グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



センター概要
ホーム  >  センター概要  > 院長挨拶

院長挨拶

村上直人

コロナ禍も3年、ようやく5月8日からは2類感染症から5類感染症になることはみなさんもよくご存じのことと思います。かねてより精神科病院は、感染症に弱い構造を持っていることは指摘されており、私達にとってこの3年間はいかに入院中の患者さまが感染することのないように配慮し、対策することに費やされました。患者さまやご家族様にも、面会制限や外泊の中止などなど、さまざまな不自由なお願いをしてきました。幸い皆様のご協力もあって当センターはクラスターを発生をみることなく、今に至っております。

さて、新型コロナウイルスが5類感染症に指定が変更されることで、感染者の全数把握がなくなり、濃厚接触者の扱いもなくなります。現在流行しているオミクロン株およびその派生型は、毒性はデルタ株以前のものと比べるとはるかに弱く、感染してから症状が出現するまでの期間は平均5日から2日に短縮しました。感染性は高いが、症状が軽症あるいは無症状(特にオミクロン対応ワクチンを接種された方は感染してもほとんど無症状で経過し、ご本人が気がつかないうちに他者に感染させてしまうケースが増えています)であり、そのため院内感染を防ぐことがより難しくなります。とはいうものの、病院といえども、これまでお願いしていたさまざな制限は精神科治療の面からも有害な面が大きく、5類感染症の移行に伴って当センターにおいても患者様やご家族にお願いしていた多くの制限を緩和・撤廃する方向といたします(詳細は当センターHPに掲載いたします)。今後当センターがとれる最低限度の感染対策として、引き続きみなさまには病院内での不織布マスクの着用をお願いしたいと思っております。マスクが苦手な方がいらっしゃることは存じ上げておりますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

今後の精神医学の進歩を考えるに、精神医学の進歩による知見の深まりや治療法の進歩だけでなく、私達の取り扱う対象疾患そのものが多種・多彩なものになりつつあります。また厚労省のいう「精神障害にも対応した地域包括ケア(”にも包括”)」という言葉にも現れているように、もはや精神疾患は偏見・スティグマゆえに退院できないという時代ではなくなりました。当センターも、多くの患者様が地域で生活できるような援助もしてまいりたいと思っております。



令和5年4月1日
院長 村上直人