地域の先生方と共に歩む、母児医療の「最後の砦」と「未来への架け橋」
静岡県立こども病院の産科は、2007年の開設以来、地域の皆さまと共に歩んできました。2008年には「総合周産期母子医療センター」(以下、当センター)の指定を受け、現在は静岡県中部地区における周産期三次施設として、もっとも高度な医療を必要とする母児を受け入れる「最後の砦」の役割を担っています。
私たちの病院が全国から信頼を寄せられている大きな理由は、先天性心疾患や新生児外科疾患の分野において、国内屈指の治療実績を有している点にあります。
こうした背景から、当センターでは「母体の安全を最優先としつつ、できる限り良好な状態での出生とその後の発育を支えること」を揺るぎない基本理念として掲げ、日々の診療にあたっています。
こうした背景から、当センターでは「母体の安全を最優先としつつ、できる限り良好な状態での出生とその後の発育を支えること」を揺るぎない基本理念として掲げ、日々の診療にあたっています。
胎児期から始まる「切れ目のない」高度専門医療

産科受付、周産期センターフロア
当センターの最大の特徴は、こども病院の強みを活かした診療体制にあります。胎児期から新生児期、そして小児期へと続く一貫したサポート体制です。
NICU(新生児集中治療室)との緊密な連携はもちろん、出生直後から集中的な管理や外科的治療が必要な赤ちゃんに対しても、周産期科・新生児科・小児各診療科がチームを組み、母児双方を包括的に支援します。
NICU(新生児集中治療室)との緊密な連携はもちろん、出生直後から集中的な管理や外科的治療が必要な赤ちゃんに対しても、周産期科・新生児科・小児各診療科がチームを組み、母児双方を包括的に支援します。

特に、2018年9月に開設した「胎児心エコー外来」は、私たちのチーム医療を象徴するものです。ここでは小児循環器医や新生児科医が直接診療を担当し、お腹の中にいる時から出生後の治療計画を精緻に立て、情報を共有します。他施設からの紹介も広く受け入れており、ご家族が安心して出産に臨めるよう、心の準備も含めたサポートを行っています。
最新のニーズに応える「NIPT外来」と意思決定支援
医療技術の進歩に伴い、2025年11月からは「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)外来」を開設いたしました。

遺伝カウンセラーによる介入
私たちは、この検査を単なるスクリーニングとは考えていません。日本医学会認証の基幹施設として、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー、そして小児各科が高度に連携し、検査前後の「意思決定支援」を何よりも重視しています。
正確な情報提供はもちろんのこと、ご家族が抱える不安に寄り添う心理的サポートとフォローアップを行っております。どのような結果であっても、ご家族が前を向けるよう共に歩みます。
正確な情報提供はもちろんのこと、ご家族が抱える不安に寄り添う心理的サポートとフォローアップを行っております。どのような結果であっても、ご家族が前を向けるよう共に歩みます。
困難な症例に立ち向かう、独自の技術と専門性
私たちは、切迫早産や多胎妊娠、妊娠合併症(妊娠高血圧症候群やHELLP症候群)、前置胎盤など、あらゆるハイリスク妊娠に対応できる体制を整えています。
なかでも、流産の危険性が高い「頸管無力症に伴う胎胞膨隆症例」に対しては、当センター独自のスコアリングシステムを用いて感染の有無を慎重に評価しています。そのうえで積極的に「頸管縫縮術」を実施しており、良好な妊娠継続成績を収めています。
また、多胎妊娠については地域の登録制度を通じて発生状況を把握し、近隣の病院と密に連携しながら、地域全体でお母さんと赤ちゃんを見守る体制を構築しています。
なかでも、流産の危険性が高い「頸管無力症に伴う胎胞膨隆症例」に対しては、当センター独自のスコアリングシステムを用いて感染の有無を慎重に評価しています。そのうえで積極的に「頸管縫縮術」を実施しており、良好な妊娠継続成績を収めています。
また、多胎妊娠については地域の登録制度を通じて発生状況を把握し、近隣の病院と密に連携しながら、地域全体でお母さんと赤ちゃんを見守る体制を構築しています。
安心と安らぎのための「全室個室」環境

高度な医療を提供すると同時に、私たちは患者さんが「心穏やかに過ごせる環境」も大切にしています。産科外来は病棟と同一フロアに配置されており、移動の負担を最小限に抑えています。
病棟はプライバシーに配慮した全室個室(24床)です。
さらに、同じフロア内に「ハイリスク分娩室(手術室)」を完備しており、緊急時にも即座に対応可能です。落ち着いた静かな環境の中で、治療に専念していただけるよう細心の配慮を施しています。
病棟はプライバシーに配慮した全室個室(24床)です。
- MFICU(母体・胎児集中治療室):6床
- 一般病室:16床
- LDR(陣痛・分娩・回復室):2床
さらに、同じフロア内に「ハイリスク分娩室(手術室)」を完備しており、緊急時にも即座に対応可能です。落ち着いた静かな環境の中で、治療に専念していただけるよう細心の配慮を施しています。
2025年2月、新たなステージへ:正常分娩の受け入れ開始
そして2025年2月、当センターは大きな転換期を迎えました。これまでの高度専門医療に加え、新たに「正常妊娠・分娩」の受け入れを開始いたしました。
私たちは、重症症例を担う三次施設としての責任を果たし続けなければなりません。そのため分娩予約数には制限を設けていますが、地域の先生方との役割分担を明確にすることで、より多くの地域の方々に「こども病院の安心感」をお届けしたいと考えています。
地域の医療機関の先生方にとって「紹介しやすく、安心して任せられる病院」であり続けること。そして、お母さんと赤ちゃんにとって「最高のスタートライン」となること。
これからも静岡県立こども病院 周産期センターは、母児医療のさらなる質向上を目指し、情熱を持って診療に邁進してまいります。
私たちは、重症症例を担う三次施設としての責任を果たし続けなければなりません。そのため分娩予約数には制限を設けていますが、地域の先生方との役割分担を明確にすることで、より多くの地域の方々に「こども病院の安心感」をお届けしたいと考えています。
地域の医療機関の先生方にとって「紹介しやすく、安心して任せられる病院」であり続けること。そして、お母さんと赤ちゃんにとって「最高のスタートライン」となること。
これからも静岡県立こども病院 周産期センターは、母児医療のさらなる質向上を目指し、情熱を持って診療に邁進してまいります。

河村隆一
産科
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