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肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症

最終更新日:2018年8月9日

肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症、主要体肺動脈側副血行路に対する外科治療

肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症(Pulmonary Atresia with Ventricular Septal Defect, PAVSD)は、本来右室から起始する肺動脈が存在せず(肺動脈閉鎖)、且つ左右の心室が存在する上で、それらを隔てている壁(心室中隔)に孔(欠損)が開いている心疾患です。
症状は、体で酸素を使い右室に戻った静脈血が、この孔を介して、また大動脈から体に流れるためチアノーゼを生じます。
肺動脈の形態異常を高率に合併し、左右肺動脈を繋ぐ中心肺動脈が、低形成や全く欠如したものなど、多様な形態を呈します。このため肺血流は、動脈管や主要体肺側副動脈(major aortopulmonary collateral artery; MAPCA)によって供給されます。またMAPCAは、本数、太さ、起始部位、走行、狭窄の仕方が個人によって大きく異なります。MAPCAの血流が多い場合には、乳児期に心不全を生じますが、この時期をのりきると、MAPCA自体の狭窄が進行し、肺血流が減少し、チアノーゼが進行します。
本疾患の治療の目標は、チアノーゼをなくすことです。そのためには、心室中隔欠損を閉じます。ただし、この疾患で心室中隔欠損を閉じますと肺動脈閉鎖ですので右室の出口がなくなります。そのためには右室の出口としてと右室から肺動脈への通路を作る必要があります。しかし、生まれた段階で右室と繫がるはずの一本の太い中心肺動脈がなく、何本かのMAPCAで肺へ血液が流れていますので、この何本かのMAPCAを一つにまとめ、太い一本の中心肺動脈を作る必要があります。この手術を肺血管統合術(unifocalization ,ユニフォーカリゼーション)と呼びます。中心肺動脈がなくても、MAPCAを用いて中心肺動脈を作ることは可能です。

治療の内容は以下の4点に要約されます。

  1. 左右肺区域の末梢肺動脈分枝及びMAPCAの統合(Unifocalization) ならびに中心肺動脈の形成
  2. 右心室-中心肺動脈の連続性の確保
  3. 心室中隔欠損の閉鎖
  4. 形成後の肺動脈のメインテナンス カテーテルによる治療


この治療で、心室中隔欠損を閉じるために最も大切な事は、心室中隔欠損閉鎖後に如何に低い右室圧を得るかです。言い換えると、肺へ右室が血液を送り出すのに、如何に少ない力で送り出すことが出来るか、そのためにはその受け皿としての肺動脈が如何に十分な状態であるかということになります。このため良い結果を得るためには、unifocalizationと言う肺血管統合術が最も大切になります。
当院では、生後診断がついた段階でまずCTを取り、MAPCAを含めた肺動脈の全貌を確認します。その後MAPCAが狭窄して細くなる前の生後数ヶ月を目安に心臓カテーテル検査を行い、更に詳細な肺動脈の情報を確認します。手術は生後半年体重5kgを目安に、胸骨正中切開で、状況により開胸を追加し、左右共に可能な限り末梢肺動脈分枝及びMAPCAを一度に統合し、中心肺動脈がない場合にはこれを作成し、左右肺動脈の連続性を確保します。更に手術中に肺動脈血流テストを行い心室中隔欠損閉鎖後の右室圧を推定し,テストの結果が良ければ、同時に心室中隔欠損を閉鎖し、弁付き導管により右室-肺動脈の通路を作り、血液の流れをすべて正常に近い状態にします。テストで右室圧が高くなるという結果が出た場合は、少し小さな弁付き導管で肺への血流を作るのみで手術を終了します。術後6ヶ月を目処に、心臓カテーテル検査を行い、肺血管床について再評価をし、条件が整っていれば心室中隔欠損を閉鎖します。また一期的に手術が出来たとしても、術後6ヶ月を目処の心臓カテーテル検査を受けて頂き、繋いだ血管の細い部分をカテーテル治療で広げることにより、より低い右室圧を保つために肺動脈ののメインテナンスを行います。

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