておくと躓きや転倒のリスクが上がりますが、早めに気づき、対策を行うことで予防・改善ができる状態でもあります。
今回は急性期病院で働く理学療法士の立場から、サルコペニアについて紹介させていただきます。

サルコペニアとは

筋肉量が減る・筋力が弱くなる・歩きなどの動きが遅くなる、といった変化が重なった状態をいいます。
単なる「老化だから仕方がない。」というものではなく、転倒・骨折・入退院の繰り返し・要介護のリスクを高めるため、近年とても注目されている病態です。

サルコペニアの原因としては、加齢・運動不足・栄養不足・病気やケガ・持病、これらの要因が重なることで、少しずつ筋肉が痩せ、体力が落ちていきます。
近年では50歳代でもサルコペニアの恐れがあるとされています。

入院とサルコペニアの関係

急性期病院に入院される方は、サルコペニアが進みやすい状況になります。
  • ベッドで過ごす時間が長くなる
  • 点滴や検査のために安静が続く
  • 病気によるストレスで筋肉が分解されやすい
  • 病気による食欲低下や食事量の低下

高齢の方では、数日歩かないだけでも、筋力や歩く力が目に見えて落ちることも珍しくありません。
そのため当院では、
  • 早い時期からの離床
  • 歩行訓練
  • 病状に合わせた安全な運動量の調整
  • 管理栄養士による栄養サポート
などに取り組み、入院中のサルコペニアの予防に努めています。

こんなサインはありませんか?

次のような症状や変化はサルコペニアのサインかもしれません。2-3個以上当てはまる場合は要注意です。
  • 以前より疲れやすくなった
  • 歩く速度が遅くなった
  • 何もないところで躓きやすくなった
  • 立ち上がるのに苦労する
  • 半年前と比べて体重が明らかに減った
  • ペットボトルのふたが開けづらくなった
そのほかにも指輪っかテストなどで陽性であれば、サルコペニアの可能性があります。

サルコペニアの防止のためにした方がいい運動は?

サルコペニアを防ぐには、筋肉に軽い刺激を加え続けることが大切です。無理せず毎日続け、疲れすぎない範囲で行うことで、筋力とバランスの低下を予防できます。
ここではご自宅や病棟で取り組みやすい運動を一部ご紹介します。
※痛みが強い方や持病がある方は、必ず主治医やリハビリスタッフへご相談の上、行ってください。

①椅子からの立ち座り運動

  1. 椅子に浅めに座り、足を肩幅に開きます。
  2. ゆっくりと立ち上がります。
    (必要に応じて手すりや肘掛けを使っても構いません)
  3. ゆっくりと座ります。
→10回1セットとし、体調に合わせて1から3セットを目安に行ってください。

②かかと上げ・つま先上げ

  1. 背もたれのある椅子に腰かけます。
  2. 足を床につけたまま、つま先を上げ下げします。
  3. 次にかかとを上げ下げします。
→それぞれ10から20回ずつを目安に行ってください。

③歩行

体調が安定している日には、5から10分程度の歩行を1日2から3回に分けて行いましょう。
屋外での歩行が難しい場合は、病棟内や自宅の廊下を往復するだけでも効果があります。
※ふらつきや転倒が心配な方は、必ずスタッフやご家族と一緒に行いましょう。

まとめ

サルコペニアは加齢だけでなく、運動不足や栄養不足・病気や入院などが重なって起こります。
早めに気づいて「動く」「食べる」を見直すことで予防・改善が可能です。
当院では、医師・看護師・栄養士やリハビリスタッフなどが協力しながら、患者さん一人ひとりの筋力や体力の維持・回復をサポートしています。
「最近体力が落ちてきた気がする。」「入院後の生活が心配。」
このような不安がありましたら、どうぞ遠慮なくスタッフにご相談ください。
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