ノーウッド手術とは
左心低形成症候群(参照ください)の患者さんに対する術式です。1979年に開発されて以降、さまざまな改良がなされてきていますが、ノーウッド手術はいまだリスクの高い手術です。
左心低形成症候群では、一つの心室(”左心低形成”なので右心室)が肺循環と全身循環の両方をまかなう形で生まれてきます。当然、心臓への負担が大きく、かつ「肺循環」と「全身循環」のバランスを維持しなくてはいけません。
肺循環>全身循環 各臓器への循環不全(特に脳、消化管、腎臓など)、容量負荷心不全
肺循環<全身循環 チアノーゼ
バランスの維持を動脈管(本来は退縮する組織)で行っているので安定させることがかなり困難です。
この状態を脱するために行うのが、ノーウッド手術です。主肺動脈の根元の部分と大動脈を吻合し上行大動脈を作成し、それを大動脈弓~下行大動脈とつなげて右心室から全身に血液を拍出するようにします。同時に大動脈から末梢肺動脈へのシャントまたは右心室から末梢肺動脈への導管を接続し、肺への循環を賄うようにします。また、心房中隔を取り除き左心房に還ってきた血液が右心房を通り、右心室を経て大動脈に至るようにします。シャントでは小さな人工血管(ePTFE)を鎖骨下動脈から肺動脈に吻合します。右心室から肺動脈へも同様の素材を用いた導管などを用いて再建します。術中に動脈管は処理します。
ノーウッド手術のリスクが高い理由として生後間もなく手術をしないといけないことが挙げられてきました。
手術では体外循環・心停止を必要とし、時には低体温下で手術を行う必要があり、各臓器への負担が相当大きく、心臓自身を含めた生後間もない未熟な臓器にそのような負担がかかることが高いリスクの理由です。また、そういった臓器機能の評価をする時間もないのも一因でした。ので、近年、「両側肺動脈バンディング」術を挟み、プロスタグランジン製剤を使いながら3~4週間の余裕をみてノーウッド手術を行うことができるようになり、ノーウッド手術のリスクも飛躍的に下がりました。
ですが、ノーウッド手術後も「肺循環」と「全身循環」のバランスが重要であることは変わりなく、最終的にフォンタン手術にたどり着くまでには計画的な単心室治療戦略に基づいて治療を進めていくことが重要です。
左心低形成症候群(参照ください)の患者さんに対する術式です。1979年に開発されて以降、さまざまな改良がなされてきていますが、ノーウッド手術はいまだリスクの高い手術です。
左心低形成症候群では、一つの心室(”左心低形成”なので右心室)が肺循環と全身循環の両方をまかなう形で生まれてきます。当然、心臓への負担が大きく、かつ「肺循環」と「全身循環」のバランスを維持しなくてはいけません。
肺循環>全身循環 各臓器への循環不全(特に脳、消化管、腎臓など)、容量負荷心不全
肺循環<全身循環 チアノーゼ
バランスの維持を動脈管(本来は退縮する組織)で行っているので安定させることがかなり困難です。
この状態を脱するために行うのが、ノーウッド手術です。主肺動脈の根元の部分と大動脈を吻合し上行大動脈を作成し、それを大動脈弓~下行大動脈とつなげて右心室から全身に血液を拍出するようにします。同時に大動脈から末梢肺動脈へのシャントまたは右心室から末梢肺動脈への導管を接続し、肺への循環を賄うようにします。また、心房中隔を取り除き左心房に還ってきた血液が右心房を通り、右心室を経て大動脈に至るようにします。シャントでは小さな人工血管(ePTFE)を鎖骨下動脈から肺動脈に吻合します。右心室から肺動脈へも同様の素材を用いた導管などを用いて再建します。術中に動脈管は処理します。
ノーウッド手術のリスクが高い理由として生後間もなく手術をしないといけないことが挙げられてきました。
手術では体外循環・心停止を必要とし、時には低体温下で手術を行う必要があり、各臓器への負担が相当大きく、心臓自身を含めた生後間もない未熟な臓器にそのような負担がかかることが高いリスクの理由です。また、そういった臓器機能の評価をする時間もないのも一因でした。ので、近年、「両側肺動脈バンディング」術を挟み、プロスタグランジン製剤を使いながら3~4週間の余裕をみてノーウッド手術を行うことができるようになり、ノーウッド手術のリスクも飛躍的に下がりました。
ですが、ノーウッド手術後も「肺循環」と「全身循環」のバランスが重要であることは変わりなく、最終的にフォンタン手術にたどり着くまでには計画的な単心室治療戦略に基づいて治療を進めていくことが重要です。