腎移植について
腎移植について
腎移植は、低下した腎臓の働きを補う治療法の一つで、透析療法と並ぶ重要な選択肢です。提供された腎臓を体内に移植し、その腎臓が新たに働くことで、体の中で腎臓の役割を担うことを目的とします。
透析と比べた腎移植の特徴・メリット
腎移植は、透析療法と比べて以下のような利点があることが知られています。
① 生活の質(QOL)が高い
定期的な透析通院が不要となり、食事や水分の制限が緩やかになるなど、日常生活の自由度が高まります。
② 動脈硬化が進みにくい
腎機能が回復することで、血管への慢性的な負担が軽減され、動脈硬化の進行が抑えられると考えられています。
③ 心臓や脳の病気のリスクが低い
心筋梗塞や心不全、脳梗塞などの心血管・脳血管イベントの発症リスクは、透析療法に比べて低いと報告されています。
④ 妊娠・出産が可能となる場合がある
条件を満たせば妊娠・出産が可能となり、母体および赤ちゃんの合併症のリスクも、透析中より低くなるとされています。
① 生活の質(QOL)が高い
定期的な透析通院が不要となり、食事や水分の制限が緩やかになるなど、日常生活の自由度が高まります。
② 動脈硬化が進みにくい
腎機能が回復することで、血管への慢性的な負担が軽減され、動脈硬化の進行が抑えられると考えられています。
③ 心臓や脳の病気のリスクが低い
心筋梗塞や心不全、脳梗塞などの心血管・脳血管イベントの発症リスクは、透析療法に比べて低いと報告されています。
④ 妊娠・出産が可能となる場合がある
条件を満たせば妊娠・出産が可能となり、母体および赤ちゃんの合併症のリスクも、透析中より低くなるとされています。
腎移植手術と免疫抑制療法について
移植される腎臓は、通常右下腹部(右腸骨窩)に移植されますが、血管の状態や過去の手術歴などにより、左側に移植することもあります。ご自身の腎臓は、特別な理由がない限り摘出せず、そのまま残します。
移植後は、移植腎を体が拒絶しないようにするため、免疫抑制薬を生涯にわたり内服する必要があります。
移植後は、移植腎を体が拒絶しないようにするため、免疫抑制薬を生涯にわたり内服する必要があります。
腎移植の種類
腎移植には、生体腎移植と献腎移植の2つの方法があります。
生体腎移植
生体腎移植は、ご家族や親族など、生存している方から腎臓の提供を受ける方法です。
・ ドナーの範囲は、親族6親等以内、姻族3親等以内です。
・ 血液型が一致しない場合でも、適切な治療を行うことで移植が可能な場合が多いです。
・ 高血圧や糖尿病などの持病があっても、詳しい検査で安全性が確認され、基準を満たせば腎提供が可能な場合があります。
・ 本院では、生体腎移植におけるレシピエント(移植を受ける方)およびドナーはいずれも原則70代までを対象としており、80歳以上の方への生体腎移植は行っていません。
生体腎移植は、透析療法に比べて合併症が少なく、予後や生活の質、治療満足度が高いことが示されています。
・ ドナーの範囲は、親族6親等以内、姻族3親等以内です。
・ 血液型が一致しない場合でも、適切な治療を行うことで移植が可能な場合が多いです。
・ 高血圧や糖尿病などの持病があっても、詳しい検査で安全性が確認され、基準を満たせば腎提供が可能な場合があります。
・ 本院では、生体腎移植におけるレシピエント(移植を受ける方)およびドナーはいずれも原則70代までを対象としており、80歳以上の方への生体腎移植は行っていません。
生体腎移植は、透析療法に比べて合併症が少なく、予後や生活の質、治療満足度が高いことが示されています。
献腎移植
献腎移植は、脳死または心停止により亡くなられた方から腎臓の提供を受ける方法です。透析開始のおよそ1年前から登録が可能で、移植までの間は透析療法を継続する必要があります。
待機期間は長く、日本における献腎移植の平均待機期間は約14年8か月とされています。そのため、計画的な登録と長期的な治療計画が重要となります。
待機期間は長く、日本における献腎移植の平均待機期間は約14年8か月とされています。そのため、計画的な登録と長期的な治療計画が重要となります。
先行的腎移植
透析を経ずに行う腎移植のことを先行的腎移植と言います。
透析を経てからの腎移植と先行的腎移植を比べると、
・ 先行的腎移植の方が生命予後(どれだけ長く生きられるか)も腎予後(どれだけ移植腎が長持ちするか)も優れている(半年から1年程度の透析期間では差はありませんが)
・ 血液透析を行うのに必要なシャントの手術や腹膜透析を行うのに必要なカテーテルを入れる手術が必要ない
といったメリットがあります。
近年腎移植を行う方のうち3割程度の方が先行的腎移植を行っています。
透析を経てからの腎移植と先行的腎移植を比べると、
・ 先行的腎移植の方が生命予後(どれだけ長く生きられるか)も腎予後(どれだけ移植腎が長持ちするか)も優れている(半年から1年程度の透析期間では差はありませんが)
・ 血液透析を行うのに必要なシャントの手術や腹膜透析を行うのに必要なカテーテルを入れる手術が必要ない
といったメリットがあります。
近年腎移植を行う方のうち3割程度の方が先行的腎移植を行っています。
免疫抑制療法に伴う注意点
免疫抑制療法は、通常3剤併用療法で行いますが、年齢や合併症、拒絶反応のリスクなどを考慮し、患者さんごとの状態に応じて薬剤の種類や量を調整します。
免疫抑制薬の使用により拒絶反応を抑えることができますが、その一方で、
