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外来受診

専門外来【そけいヘルニア外来】


当科では2025年4月にそけいヘルニアの専門外来を立ち上げ、年間190症例以上のそけい部ヘルニア手術を行っています。総合病院として様々な基礎疾患のある患者さんに対しても、腹腔鏡下または鼠径部切開法を個々の状態に合わせて、安全に施行できるよう配慮しています。

足の付け根のふくらみ、放っていませんか?

そけい部ヘルニアとは

付け根の腫れ

足の付け根付近をそけい部(鼠径部)といます。
そけい部ヘルニアは、一般的に「脱腸(だっちょう)」とも呼ばれる病気で、お腹の中の腸などの臓器が、本来あるべき腹腔(ふくくう)というおなかの中から飛び出してしまう疾患です。
原因として、加齢(筋肉が弱くなるため)、先天性(腹膜鞘状突起の閉鎖不全)、男性(解剖、発生上の理由)、重いものを持つことが多い方(腹圧がかかる)などがあり、腹圧が過度にかかるスポーツ選手にもよく発症することが知られている、誰にでも起こりうる病気です。

そけい部ヘルニアの分類

1. 外そけいヘルニア

男性の場合には精管や精巣動静脈、女性の場合には子宮を支える靱帯が腹壁を貫通する部分にそけい管と呼ばれる腹壁の穴があります。通常は腹壁の筋肉によりその穴は閉じていますが、高齢者の外そけいヘルニアでは筋力の低下に伴いそけい管を通って腹腔内臓器(小腸など)が脱出します。若年者の外そけいヘルニアは、小児ヘルニアと同様に腹膜鞘状突起(胎生期に睾丸が腹腔内から陰嚢に移動する際に引き込まれた腹膜)の閉鎖不全が原因であることが大部分です。

2. 内そけいヘルニア

内そけい輪(そけい管の腹腔内開口部)の内側の腹壁の筋肉の脆弱部から腹腔内臓器(小腸など)が脱出します。高齢者に多くみられます。

3. 大腿ヘルニア

鼠経靱帯の背側にある大腿輪と呼ばれる血管の通り道を通って腹腔内臓器(小腸など)が突出します。中年以降の女性に多く見られ、血流障害を伴う絞扼性ヘルニアのリスクが高く注意が必要です。

4. 併存型ヘルニア

ヘルニアの分類

鼠径部ヘルニアの種類

上記2種類以上のヘルニアが合併した病態です。

そけい部ヘルニアの症状

1. そけい部の膨隆

脱出した腸管などを皮膚越しに触知します。

2. 下腹部不快感

膨隆がない状況でも不快感があることもあります。

3. そけい部や腹部の疼痛

腹腔内臓器が脱出した際に生じます。臥床しそけい部を圧迫することにより臓器内臓器を還納できれば改善します。

4. 絞扼性ヘルニア

嵌頓状態

脱出した臓器が元に戻らなくなり、脱出臓器の血流障害を伴う状態を指します。腸閉塞や腸管の血流障害による腸管壊死、腹膜炎を起こすことがあり、稀ですが重篤な状態です。そけい部の膨隆や疼痛、腹痛、嘔吐などを来します。臥床しそけい部を圧迫しても還納できない場合は、速やかに医療機関を受診してください。

治療法

還納が可能で、不快感や疼痛が我慢できるようなら経過観察も可能です。ただ、自然軽快することはなく、徐々に増大するため、仕事などの都合が良いときに手術を行うことをお勧めします。臥床し用手圧迫しても膨隆が戻らず、強い痛みのある際には絞扼性ヘルニアの可能性が高いため、速やかに受診をしてください。
当院では主に、腹腔鏡下そけいヘルニア根治術(TAPP)やそけい部切開法(リヒテンシュタイン法)でのメッシュを留置する再発率の低い手術を行っています。絞扼性ヘルニアにおける緊急手術においては、メッシュを用いない自家組織のみによる修復法(McVay法など)や、初めに絞扼解除術のみを施行し、二期的にメッシュを用いた根治手術を行います。

当院で施行している主なヘルニア根治術の術式

腹腔鏡下そけいヘルニア根治術(TAPP)

ヘルニア術式

手術適応 そけい部ヘルニア全例
選択基準 全身麻酔可能
両側そけいヘルニアには特に推奨
除外基準 前立腺全摘出後など下腹部の広範囲の癒着が予想される方
手術方法 通常、約16㎝×10㎝大のメッシュを腹腔内から腹壁の間に留置
麻酔方法 全身麻酔

そけい部切開法(リヒテンシュタイン法)

ヘルニア術式

手術適応 内外そけいヘルニア
選択基準 抗血小板薬の内服が中止できない方
全身麻酔が困難な方
除外基準 大腿ヘルニア
手術方法 約12㎝×8㎝大のメッシュを体表から腹壁内(外腹斜筋と内腹斜筋の間)に留置
麻酔方法 局所麻酔または脊髄くも膜下腔麻酔
希望があれば鎮静剤の併用も可能

治療日程

1. 術前
(通常外来受診1-2回)

外来にて、問診、診察、腹部超音波検査、血液検査、尿検査、胸部腹部レントゲン検査、心電図検査(場合によっては呼吸機能検査)を行い、そけい部ヘルニアの診断、手術に問題となるような併存症の検査を行います。

手術施行に際し特に問題がなく、ヘルニア手術を希望されるようでしたら、手術について説明させていただき、入院の手続きを行います。

2. 入院
(手術前日又は手術当日)

手術当日10時または手術前日午後に入院します。手術は午前または午後の枠があります。ご家族は来院されてもされなくても構いません。来院されない場合はお電話にて手術経過の説明を行います。

基本的に手術翌日に退院可能です。ある程度の創部痛がありますので、内服の鎮痛剤を処方いたします。

3. 術後

ランニング程度の運動は可能ですが、術後3週間は10㎏以上のものを持つなど腹圧のかかることは避けることをお勧めします。その他の制限はなく、入浴も退院日から可能です。術後1ヶ月目に外来を受診していただきます。特に問題がなければ、外来受診は1回で終了です。
術後5年間、定期的に再発の有無などの簡単な予後調査を郵送で行っております。当科からの予後調査票が届いた際には、記載の上、同封の返信用封筒での返送をお願いします。

そけい部ヘルニア手術説明動画

※外来にてお渡しする「鼠径部ヘルニア治療説明書」の内容を補足する説明動画です。

そけいヘルニア外来の治療方針

  1. エビデンスに基づく確実で合併症のない治療
  2. 患者さんの身体的、時間的負担の軽減
  3. 患者さんのニーズに基づく、満足度の高い診療

これらを実現するため、専門的かつ迅速な診察、適切な治療計画の提示、個々の状況に応じた手術方法の選択、治療経過のフィードバックを心がけております。患者さんに「県総で治療を受けて良かった。」と言っていただけることが私たちの喜びです。

そけいヘルニア外来は、月曜日午後(德田医師)、金曜日午後(瀧医師)に行っています。事前予約の上、来院されると待ち時間の短縮につながります。

お問い合わせ

静岡県立総合病院 (代表)

電話:054-247-6111
平日日中:消化器外科外来
休日・時間外:救急外来


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