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ジャテーン手術

最終更新日:2024年11月21日
ジャテーン手術(大血管スイッチ手術)

ジャテーン手術(大血管スイッチ手術)は、1大動脈と肺動脈を入れ替え、左心室から大動脈、右心室から肺動脈が出るようにする2冠動脈(心臓を栄養する血管)を肺動脈から大動脈に移植し、酸素化された血液が心臓に流れるようにする、という2つの部分から構成されます(他の心内奇形に準じて心房中隔欠損閉鎖、動脈管閉鎖、心室中隔欠損閉鎖などが加わります)。
このため、大血管の位置関係、冠動脈の走行などが問題となります。とくに冠動脈の走行に関してはバリエーションが豊富であり、手術成績に影響することもあり注意を要します。

ジャテーン手術

大動脈を切断し、冠動脈を大動脈の壁ごと採取し、旧肺動脈基部(新大動脈基部)に移植します。そこへ大動脈遠位側を吻合して新大動脈を再建します。大動脈と肺動脈の位置関係によっては、大動脈と肺動脈を前後に入れ替えて(Le Compte法)肺動脈のねじれを予防します。冠動脈採取部分は自己心膜で補填し、肺動脈遠位側を吻合して肺動脈を再建します。

Le Compte法

完全大血管転位症では、冠動脈の走行が通常でないことをしばしば経験します。また大動脈・肺動脈壁の中を走っていることもあります。手術がほぼ新生児期に行われるので、冠動脈の起始・走行など十分に検査ができないことも不利な点です。冠動脈に異常がある場合は再建に難渋することがあり、再建の形態がよくない場合は術後、心筋への血液供給が悪くなり心筋梗塞や心不全、不整脈などを引き起こすことがあります。
また、もともとの肺動脈弁を大動脈弁に使用するため、弁にかかる圧が本来よりも高く、新大動脈弁や新大動脈基部が拡大することなども課題です。
上記のような問題はありますが、現在、完全大血管転位症に対するジャテーン手術の成績は安定しております。心房中隔欠損が小さい場合はカテーテルでバルーン切開術(BAS)を行いますが、BASを行った場合でも、生後1週間以内に多くのジャテーン手術を行い、良好な経過を得ています。

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