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経皮的肺動脈弁置換術(TPVI)について

最終更新日:2023年4月24日
経カテーテル肺動脈弁留置術(TPVI)は、外科的開胸手術を行うことなくカテーテルを用いて、肺動脈弁を留置する治療です。肺動脈弁の機能は、弁が狭くなったり(狭窄)、漏れが増えたり(逆流)することで損なわれ、それによって右心室に障害がでます。このため、狭窄や逆流の程度がある一定以上の場合には、心臓の機能を守るため治療が必要になります。その治療法として、従来から行われてきた外科的開胸手術に加えて、治療の選択肢として登場したのがカテーテルによるTPVIになります

TPVIってどんな治療?

TPVIでは、外科手術で開胸して新しい肺動脈弁(生体弁など)を付ける代わりに、生体弁を取り付けたカテーテルを主に足の静脈(大腿静脈)から挿入し、心臓まで送り届け、留置を行ないます。治療は全身麻酔下で行われ、新しい弁は植込み後、すぐに機能し始めます。開胸等がなく、体への負担が少ない低侵襲治療になりますので、術翌日頃からは歩行が可能になり、入院期間も4日前後となります

TPVIはどんな病気に行うの?

対象となるのは、右心室の出口である右室流出路、肺動脈弁に問題があった先天性心疾患の術後の肺動脈弁逆流(肺動脈弁閉鎖不全)や肺動脈弁狭窄です。もともとの疾患は、ファロー四徴や肺動脈弁狭窄、肺動脈閉鎖、総動脈幹遺残、大血管転位などです。特殊な場合として、大動脈弁狭窄や逆流(閉鎖不全)に対するロス手術後などがあげられます。
右室流出路が、自己組織もしくはパッチ修復後か、人工導管もしくは生体弁を使用しているかで植込みをする弁の種類が変わります。自己組織もしくはパッチでの修復後と、人工導管もしくは生体弁による修復後に使用する2種類の弁があります(

TPVI

TPVIのメリットは?

一般的に、再開胸を伴う外科手術は通常と比べて、手術リスクが増加するといわれています。本治療の対象となる患者様では、基本的に、過去に複数回の外科的開胸手術を受けていることも多く、TPVIにより開胸を伴う再手術の回避、入院期間の短縮がなされ、早期の社会復帰が可能となります。
弁の耐久性は、一般的に多くの生体弁で約10年から15年といわれています。外科手術後と同様にTPVI後に機能不全に陥った生体弁の再手術が必要な場合にも、再度TPVIを選択することもでき、生涯の開胸手術回数を減らすことができます。

TPVIMovie

当院では2022年から、2種類の弁の認定施設となりました。患者様の状態に応じて、最も適切な方法を選択することが可能です。受診希望,ご相談等などお問い合わせがあれば,下記までご連絡下さい.

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