グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



診療科
ホーム  >  診療科  > 心臓血管外科  > 手術方法  > 側副血行路処理手術

側副血行路処理手術

最終更新日:2025年7月1日
側副血行路とは、本来ないはずの血管が何らかの理由で発達し、別の血液ルートを作成するものです。たとえば、チアノーゼのある患者で、低酸素の状態を補おうとして増生する動脈から肺へと繋がる血管のネットワークを指します。

フォンタン型手術を待機している場合、チアノーゼがあるので、側副血行が発生しやすい状態で、一時的にチアノーゼは改善しますが、実際のフォンタン手術後には、本来の上下半身からの静脈血が肺へ流れていくときに、この側副血行路と拮抗してしまいます。つまり、静脈圧が上昇し、いいフォンタン状態にならない可能性があります。また、側副血行路が多いほど、心臓に還ってくる血流も増えるので、心臓自身に負担がかかってきます(心不全)。側副血行路はカテーテル的に処理することも可能ですが、カテーテルで処理しきれない場合、側副血行路処理術を行います。

側副血行路処理術は、通常の心臓の手術とは別に単独で行うことを基本とし(多くはフォンタン手術前)、左右どちらか、もしくは両側の「鎖骨」のやや下(足側)を鎖骨に沿うように切開して、鎖骨下動脈から分岐するこれら血管を結紮、切断して処理します。人工心肺などは使用せず手術が可能です。
これにより、よりスムーズに、本来あるべき肺血流が流れていくようになり、よりよいフォンタン手術が可能になる、と考えております。


本年、この術式に対する新しい報告を出しましたので、興味があるかたはご参照ください。
参考文献
Surgical cleaning of aortopulmonary collateral vessels from subclavian arteries during the pre-Fontan phase JTCVS Tech 2024 May 14:26:103-106.
doi: 10.1016/j.xjtc.2024.05.003. eCollection 2024 Aug.

  • 部門紹介
  • 採用情報