生活習慣病と健康長寿
執筆者:菅原照
(静岡県立総合病院顧問・静岡社会健康医学大学院大学教授)
(静岡県立総合病院顧問・静岡社会健康医学大学院大学教授)
明るく、楽しく、元気で、美しく!健康長寿を楽しみましょう

静岡県立総合病院は県の基幹病院として先進医療を推進し、また最近では公式キャラクターの「県総けんぞう」君を作成して県民に親しみやすい病院としての活動を展開しています。
私は1989年から4年までこの病院に勤務し、一旦地元の京都に戻り、令和20年にまた静岡に戻って参りました。現在は病院の顧問(患者サポートセンター長、臨床研究倫理委員会委員長、広報委員長など)として、また令和21年に病院に隣接開学された「静岡社会健康医学大学院大学」で、健康長寿をいかに推進していくかを社会人の学生さんと一緒に勉強・研究しています。元々、若い頃は循環器内科で救急などの臨床活動を、京大大学院ではその頃世界で発見された「心房性ナトリウム利尿ペプチド」という、心臓から分泌される降圧(血圧を下げる)利尿(尿を出す)ホルモンで、のちに現在心不全の治療薬として頻用される薬剤となったペプチド(ハンプ®)の初期からの臨床応用の研究に携わり、内分泌代謝・糖尿病の臨床、さらには腎臓内科で広く生活習慣病の診療に携わってきました。
私は1989年から4年までこの病院に勤務し、一旦地元の京都に戻り、令和20年にまた静岡に戻って参りました。現在は病院の顧問(患者サポートセンター長、臨床研究倫理委員会委員長、広報委員長など)として、また令和21年に病院に隣接開学された「静岡社会健康医学大学院大学」で、健康長寿をいかに推進していくかを社会人の学生さんと一緒に勉強・研究しています。元々、若い頃は循環器内科で救急などの臨床活動を、京大大学院ではその頃世界で発見された「心房性ナトリウム利尿ペプチド」という、心臓から分泌される降圧(血圧を下げる)利尿(尿を出す)ホルモンで、のちに現在心不全の治療薬として頻用される薬剤となったペプチド(ハンプ®)の初期からの臨床応用の研究に携わり、内分泌代謝・糖尿病の臨床、さらには腎臓内科で広く生活習慣病の診療に携わってきました。
健康寿命を延ばす鍵 ― 生活習慣病を知ることから始めよう
近年、静岡県の「健康寿命」が男女ともに全国1位になっています。「健康寿命」とは「心身共に自立し、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。静岡県民が健康長寿の理由はいろいろあるのですが、今後も「明るく、楽しく、元気で、美しく」(私のモットー)、更に「健康で長生き」するにはどうしたいいのでしょうか。日本人の多くはがんや心臓・脳血管疾患、呼吸器疾患などで死亡します。その中には「生活習慣病」に関連した病気が多くあります。「生活習慣病」とはかつては「成人病」と言われ、高齢者に多い病気を早期に見つけて治療することを目指しました。それよりも更に「予防」が重要とのことで、これらの病気は生活習慣に根ざしたものが多く、20世紀末に「生活習慣病」と言われるようになりました。「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に大きく関与する疾患群」です。
その元になる「動脈硬化」を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症・肥満などがあり、これらの危険因子はそれぞれの危険因子が重なれば個々の程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中のリスクが高まることがわかっており、「メタボリック症候群」と呼ばれています。腹囲、高血圧、糖尿病、脂質異常症がその診断基準にあり、特に「内臓脂肪」が高血圧や糖尿病、脂質異常症などを引き起こしやすく、最近は診断基準の腹囲が、男性、85㎝から83㎝、女性、90㎝から77㎝と厳しくなってきています。
生活習慣病急増の背景にある「進化の歴史」
生活習慣病が近年急に増えたのはどうしてでしょう。進化の過程で、人類の祖先が500万年前に、現代人の祖先は15万年から20万年前に出現し、その後食料が農業・牧畜などで少し安定供給されるようになったのが約1万年前で、その間、「人類は飢餓との戦い!」で、現代人は飢餓に強い体質のヒトが生き残ってきたので、体に脂肪として栄養を蓄えやすい体質になり、近年急に食物が豊かになったことで、「生活習慣病」が増えたのだと言われています。
毎日の積み重ねが健康をつくる ― 「一無、二少、三多」のすすめ
古今東西、多くの「戒め」があり、近年、かつては「贅沢病」ともいわれた生活習慣病が先進国で蔓延したことで、日常生活の中の生活習慣に注目し、「科学的な裏付けのある」健康標語が登場するようになりました。

「一無、二少、三多」の六つの健康習慣。
一無:喫煙をしない。
少食:腹八分。バランスを心がけている。
少酒:飲める人でも飲酒は少なめにする(近年は、酒は飲まないに越したことはない)。
多動:身体を活発に動かす。
多休:休息・休養・睡眠を多くとる。
多接:多くのひと、事、物に接し、創造的な生活を心がける。
特に、健康のもつ社会性に着目した「多接」は、健康長寿に欠かせない認知症・フレイルの予防、現代社会では誰もが陥りやすい「孤立・孤独」を避けるための生き方をも提言しています。最近、酒は飲まないに越したことはないとされ「一無、二少、三多」から「二無、一少、三多」が推奨されるようになりました。私達もそのような科学的エビデンスを社会に実装するために研究を進めています。まだまだ知られていないこともあるので、皆さんと一緒に考えて「健康長寿」を楽しみましょう。
一無:喫煙をしない。
少食:腹八分。バランスを心がけている。
少酒:飲める人でも飲酒は少なめにする(近年は、酒は飲まないに越したことはない)。
多動:身体を活発に動かす。
多休:休息・休養・睡眠を多くとる。
多接:多くのひと、事、物に接し、創造的な生活を心がける。
特に、健康のもつ社会性に着目した「多接」は、健康長寿に欠かせない認知症・フレイルの予防、現代社会では誰もが陥りやすい「孤立・孤独」を避けるための生き方をも提言しています。最近、酒は飲まないに越したことはないとされ「一無、二少、三多」から「二無、一少、三多」が推奨されるようになりました。私達もそのような科学的エビデンスを社会に実装するために研究を進めています。まだまだ知られていないこともあるので、皆さんと一緒に考えて「健康長寿」を楽しみましょう。