・ 感染症にかかりやすくなる
・ 一部の悪性腫瘍(がん)のリスクが高くなる
といった注意点があります。そのため、移植後も定期的な診察・検査が欠かせません。
また、免疫抑制薬の影響により、血糖値が上昇しやすくなることがあり、糖尿病の新規発症や、もともと糖尿病のある方では血糖コントロールが悪化する可能性があります。
本院では、血糖値を含めた全身状態を定期的に評価し、必要に応じて治療内容の調整や専門診療科と連携した対応を行っています。
免疫抑制薬の使用により拒絶反応を抑えることができますが、その一方で、
・ 感染症にかかりやすくなる
・ 一部の悪性腫瘍(がん)のリスクが高くなる
といった注意点があります。そのため、移植後も定期的な診察・検査が欠かせません。
また、免疫抑制薬の影響により、血糖値が上昇しやすくなることがあり、糖尿病の新規発症や、もともと糖尿病のある方では血糖コントロールが悪化する可能性があります。
本院では、血糖値を含めた全身状態を定期的に評価し、必要に応じて治療内容の調整や専門診療科と連携した対応を行っています。
移植腎の長期的な見通しについて
移植された腎臓は、
・ 拒絶反応
・ 元の腎臓病の再発(再発腎症)
・ 免疫抑制薬などによる薬剤性腎障害
・ 感染症
といったさまざまな影響を受ける可能性があります。このため、移植腎の機能が必ずしも長期にわたり良好に保たれるとは限りません。
腎移植後も、免疫抑制薬を含む内服治療の継続、定期的な外来受診、生活習慣の管理が非常に重要です。
本院では、定期的に腎機能検査や尿検査を行い、異常の早期発見に努めています。必要に応じて腎生検などの精密検査を行い、移植腎の機能をできるだけ長く維持できるよう、適切な治療を行っています。
・ 拒絶反応
・ 元の腎臓病の再発(再発腎症)
・ 免疫抑制薬などによる薬剤性腎障害
・ 感染症
といったさまざまな影響を受ける可能性があります。このため、移植腎の機能が必ずしも長期にわたり良好に保たれるとは限りません。
腎移植後も、免疫抑制薬を含む内服治療の継続、定期的な外来受診、生活習慣の管理が非常に重要です。
本院では、定期的に腎機能検査や尿検査を行い、異常の早期発見に努めています。必要に応じて腎生検などの精密検査を行い、移植腎の機能をできるだけ長く維持できるよう、適切な治療を行っています。
当院の腎移植医療の特色
本院では、腎移植における手術および泌尿器科的合併症への対応を除き、移植後の全身管理を腎臓内科が主体となって行っています。免疫抑制療法の調整、感染症管理、生活習慣病や動脈硬化への対応などを、日常的に腎疾患診療を行っている腎臓内科医が継続して担当します。
また、腎移植に関連する高度で専門的な検査を自施設内で実施できる体制を整えており、迅速かつ一貫した診療が可能です。
本院は、あらゆる診療科がそろった総合病院であり、診療科間の連携が密で敷居が低いことも特徴の一つです。万が一、移植後に何らかの合併症が生じた場合でも、関係診療科と速やかに連携し、適切な対応を行うことができます。
さらに、本院では生体腎移植をおおむね月1例、献腎移植は適宜(年間1~3例程度)行っており、継続した腎移植診療の経験を有しています。
腎移植診療には、腎臓内科および泌尿器科のいずれにおいても、腎移植の経験が豊富な専門医が対応しており、手術から移植後の長期管理まで安心して治療を受けていただける体制を整えています。
また、腎移植に関連する高度で専門的な検査を自施設内で実施できる体制を整えており、迅速かつ一貫した診療が可能です。
本院は、あらゆる診療科がそろった総合病院であり、診療科間の連携が密で敷居が低いことも特徴の一つです。万が一、移植後に何らかの合併症が生じた場合でも、関係診療科と速やかに連携し、適切な対応を行うことができます。
さらに、本院では生体腎移植をおおむね月1例、献腎移植は適宜(年間1~3例程度)行っており、継続した腎移植診療の経験を有しています。
腎移植診療には、腎臓内科および泌尿器科のいずれにおいても、腎移植の経験が豊富な専門医が対応しており、手術から移植後の長期管理まで安心して治療を受けていただける体制を整えています。
レシピエント・コーディネーター
本院では、看護師がレシピエント・コーディネーターとして、腎移植の決定時から入院中、退院後に至るまで、継続してサポートを行っています。サポートの対象は、移植を受けるレシピエントだけでなく、腎臓を提供されるドナーも含まれます。
移植前後で生じる日常生活の変化や人間関係、仕事や将来設計、免疫抑制薬の内服に対する不安などについて整理し、患者さん・ご家族が安心して腎移植医療に臨めるよう、医師や多職種と連携しながら支援しています。
移植前後で生じる日常生活の変化や人間関係、仕事や将来設計、免疫抑制薬の内服に対する不安などについて整理し、患者さん・ご家族が安心して腎移植医療に臨めるよう、医師や多職種と連携しながら支援しています。
最後に
腎移植は、透析療法に比べて多くの利点がある一方で、手術や免疫抑制療法に伴うリスクも存在します。それぞれの治療法の特徴を十分に理解したうえで、ご自身の生活や価値観に合った治療を選択することが大切です。
お話をお聞きしたい方は紹介状を用意して腎臓内科外来(水曜日午後 腎移植担当)を予約してください。
お話をお聞きしたい方は紹介状を用意して腎臓内科外来(水曜日午後 腎移植担当)を予約してください。
