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フォンタン手術

最終更新日:2024年11月21日

フォンタン手術(右心バイパス手術)

フォンタン手術(右心バイパス手術)

フォンタン手術は、いわゆる単心室治療戦略の最終段階・第3段階に位置する手術です。
当院では、心臓カテーテル検査で、肺・心臓の評価をし、1~2歳、体重10kgを目安としてフォンタン手術を行ってます。
フォンタン手術は,三尖弁閉鎖に対する右房-肺動脈吻合による機能的根治手術として1971年にフランスのFontan先生により報告されて以来改良を重ね、現在まで広く行われている術式です。手術方法は、もともとの方法から、主に1988年de Leval1らにより報告された自己組織を用いた心房内側方トンネル法を経て、1990年にイタリアのMarcellettiらに報告された人工血管を用いた心外導管法が導入され、現時点では多くの施設で心外導管法が行われています。
現在当院では、心外導管法に加え、解剖学的な問題から心外導管の通るコースがかなり変形すると考えられる症例には心内導管法も行っております。

フォンタン手術後は、静脈血が直接肺に戻るため、通常の状態より静脈圧が高くなり血液の流速が遅くなります。そのため蛋白漏出生胃腸症、また凝固系と呼ばれる血液を固める力の一部に異常を来すことがあります。このため、血液が血管の中で少し固まりやすくなるため、手術後は、抗凝固療法(抗血小板剤など)を行うことになります。ただし、特に日常生活に支障を来すものではありません。

良いフォンタン手術への条件は、肺動脈に血流が流れやすく(肺血管抵抗が低く)、体心室機能が良いこと、になります。これはフォンタン術後も同じで、なにより静脈圧を、長期にわたって低く維持することが、生存率を向上させ、遠隔期の合併症(蛋白漏出性胃腸症・不整脈・血栓症・心不全など)を防止することにつながります。
このような良いフォンタン手術の条件を構築するためには新生児期からの段階的・計画的な治療戦略が重要と考えています(単心室治療戦略)。また、フォンタン術後も抗凝固療法,薬物療法や日常生活指導(一時的な水分制限、脂肪制限)などの管理体制を構築することがフォンタン患者の将来には不可欠であると考えられております。
フォンタン手術自体の手術リスクは高くなく、当院でも術後早期の死亡はほぼ皆無です。ただ、上記に示す通り、術後の制限は一時的には小さくなく、患者さんにかかるストレスは小さくありません。

フェネストレーション法
手術前あるいは術中に静脈圧が非常に高い症例に対してはフォンタン導管と心房を交通する小さな穴(フェネストレーション)を作成することがあります。これにより、逃げ道となり、静脈圧が低下します。ただし、静脈血が心房に直接還るので、本来の動脈血に静脈血が混ざることになり、酸素飽和度の低下につながります。穴が大きいほど静脈圧を下げる効果はありますが、酸素飽和度も低下します。フェネストレーションは不要になれば(静脈圧が下がれば)、カテーテルや手術で閉鎖することも可能です。

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