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臨床研究部

最終更新日:2018年8月9日
臨床研究部は平成20年度に新設された研究部門です。当院に平成29年に5階建ての先端医学棟が新設され、1階が最先端の放射線治療棟、3-4階が最新のハイブリッド手術室3室を完備した22室の手術室とハイケアーユニット(HCU)を有する日本屈指の設備を誇っています。その5階部分にリサーチ・サポートセンターが完成し、そのフロアーの一画に臨床研究部できました。これで臨床研究がやっとできる体制が整備されつつあり県民皆様のためになる臨床研究を1日でも早くすすめて参りたいと思っています。スタッフも少しずつですが増えており研究成果が出る日も間近いと思っています。
しかしながら現実は、多くの命が救命できず日々失われている現実があります。現在、不治の病気で亡くなる患者さんを一人でも多く救命できるように臨床医学が抱える問題点を可能な限り早く解決するための臨床研究部門として設置されたと認識しております。

生物は全て生を受け生涯が始まり、死を持ってその生涯が終わりを告げます。ヒトも例外ではありません。愛の結晶として生まれた命が母の子宮の中で成長し9ヶ月あまりの妊娠期間を経てこの世に誕生し、人生が始まります。しかし、生命はヒトを含め全ての生物で命の時間は限られています。ヒトはその中では体のサイズの割には特別長く生きる生物の中に属します(一般的に大動物は心拍数が遅く長生きで、小動物は心拍数が速く短命です)。しかしながら何人も死を回避することはできません。そうはいっても、多くの方が病気にならず寿命を全うできればと天寿を願う気持ちはよくわかります。

これをかなえるためには日々の生活の中で命を縮めるような生活を自ら回避することを先ず一歩として学び生きることが天寿全うの近道に繋がると考えています。私たち日本人の寿命は2017年男女とも80歳を超えており、女性に至っては87.14歳(男性80.98歳)を超え最長寿国に属していますが高齢者の中に認知症、薬漬けの病人が増え大きな社会問題となっていることを忘れてはいけません。世界に誇ってきた国民皆保険制度も半ば崩壊し、バックアップ制度としての介護制度も質の低下を招きすべての医療に関係する制度の歯車が狂いだしているのが現況です。

私たちの命は4大死因と言われている1)悪性新生物(がん)、2)心臓病、3)肺炎、4)脳血管障害により、約7割の方が命を失っています。
これら4つの死因は突き詰めて考えると私たちの日々のライフスタイルに原因があると言っても過言ではありません。がん、心臓病、肺炎、脳血管障害の多くは生活習慣病が原因で発生していることが分かっています。もちろん遺伝素因も無関係ではありませんがその多くは悪い生活環境が病気を増やしている最大の原因です。

私たちの命を自分の手で守るために護身術をマスターすることこそ天寿を全うし人生を楽しむことができる唯一無二の道ではと考えています。それには食生活、運動習慣、良質な睡眠、ストレス緩和(リラクセーション)らを実行し肥満、暴食、暴飲、喫煙らを避けることにより病気予防するための護身術を自ら習得し、実行すれば明るい未来が待っていると思います。

そのためには自分で自分の健康を守るための護身術を日頃から習得・実行することに尽きると思います。IT化が進んでいる現代において自己の健康管理ツールもこれからどんどん開発され出てくると思いますので健康管理のためのITの活用法を勉強していただければ健康管理が楽になると考えます。

健康は他人任せでなく自らの責任で健康管理のための護身術をマスターしてください。毎日体重測定、排尿・便通チェック、血圧測定、脈拍測定、食後毎回歯磨き励行、起床時・就寝前うがい励行し肥満回避、昼間の眠気チェック、適度な運動(散歩30−60分/日)が達成できれば天寿全うも夢ではありません。また、健康な口腔内、腸内環境は健康維持に必要不可欠です。

これからの医学診断学にはベーズ理論(古くて新しい統計学理論)の応用が益々重要になると私は考えています。ベーズ理論に基づく診断学の完成により早期診断、未病発見が容易かつ高精度になる日を目指しています。病気になる前に手を打つことこそ天寿を全うする近道だと思っています。
静岡県は日本屈指のお茶の産地です。緑茶を健康に利用できないかと思い、現在無農薬緑茶パウダーを摂取することが健康改善に役立つのではと川根本町の協力を得て科学的に検証しています。これまでの予備研究では生活習慣病の多くの病態に有効に働く可能性を強く示唆するデータを得ており、今後は研究を本格化させ自己の健康管理に役立つことを立証していきたいと考えています。未病発見(早期に病気を発見すること)と自己健康管理法を習得し医者任せでない自己健康管理術を習得してください。病気にならないことこそ元気で長寿を全うすることにつながると信じています。
ベーズ理論の基本的概念を分割表と集合論を紐づけたシェーマを使いお示ししてこの短い紹介文を終わりにいたします。天寿全うに貢献できるよう頑張りたいと思っています。

ベーズ統計学基礎理論入門のための数学的基礎

分割表と集合に基づくBayes理論への紐付
A:病気陽性者
B:検査陽性者
A∩B = 病気陽性・検査陽性者 = a人
A-(A∩B) = 病気陽性者 -(病気陽性・検査陽性者)= b人
B-(A∩B) = 検査陽性者 -(病気陽性・検査陽性者)= c人
b = 病気陽性・検査陰性者
c = 検査陽性・病気陰性者
a+b+c = (病気陽性・検査陽性者)+(病気陽性・検査陰性者) +(検査陽性・病気陰性者)
d = U-[(A∩B)+(A-(A∩B))+( B-(A∩B))] = 患者全体-[(病気陽性・検査陽性者)+(病気陽性・検査陰性者)+(検査陽性・病気陰性者)]
U:患者全体集合
検査後確率 ∝ 陽性尤度比✕検査前確率
検査後オッズ=検査前オッズ✕陽性尤度比
検査後確率=検査後オッズ/(1+検査後オッズ)

0808

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検査前の病気の確率(有病率)がわかれば、例えばその病気の診断に有用と考えられている検査が陽性との情報が加われば病気の診断確率がベーズ更新により真実により近い答えが与えられます。この理論を繰り返し使うことでより正しい答えにたどり着くことが可能です。この理論的背景をシェーマと分割表で示しています。ベーズの理論は新しく情報が加われば新しい情報を繰り返し取り込むことによって病気の診断をより正しい方向に誘導してくれます。将来はAI(人工知能)がベーズ理論を使用しドクターAIとして患者様を正しく診断してくれる日もそう遠くないかもしれません。このAIドクターと私達ドクターズがスマホを使い精度の高い診断・治療をチーム医療として実践する日もそう遠くないように感じています。

リサーチサポートセンター 臨床研究部長 島田俊夫