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ファロー四徴症

最終更新日:2024年10月9日

ファロー四徴症に対する外科治療

ファロー四徴症に対する外科治療
ファロー四徴症は

1.心室中隔欠損
2.右室流出路狭窄(肺動脈弁狭窄)
3.大動脈騎乗
4.右室肥大
の4つを特徴とする病気です。
ただ、発生学的な病因は「心室中隔(漏斗部)の前方偏位」によるものであり、奇跡的に4つの病態が合わさった病気ではありません。
左右の心室の間には大きな心室中隔欠損が開いており、ほとんど一つの心室として機能します。右室流出路狭窄があると肺動脈より大動脈へ血液が流れやすくなります。また右室に流入した静脈血は大きな心室中隔欠損を経由して、また大動脈騎乗によって、直接大動脈に流れやすくなります。この結果、静脈血が動脈血に混ざって全身に流れることになり、チアノーゼが出現します。一方、肺血流は多くならないため、うっ血性心不全はありません(ので体重が増えないということは珍しいです)。

根治手術は1歳手前ぐらいで行うことが多いですが、根治手術が難しい条件は主に
1.肺動脈が細い、小さい
2.左心室が小さい
これらは、肺血流が少ない、および左心室に還流する血液が少ない、ことが原因であることが多いです。
そのため、上記条件を満たさない場合は待機手術を行い、成長を待って根治手術を行います。
待機手術:体肺血流シャント手術(ブレロックータウジッヒ変法)又は右室流出路拡大手術
一時的に肺血流を増やし、肺動脈および左心室の成長を促します。
体肺血流シャント手術(ブレロックータウジッヒ変法)は、無名動脈又は鎖骨下動脈と肺動脈を、人工血管を用いてバイパスして肺血流を増やす手術です(シャント手術のページ参照)。ただし、人工血管は成長しないので、目標年齢(1歳前後)を決めて人工血管を選択します。
右室流出路拡大手術は、肥厚した筋肉によって狭くなった右心室の出口を、筋肉を切除することで広げ、肺へ血液を流れやすくする手術です。

根治手術
・心室中隔欠損パッチ閉鎖(心室中隔に開いた穴を人工布を用いて閉じる)
・右室流出路拡大(狭い右心室の出口を広げる)

根治手術の際ポイントとなるのは、肺動脈弁の大きさです。肺動脈弁が小さ過ぎない場合には、肺動脈弁を温存して右室流出路再建を行います。肺動脈弁が小さい場合には、1.弁尖(普通2~3枚)のうち1枚を人工物(動物の心膜など)2.人工布を使用した手作り人工弁3.器械弁(生体弁)のどれかで再建を行います。この場合は必ず再手術・再介入が必要になります。ただ、2023年より当院でもカテーテル的な生体弁置換を導入してきており、ファロー四徴症の遠隔期介入は心臓外科と循環器内科で協力して行うことになります。





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