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完全大血管転位症

最終更新日:2014年11月13日

完全大血管転位症に対する外科治療

完全大血管転位症は大動脈が右心室から、肺動脈が左心室からそれぞれ起始する病気です。肺で酸素化された血液は左心室から肺動脈を通って再び肺へ、全身から帰ってきた血液は右心室から(肺を通らないまま)大動脈を通って再び全身へと流れていきます。このためそのままでは全身に酸素を含んだ血液が流れませんので、左心系(左心房、左心室)から右心系(右心房、右心室)への抜け道が必須となります。不十分な場合にはカテーテルで心房中隔欠損を拡大するバルーン心房中隔裂開術(BAS)を行うと同時にプロスタグランディン製剤(リプル・PGE1)の持続点滴を行い、動脈管の開存に努めます。動脈管が開いていることにより、大動脈から肺動脈へ血液が流れて肺血流が増加し、左心房から右心房へ流れる血液(有効体血流=全身に流れる酸素化された血液)が増加することになります。

完全大血管転位症は心室中隔欠損のない1型、心室中隔欠損がある2型、心室中隔欠損と肺動脈狭窄(左室流出路狭窄)を有する3型に分類されます(図)。1型および1型では生理的な肺血管抵抗が低下する生後1~2週間程度を目安にJatene(ジャテーン)手術を行います。肺血管抵抗が低下してしまうとその手前にある左心室の圧も下がってしまい、根治手術後に全身に血液を送り出すための左心室の能力を維持することが難しくなります。このような場合には肺動脈絞扼術±体肺動脈シャント手術を行うことで左心室を鍛えなおし、その後にJatene手術を行うことがあります。3型では、乳児期~幼児期にRastelli手術(または心外導管を用いないRev手術など)を行います。肺動脈狭窄が高度でチアノーゼ(低酸素血症。静脈血が動脈血に混ざることで、動脈血液中の酸素が少なくなる状態)が強い場合や肺動脈自体が低形成な場合、肺血流を増加させ肺動脈の発育を促すことを目的として、乳児期早期に体肺動脈シャント手術を先行手術として行います。