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中国浙江省人民病院でのバスキュラーアクセス手術

最終更新日:2017年5月18日
腎臓内科 透析アクセスセンター 村上 雅章・山本 恵則
放射線技師室 望月 守、薬剤師 神戸 宏憲

医療支援について

バスキュラーアクセス手術01

術前の診察とカンファレンスの様子

2013年2月15日~2月22日に中国の浙江省人民病院において、バスキュラーアクセス作製手術とPTA(percutaneous transluminal angioplasty:アクセスに対する血管拡張術)を施行、指導する機会があったので報告します。

今回は上記の腎臓内科2名に加えて、薬剤部の研修予定の神戸宏憲、浙江省杭州市内各病院医療関係者の相互交流の中心となっている望月放射線技師長の4名で中国に渡航しました。

腎臓が悪くなると、透析治療をしなくてはなりません。血液透析を受けるためには、一度にたくさんの血液をとらないといけないので、バスキュラーアクセスが必要です。バスキュラーアクセスがないと、透析が出来ないので、バスキュラーアクセスは透析をされている方にとっては命綱となります。ただ、バスキュラーアクセスの大部分は自分の血管と血管を繋ぎ合わせて作製しますが、しっかり作製しないと、上手く血液が流れず、透析に使用できません。また、上手く流れたとしても血管が狭くなると、狭くなった部分を拡張する血管内治療のPTAが必要です。
今回はバスキュラーアクセス作製手術と、PTA、またバスキュラーアクセス全般についての講演を行って来ました。手術やPTAの前には術前の検査が非常に重要です。エコーやDSA(digital subtraction angiography)という造影検査によって血管の状態を把握し、人民病院の医師と議論しながら、術前に病態把握を行いました。

翌日、手術を実践、指導しました。浙江省人民病院の先生方は非常に熱心で手術の様子をビデオで録画し、また腎臓内科医以外の先生方も多数来られて見学されておりました。

浙江省人民病院はPTA治療をしたことがなく、最初は準備や治療を進めるのに苦労しましたが、3症例の治療を行いました。

バスキュラーアクセス手術02

手術の様子

バスキュラーアクセス手術03

PTA治療

右は、別の日の講演の様子です。バスキュラーアクセス治療全般について講義を行いました。写真のように腎臓内科以外の医師や多数のコメディカルの方も出席し、総勢150名ほどの方が熱心に聞いておられました。

今回、浙江省人民医院腎臓内科の招聘を受け、アクセス作製手術、PTAを行い、講演をする事により、中国での透析アクセス医療の推進に大きな貢献をする事が出来たと確信しております。また、海外での手術の執刀や講演は、術者や助手の若手の医師にとっても貴重な機会であり、今後はさらに世界的にも高い水準での医療を維持できるように研鑚を積んでまいりたいと思います。(文:村上医師)

バスキュラーアクセス手術04

講演会

バスキュラーアクセス手術05

浙江省人民病院黄院長による表彰