唇裂口蓋裂とは?
ページ内目次
唇顎口蓋裂の分類
唇裂
生まれながらにして唇が割れている状態のことです。上唇に軽いくびれがあるだけで(痕跡唇裂)鼻もまったく変形していないような軽い状態から、上唇だけでなく歯茎のところまで割れていて、鼻も強く変形している程度の重い場合まであります。

両側唇裂 術前

両側唇裂 術後

片側唇裂 術前

片側唇裂 術後
口蓋裂
口蓋裂は唇が割れていなくて、口の中の上顎だけが割れている状態のことです。口と鼻の間を隔てている部分(口蓋=上顎)が無く、口と鼻がつながった状態で出生します。
唇顎口蓋裂
唇顎口蓋裂は唇から上顎を含め、口蓋垂(のどちんこ)まで割れていて、唇裂と口蓋裂が合併している状態のことです。唇裂や唇裂口蓋裂の場合は、唇の割れが片側だけにおきている場合と、両側におきている場合があります。通常、両側唇裂、両側唇顎口蓋裂、片側唇裂、片側唇顎口蓋裂、という呼び方をします。
この他に粘膜下口蓋裂や先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症などがあります。これらは見た目にはすぐに診断がつきにくいですが、発音が鼻にかかって不明瞭になるため、比較的年齢が高くなってから受診される場合が多くあります。これらの診断には、精密な検査と言葉の評価が必要になります。
この他に粘膜下口蓋裂や先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症などがあります。これらは見た目にはすぐに診断がつきにくいですが、発音が鼻にかかって不明瞭になるため、比較的年齢が高くなってから受診される場合が多くあります。これらの診断には、精密な検査と言葉の評価が必要になります。
発生原因
どうして起きるのか
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で大きくなっていくとき、最初はみんな唇も上顎も割れています。それが妊娠の2~3ヵ月の頃に、自然につながってきて顔の原形ができてきます。そのとき何らかの問題でうまくくっつかなかった場合に、こういう病気になります。
原因としては、薬などの化学物質、お酒やたばこ、放射線、ウイルスによる病気、遺伝的な要素の影響が考えられてきましたが、1つのもので発生原因を説明できるもの、まだ見つかっていません。現段階では様々な因子が複雑に絡み合っておきてくると考えられていますが、はっきりしていないというのが実情です。
妊娠中につまずいて転んだとかお腹をぶつけた、妊娠が分からずに抗生物質や風邪薬を何回か飲んだといった程度のことでは、赤ちゃんにこの病気が起こることはまず考えられません。
原因としては、薬などの化学物質、お酒やたばこ、放射線、ウイルスによる病気、遺伝的な要素の影響が考えられてきましたが、1つのもので発生原因を説明できるもの、まだ見つかっていません。現段階では様々な因子が複雑に絡み合っておきてくると考えられていますが、はっきりしていないというのが実情です。
妊娠中につまずいて転んだとかお腹をぶつけた、妊娠が分からずに抗生物質や風邪薬を何回か飲んだといった程度のことでは、赤ちゃんにこの病気が起こることはまず考えられません。
発生頻度
この病気の赤ちゃんは、日本では約500人に1人の割合で生まれており、生まれつきに起きる病気の中では最も多くみられる病気の1つです。ご両親やご家族のどなたかにこの病気の方がいらっしゃる場合は、その頻度は通常より少し高くなります。
また、お子さんをもう1人ご希望されるご両親にとっては、最も心配なのが次の子どもにも同じ病気が出るかどうかという事だと思います。確率としてしかお話はできませんが、これまでの国内や国外の報告では1人目のお子さんが唇顎口蓋裂の場合、次に生まれてくる子どもに同じ病気が起こる確率は40人から50人に1人といわれています。
また、お子さんをもう1人ご希望されるご両親にとっては、最も心配なのが次の子どもにも同じ病気が出るかどうかという事だと思います。確率としてしかお話はできませんが、これまでの国内や国外の報告では1人目のお子さんが唇顎口蓋裂の場合、次に生まれてくる子どもに同じ病気が起こる確率は40人から50人に1人といわれています。
唇裂口蓋裂による問題
哺乳
唇や上顎が割れているため、母乳やミルクを吸い込む力が弱くなります。最初から上手に飲めるお子さんもいますが、ミルクを飲ませるのに時間がかかったり、量がたくさん飲めないために体重が増えないお子さんも少なくありません。
こども病院では、初めて来られた時に赤ちゃんのミルクの飲み方を見せていただき、時間がかかったり、うまく飲めない赤ちゃんには哺乳の指導をします。
唇から上顎まですべてが割れている唇顎口蓋裂のお子さんでも、術前顎矯正装置(Nasoalveolar molding: NAM)やテーピング(写真)などを用いた哺乳の指導と口蓋裂用の哺乳ビンを使うことにより、ほとんどの場合、栄養用のチューブなどを用いることなく自分の力で飲むことができるようになります。術前顎矯正装置であるNAMは哺乳がしやすくなるだけでなく、裂の変形を軽くし、唇裂の手術を行いやすくする役割も果たします。
こども病院では、初めて来られた時に赤ちゃんのミルクの飲み方を見せていただき、時間がかかったり、うまく飲めない赤ちゃんには哺乳の指導をします。
唇から上顎まですべてが割れている唇顎口蓋裂のお子さんでも、術前顎矯正装置(Nasoalveolar molding: NAM)やテーピング(写真)などを用いた哺乳の指導と口蓋裂用の哺乳ビンを使うことにより、ほとんどの場合、栄養用のチューブなどを用いることなく自分の力で飲むことができるようになります。術前顎矯正装置であるNAMは哺乳がしやすくなるだけでなく、裂の変形を軽くし、唇裂の手術を行いやすくする役割も果たします。

