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フォンタン手術

最終更新日:2014年12月19日

フォンタン手術(右心バイパス手術)

当院では、心臓カテーテル検査で、肺・心臓の評価をし、早ければ1歳前後でフォンタン手術を行います。この時期は他の施設より少し早いのですが、これはより早くチアノーゼをなくしてあげたいと言う考えからです。

さてこのフォンタン手術は,三尖弁閉鎖に対する右房-肺動脈吻合による機能的根治手術として1971年にフランスのFontanにより報告されて以来広く行われている手術です。手術方法は主に1988年de Leval1らにより報告されている自己組織を用いた心房内側方トンネル法と、1990年にイタリアのMarcellettiらに報告されている人工血管を用いた心外導管法があります。両方法の優劣については未だに議論の多いところではありますが、最近の報告では不整脈の発生率等の観点から心外導管法が優勢なようです。そして現在当院では、主に心外導管法を行っております。また当院の特徴としましては解剖学的に可能な患者様には人工血管を使わずに肺動脈と下大静脈を直接つなぐフォンタン手術を行っております。また、解剖学的に心外導管法が困難な場合には心房内導管法を時には用いるなど患者様の血行動態にもっとも最適と考えられる方法を選択しております。

フォンタン手術後は、静脈血が直接肺に戻るため、通常の状態より静脈圧が高くなり血液の流速が遅くなります。そのため蛋白漏出生胃腸症、また凝固系と呼ばれる血液を固める力の一部に異常を来すことがあります。このため、血液が血管の中で少し固まりやすくなるため、手術後は、抗凝固療法(抗血小板剤など)を行うことになります。ただし、特に日常生活に支障を来すものではありません。

一方良いフォンタン手術への条件とは,肺血管抵抗が低く,体心室機能が良く,心房負荷がない循環動態であることは単心室治療の項目でも明記されておりますが,これを長期間維持させることがフォンタン患者の生存率を向上させ,術後遠隔期の蛋白漏出性胃腸症,低酸素血症,心機能低下,不整脈,血栓症などさまざまな続発症を防止することにつながります。このような良いフォンタン手術の条件を構築するためには新生児期からの治療戦略が重要な鍵を握ると考えられております。そのためフォンタン術後も抗凝固療法,後負荷軽減療法などの薬物療法や日常生活指導(一時的な水分制限、脂肪制限)などの厳重な管理体制を構築することがフォンタン患者の将来には不可欠であると考えられております。

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