診療の特徴

内視鏡手術(腹腔鏡,胸腔鏡手術)

静岡県立こども病院 小児外科

内視鏡手術では、鼠径ヘルニア、胃食道逆流に対する噴門形成やヒルシュスプルング病、急性虫垂炎、脾摘などには、腹腔鏡手術がスタンダードな手術として定着しており、手技の向上とともにその適応がひろがり、比較的稀な疾患に対しても内視鏡下手術の適応として可能な限り患児に対する侵襲の少ない手術を心がけています。また鼠径ヘルニアでは、傷が残らない腹腔鏡下根治術(LPEC法)を導入し評判は良好です。また先天性胆道拡張症、食道閉鎖に対しても内視鏡手術が標準手術となっています。

気道狭窄などに対するさまざまな気道手術を行っています。この手術前後の管理にはPICUとの協力が必要です。また当科の特徴は小児の気道手術に日本でほとんど行われていない喉頭顕微鏡下手術をを取り入れており、総合的な治療が行えることです。他県からの紹介される患者さんも増えています。

新生児外科疾患で最も救命率の低い横隔膜ヘルニアに対しては、超音波検査による肺動脈径などによる重症度に応じて治療計画をたてPICUにて集中治療が行われます。一酸化窒素吸入療法や膜型人工肺治療がいつでも開始でき重症度の高い患児も救命されています。

悪性腫瘍や胆道拡張症、ヒルシュスプルング病などの手術は、全国的にみても非常に多くの手術が行われている。悪性腫瘍では、腫瘍カンファレンスにて、血液腫瘍科・臨床病理科・放射線科と連携し、個々の患児に対する最もよい治療を検討しつつ手術にあたっています。

近年需要の増えてきた、重症心身障害児に対する噴門形成術や喉頭気管分離術は非常に多くの数を行っており、患児のQOL改善に寄与し、家族からも良い評判を得ている。

漏斗胸に対するNuss手術も症例数が順調に増加し、美容的に優れた手術として、当科での標準術式となっています。
腎移植は腎臓内科と協力し良好な成績をあげています。