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造血幹細胞移植

最終更新日:2017年9月5日
第一診療部長(血液内科) 塩村 惟彦

それぞれ大切な異なる働きを担っている赤血球、白血球、血小板などの血液細胞は、骨髄で造血幹細胞と呼ばれる同一の細胞から作られます。たえず寿命を終えた多数の細胞が壊れていく一方で、日々膨大な数の血液細胞が作られつづけています。この血液細胞の源が、ヒトの一生のあいだ絶えることなく数を保ち続けている造血幹細胞(幹細胞)です。この血液の源の細胞を移植して白血病や再生不良性貧血などの難治性疾患の治療を行う方法が造血幹細胞移植です。骨髄から採取した骨髄液の中に含まれる幹細胞を移植する治療法が、骨髄移植であり、現在ではほぼ確立された造血幹細胞移植となっています。このほか幹細胞は体内を循環する血液(末梢血)にも存在しており、臍帯(へその緒)の血液にも豊富に含まれることがわかり、最近では末梢血幹細胞移植も多く行われるようになり、臍帯血幹細胞移植も試みられ始めています。

造血幹細胞移植には、患者さん自身の幹細胞を予め採取保存しておき、大量の抗癌剤などで治療を行ったあとに戻す自家移植と、健康なドナーの幹細胞を移植する同種移植があります。ドナーとなるためには、白血球の血液型であるHLA(Human Leukocyte Antigen)が患者さんと一致することが条件です。

骨髄移植

骨髄採取では、全身麻酔下で腸骨(骨盤骨)を針で穿刺し、注射器で成人では数百から千ミリリットルの骨髄液(骨髄中の血液)を吸引します。この骨髄液を輸血と同様に患者さんの静脈に点滴すると、幹細胞は、骨髄にたどりつき血液細胞を作り始めます。同種骨髄移植ではHLAの一致する確立が高い同胞からの移植が理想的ですが、血縁にドナーが得られないときには、骨髄バンクに登録されている非血縁ドナーのなかからHLAの一致するドナーをさがして移植を行うことができます。平成10年1月末現在、骨髄バンクのドナー登録者数は92、073、骨髄バンクを介した骨髄移植例数は1、407となっています。

末梢血幹細胞移植

幹細胞採取は、血液センターで成分献血を行うときと同じ成分採血装置を用いて行います。麻酔を必要とせず、骨髄採取に比較して負担が軽い利点があります。現在は主として白血病や悪性リンパ腫などの患者さんを対象とした自家末梢血幹細胞移植が多く行われています。最近では健康なドナーの幹細胞を移植する同種末梢血幹細胞移植も行われはじめており、同種骨髄移植に代わりうる治療法として期待されています。

臍帯血幹細胞移植

臍帯血中には豊富な造血幹細胞が含まれていることが明らかになり、出産時に臍帯から血液を採取して冷凍保存しておいて、患者さんに移植することが試みられるようになりました。従来は廃棄されていた臍帯血から幹細胞が得られること、臍帯血中の幹細胞は質的にも優れた点が多いことなどから、臍帯血幹細胞移植は注目され、公的な臍帯血バンク設立が望まれています。

静岡県立総合病院でも、これまでに30名余の患者さんに骨髄移植を行い、最近では自家末梢血幹細胞移植も多く行っています。

骨髄移植から始まった造血幹細胞移植は造血幹細胞の採取源が広がり、治療上の技術的な改良も日々試みられています。患者さんにも、ドナーにもより安全な移植療法が将来期待できると思われます。

臍帯血幹細胞移植