唇や上顎が割れているため、母乳やミルクを吸い込む力が弱くなります。最初から上手に飲めるお子さんもいますが、ミルクを飲ませるのに時間がかかったり、量がたくさん飲めないために体重が増えないお子さんも少なくありません。
こども病院では、初めて来られた時に赤ちゃんのミルクの飲み方を見せていただき、時間がかかったり、うまく飲めない赤ちゃんには哺乳の指導をします。
唇から上顎まですべてが割れている唇顎口蓋裂のお子さんでも、テーピング(写真)などを用いた哺乳の指導と口蓋裂用の哺乳ビンを使うことにより、ほとんどの場合、栄養用のチューブなどを用いることなく自分の力で飲むことができるようになります。テーピングは哺乳がしやすくなるだけでなく、裂の変形を軽くし、唇裂の手術を行いやすくする役割も果たします。
こども病院では、初めて来られた時に赤ちゃんのミルクの飲み方を見せていただき、時間がかかったり、うまく飲めない赤ちゃんには哺乳の指導をします。
唇から上顎まですべてが割れている唇顎口蓋裂のお子さんでも、テーピング(写真)などを用いた哺乳の指導と口蓋裂用の哺乳ビンを使うことにより、ほとんどの場合、栄養用のチューブなどを用いることなく自分の力で飲むことができるようになります。テーピングは哺乳がしやすくなるだけでなく、裂の変形を軽くし、唇裂の手術を行いやすくする役割も果たします。
唇裂・口蓋裂は手術で治しますが、手術後の美容の問題には次のようなものがあります。
- 唇の傷や鼻の変形
- 顎裂(歯茎の裂)による歯並びの悪さ
- 口蓋裂の手術の影響による上顎の成長障害と下顎の過成長、それに伴う咬み合わせの悪さ(反対咬合=受け口)
- 3の問題から、横顔が三日月様に変形
1.唇の傷や鼻の変形
手術による傷跡が全くないように治療することはできませんが、現在では手術の方法や道具なども進歩し、傷が目立たないように唇や鼻の形を治すことができるようになっています。
2.顎裂(歯茎の裂)による歯並びの悪さ
3.口蓋裂の手術の影響による上顎の成長の悪さと咬み合わせの悪さ(反対咬合=受け口)
4.3の問題から、横顔が三日月様に変形
唇や鼻を支える顎の骨の形を整えることで、全体的なバランスが良くなります。そこで、当院では、乳歯列期から積極的に歯列矯正を行い、顎全体の成長を促しています。幼児期にはまだ横顔が余り三日月のように変形していませんが、こうした変形は思春期頃に著しくなります。したがって、早期から上顎牽引装置(下写真4,5)などを用いて上顎の成長を促すことによって、この三日月様の変形を最小限にすることができます。
いろいろな都合で早期の矯正治療が出来なかった場合など、思春期で顔貌形態の変形がある場合や咬合異常がある場合は、外科矯正(上顎骨骨切り術、下顎骨骨切り術、オトガイ骨切り術)による顔貌および咬合の治療を行っております。
顎裂が存在する場合は、顎裂部の骨移植を行っています(下写真1,2)。顎裂部に骨を移植することによって、歯茎の割れ目が目立たなくなり、そこに永久歯が生えてくるよう歯列矯正をします。こうすることによって、自分の歯が並び、裂部が目立たなくなります(下写真3)。また骨が欠けている部分に骨を移植するため、鼻の土台ができることになり、鼻の変形を治しやすくなります。
いろいろな都合で早期の矯正治療が出来なかった場合など、思春期で顔貌形態の変形がある場合や咬合異常がある場合は、外科矯正(上顎骨骨切り術、下顎骨骨切り術、オトガイ骨切り術)による顔貌および咬合の治療を行っております。
顎裂が存在する場合は、顎裂部の骨移植を行っています(下写真1,2)。顎裂部に骨を移植することによって、歯茎の割れ目が目立たなくなり、そこに永久歯が生えてくるよう歯列矯正をします。こうすることによって、自分の歯が並び、裂部が目立たなくなります(下写真3)。また骨が欠けている部分に骨を移植するため、鼻の土台ができることになり、鼻の変形を治しやすくなります。
[写真1]顎裂部 骨移植 術前
[写真2]顎裂部 骨移植 術後
[写真3]骨移植後の歯列矯正
[写真4]上顎牽引装置(上顎全体の成長を促し反対咬合を治療する)
[写真5]上顎拡大装置(歯並びのアーチを整える)
唇だけが割れている唇裂の場合では、通常ことばが問題になることはありません。
しかし、上顎が割れている口蓋裂や唇顎口蓋裂の場合には、口と鼻の境がないわけですから、そのままにしておくと、ことばがすべて鼻に抜けてしまいます。適切な時期に手術によって口蓋を閉じなければ、発音の障害が起きてきます。
こども病院では、手術後のことばの発達や発音の発達を観察し、必要に応じて発音訓練を行ったり、地域の訓練機関(ことばの通級教室など)をご紹介しています。
しかし、上顎が割れている口蓋裂や唇顎口蓋裂の場合には、口と鼻の境がないわけですから、そのままにしておくと、ことばがすべて鼻に抜けてしまいます。適切な時期に手術によって口蓋を閉じなければ、発音の障害が起きてきます。
こども病院では、手術後のことばの発達や発音の発達を観察し、必要に応じて発音訓練を行ったり、地域の訓練機関(ことばの通級教室など)をご紹介しています。
口蓋裂のあるお子さんでは、耳と鼻をつないでいる通路(耳管)の弁の働きが悪い場合が多く、滲出性中耳炎を起こしやすいといわれています。
慢性化すると、耳の聞こえが悪くなる場合もあります。
中耳炎は低年齢では繰り返しやすいのですが、小学校の高学年まで中耳炎が持続することはあまり多くありません。
慢性化すると、耳の聞こえが悪くなる場合もあります。
中耳炎は低年齢では繰り返しやすいのですが、小学校の高学年まで中耳炎が持続することはあまり多くありません。