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動脈管開存症

最終更新日:2024年8月26日

動脈管開存症に対する外科治療

動脈管開存症に対する外科治療
動脈管(patent ductus arteriosus, PDA)は大動脈と肺動脈をつなぐ血管です。胎内では肺動脈から動脈管を介して大動脈へ血流が流れ、主に下半身の血流を賄いますが、出生すると不要になり、攣縮し閉塞します。何らかの原因でこの血管が開いたままになると、動脈管を経由して大動脈と肺動脈の間に血液の短絡がおこります。多くは大動脈から肺動脈へのシャントが発生し、肺血流が増加し心臓の血流を処理する負担を増やします。このような場合、無症状で経過し、年長および成人になってから発見される場合と、新生児期に大きく開いており緊急で治療が必要になる場合があります。また、複雑心奇形に合併するPDAではむしろ開存させておくことが全身還流の維持に必要になることがあります(pulmonary-ductus-descending aorta trunk, PDDT)。この場合、プロスタグランジン製剤などを用いて病院で管理することになります。

治療方法は動脈管の閉鎖です。当院では、外科的に閉鎖する方法と、カテーテルで閉鎖する方法があります。動脈管の大きさやその形態により治療方法を決定します。特に新生児期の大きな動脈管開存であれば、緊急で外科的閉鎖の適応となります。

手術は多くの場合、側開胸で行い、人工心肺を使用せずに動脈管を結紮、または離断します。年長児の場合、手術後およそ1週間後に退院が可能です。術後に起こり得る合併症としては(1)反回神経麻痺(喉もとの動きの低下が原因で起こる嚥下困難・嗄声など)(2)創部治癒不全(3)乳び胸などが挙げられます。ごくまれに動脈管の損傷により下半身還流障害を来たすことがあります。

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