美容
唇裂・口蓋裂は手術で治しますが、手術後の美容の問題には次のようなものがあります。
唇や鼻を支える顎の骨の形を整えることで、全体的なバランスが良くなります。そこで、当院では、乳歯列期から積極的に歯列矯正を行い、顎全体の成長を促しています。幼児期にはまだ横顔が余り三日月のように変形していませんが、こうした変形は思春期頃に著しくなります。したがって、早期から上顎牽引装置(下写真4,5)などを用いて上顎の成長を促すことによって、この三日月様の変形を最小限にすることができます。
いろいろな都合で早期の矯正治療が出来なかった場合など、思春期で顔貌形態の変形がある場合や咬合異常がある場合は、外科矯正(上顎骨骨切り術、下顎骨骨切り術、オトガイ骨切り術)による顔貌および咬合の治療を行っております。
顎裂が存在する場合は、顎裂部の骨移植を行っています(下写真1,2)。顎裂部に骨を移植することによって、歯茎の割れ目が目立たなくなり、そこに永久歯が生えてくるよう歯列矯正をします。こうすることによって、自分の歯が並び、裂部が目立たなくなります(下写真3)。また骨が欠けている部分に骨を移植するため、鼻の土台ができることになり、鼻の変形を治しやすくなります。
- 唇の傷や鼻の変形
- 顎裂(歯茎の裂)による歯並びの悪さ
- 口蓋裂の手術の影響による上顎の成長障害と下顎の過成長、それに伴う咬み合わせの悪さ(反対咬合=受け口)
- 3の問題から、横顔が三日月様に変形
唇や鼻を支える顎の骨の形を整えることで、全体的なバランスが良くなります。そこで、当院では、乳歯列期から積極的に歯列矯正を行い、顎全体の成長を促しています。幼児期にはまだ横顔が余り三日月のように変形していませんが、こうした変形は思春期頃に著しくなります。したがって、早期から上顎牽引装置(下写真4,5)などを用いて上顎の成長を促すことによって、この三日月様の変形を最小限にすることができます。
いろいろな都合で早期の矯正治療が出来なかった場合など、思春期で顔貌形態の変形がある場合や咬合異常がある場合は、外科矯正(上顎骨骨切り術、下顎骨骨切り術、オトガイ骨切り術)による顔貌および咬合の治療を行っております。
顎裂が存在する場合は、顎裂部の骨移植を行っています(下写真1,2)。顎裂部に骨を移植することによって、歯茎の割れ目が目立たなくなり、そこに永久歯が生えてくるよう歯列矯正をします。こうすることによって、自分の歯が並び、裂部が目立たなくなります(下写真3)。また骨が欠けている部分に骨を移植するため、鼻の土台ができることになり、鼻の変形を治しやすくなります。
外鼻変形、口唇変形に対する最終タッチアップ
成長終了後に機能的そして整容的な問題が残っていれば、最終的なタッチアップ手術を行います。
外鼻変形に対しては、美容外科的な手法を用いた外鼻形成術、口唇の引き連れによる閉唇障害が認められれば、口唇形成術などを行います。
外鼻変形に対しては、美容外科的な手法を用いた外鼻形成術、口唇の引き連れによる閉唇障害が認められれば、口唇形成術などを行います。

【写真1】
顎裂部 骨移植 術前

【写真2】
顎裂部 骨移植 術後

【写真3】
骨移植後の歯列矯正

【写真4】上顎牽引装置(上顎全体の成長を促し反対咬合を治療する)

【写真5】
上顎拡大装置(歯並びのアーチを整える)
ことば
唇だけが割れている唇裂の場合では、通常ことばが問題になることはありません。
しかし、上顎が割れている口蓋裂や唇顎口蓋裂の場合には、口と鼻の境がないわけですから、そのままにしておくと、ことばがすべて鼻に抜けてしまいます。適切な時期に手術によって口蓋を閉じなければ、発音の障害が起きてきます。
こども病院では、手術後のことばの発達や発音の発達を観察し、必要に応じて発音訓練を行ったり、地域の訓練機関(ことばの通級教室など)をご紹介しています。
しかし、上顎が割れている口蓋裂や唇顎口蓋裂の場合には、口と鼻の境がないわけですから、そのままにしておくと、ことばがすべて鼻に抜けてしまいます。適切な時期に手術によって口蓋を閉じなければ、発音の障害が起きてきます。
こども病院では、手術後のことばの発達や発音の発達を観察し、必要に応じて発音訓練を行ったり、地域の訓練機関(ことばの通級教室など)をご紹介しています。
滲出性中耳炎
口蓋裂のあるお子さんでは、耳と鼻をつないでいる通路(耳管)の弁の働きが悪い場合が多く、滲出性中耳炎を起こしやすいといわれています。
慢性化すると、耳の聞こえが悪くなる場合もあります。
中耳炎は低年齢では繰り返しやすいのですが、小学校の高学年まで中耳炎が持続することはあまり多くありません。
慢性化すると、耳の聞こえが悪くなる場合もあります。
中耳炎は低年齢では繰り返しやすいのですが、小学校の高学年まで中耳炎が持続することはあまり多くありません。
唇裂口蓋裂の治療
治療の手順について
当院の治療の流れを図示します。


